2016年8月25日 (木)

カロ・ジョゼCaro Josée 「Turning Point」

ムーディーな洒落たジャズを~これもベテランの味

   <Jazz>
    Caro Josée「Turning Point」
    Skip Records / Germ /LC10482 / 2012

Turning_point

Produced by Martin Scheffler, Andreas Paulsen & Caro Josee .
Recorded 2011 in Bendestorf and Hamburg, Germany.

Jazzaudio5 カロ・ジョゼCaro Josée、日本でそれ程馴染みのある歌手では無いが、ドイツのベテラン・ジャズ・シンガーだ。1958年生まれだから現在57歳というところか。
 このアルバム、もともと寺島靖国の『for Jazz Audio Fans Only vol.5』(TERASHIMA RECORDS / TYR-1031 / 2012 →)に、アルバム冒頭の曲”La Terrazza”が取りあげられ注目されたと言って良いだろう。

51_2 彼女のアルバムは、調べるとライブものを除いて過去に9枚あるが(末尾参照)、現在我々の手に入るのは2枚のアルバムぐらいしかなく、近作は、 『Summer Ease』(SkipRecords / GER / SKP9129 / 2016 →)である。しかし話題性からは、この2012年の『Turning Point』が勝るので、ここに取りあげたと言うところ。

 もう30年以上前の1978年にドイツの音楽の祭典ECHOの前身にあたるGerman Record Prizeにおいてナショナル・ポップ・アーティストを獲得したという話(当時20歳)があるので、ドイツでは長く愛されてきたシンガーなんだろうと推測される。
 このアルバムは彼女の取り巻きの総力を挙げてというところか、バック演奏陣が多彩で、ドイツの名門放送局バンドの「NDR ビッグバンド」のトランペッターReiner Winterschladenの名前も見える。

(MEMBERs)
Caro Josée- Vocals
Reiner Winterschladen - Trumpet
Manusch weiss - Guitar
Enzo Weiss - Rhythm Guitar
Martin Scheffler - Guitars
Thomas Biller - Double Bass
Julien Kravetz - Drums
Robbie Smith - Drums, Percussion
Andreas Paulsen - Piano
Jean Jacques Kravetz - Fender Rhodes
Pascal Kravetz - Organ
Zwetelina Haubold - Violin
Okko Becker & Alexander Hopf - String Arrangements;

 彼女のややハスキーな、そしてスモーキーに、更に年齢の割にはキュートなヴォイスによって、ムーディーに魅力たっぷりに唄われるアルバムである。
 やはりドイツだけあって録音もリアル。そんなところも寺島靖国に選ばれた一つの因子だと思うが、それにも増して彼女のヴォーカルはM1.は軽快なスタートであるが、その中にも女性らしいムードがあり、M2.になるとさすがベテラン、その歌い込みが見事な曲で、ストリングスをバックにピアノ、ギターの調べが効果を上げる中で、見事な大人のムードを盛り上げる。
 更にM3.では、ミュートを効かせたトランペットの登場で、彼女の唄は更に味付けがジャジーにしっとりとして、一層そのムードは深遠な世界に導く。
 M7.、M10.、M11.などスロー・ナンバーが良いですね。
 しかしM5.を聴くと、かっては結構ポップな曲をこなしていたのではと想像もする。ちょっと昔のアルバムも聴いてみたいところだ。

Caro20607grunw(Tracklist)
1.  La Terrazza
2.  Paris
3.  The Lawyer's Wife
4.  Night Time
5.  Bouillabaisse
6.  Mona Lisa Liut
7.  A Love Like This
8.  No Stars In My Sky
9.  SOS
10.  It's Impossible
11.  Mi Amor

(参考:Caro Josée  Discography )
1977 Caro & JCT Band It's Nothing But Higher Pinball Records (TELDEC)
1980 Caro Caro (WEA Records)
1983 Caro The Boy is Mine (WEA Records) (Europa)
1984 Caro The Boy is Mine (Rocshire Records/MCA-Universal) (USA)
1988 Caro Josy T. (Intercord) (Soundtrack zum Film)
1991 Caro Volcano (Virgin Records)
2005 Caro Eternity (Adhip Records/Moon Sound Records)
2012 Caro Josée Turning Point (Skip Records) *
2016 Caro Josée Summer Ease (Skip Records)

(視聴)Caro Josée ”It's Impossible”

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2016年8月20日 (土)

メラニー・デ・ビアシオMelanie De Biasioの問題作「BLACKENED CITIES」

ロック、ソウルからの発展型?=異色の女性ヴォーカル・ジャズ

   <Soul, Jazz, Alternative Rock
   Melanie De Biasio「BLACKENED CITIES」
   Play It Again Sam / UK / PIASLO-50CD / 2016

Blackenedcities3

  (Tracklist)
   M1.Blackened Cities   24:14

 ベルギーの異色の個性派女性ジャズ・シンガーのメラニー・デ・ビアシオ。彼女の最新作3rdアルバムだ(このアルバムは約25分の1曲のみ)。
 これを取りあげたいために、先日彼女の前作2ndアルバム(2014年『ノー・ディールNo Deal』((参考) ”Melanie De Biasio「No Deal」” ))を紹介した訳だが、この3rdアルバム『BLACKENED CITIES』は、更に負けず劣らずの衝撃の問題作である。私にとっては今年の注目作の最右翼。

  このアルバム(というかこの曲)は、明らかに社会派の作品とみれる。まずジャケからみても暖かさの感じられない工業都市のモノクロ写真。真っ黒な雲の合間からさす逆光によって浮き出る工業建造物の影は印象深い。そこに果たして人間の世界はどのように構築されているのか?、そして人間性の回復は得られたのか?、まずそんなテーマを感ずるアルバム・ジャケなのだ。
 この”Blackened Cities”という作品、”黒ずんだ工業都市”ということなのだろうが、メラニーが18歳までに過ごした事のある街、マンチェスター(英国)、デトロイト(米国)、バルバオ(スペイン)そして地元でもあるシャルルロワ(ベルギー)などの脱工業地域の街の風景から、インスピレーションを得て完成させたものだという。
Mdb
 曲は深く暗く静かにして荒涼たる世界を聴く者に描かせるところから始まり、メラニーの美しい中・低音の訴えかけるようなヴォーカルが静かにスタートする。繰り返し歌え上げる”goldjunkies”という言葉が焼き付けられる。
 明らかに、「黒ずんだ工業都市」にうごめいてきた人達の生活は・・・・・そこにはこの曲が描くところにみるとおり”明るさ”というものは感じとれない。彼女はこの曲によってこのような都市の再生を期して歌うのであろうか?・・・それに関しては、今聴いている私には解らない。
 前作『ノー・ディール』とはテーマは異なるところであろうが、その暗さはやはり共通している。しかしそこに響くメラニーの歌声が、妙に暖かく美しく心に響いてくるのである。

Bcs このアルバム製作に当たっては、メラニー自身の発想と曲づくりから行われているが、ブリュッセル王立音楽院で出会ったバンド・メンバーや気の知れたアーティスト達と本作を作り上げようだ(←参照)。

Melanie De Biasio : Voice, Flute
Pascal Mohy - Piano
Sam Gerstmans - Double Bass
Dre Pallemaerts - Drums
Pascal Paulus - Synth, Backing Vocals
Bart Vincent - Backing Vocals

Mdb1

 メラニー・デ・ビアシオは、1978年7月12日、ベルギーのCharleroiに生まれ38歳、フルート奏者にしてコンポーザー。紹介は前回アーティクルを見てもらうことで省略するが、彼女のアルバムは既に世界的に評価が高く、2015年度「ヨーロピアン・ボーダーブレーカーズ(EBBA)賞」を受賞している。

 コンセプティブな発想が盛り込まれていることや、その曲のタイプからも、Jazz分野から見ればContemporary Jazz、 Crossover Jazz、Club Jazz、 Experimental Ambientと言えるのか、一方Rock側からも、Alternative Rock として評価されたりで、一種のProgressive Rockとも言えるところにある。こんなところからもおおよその彼女の世界が見えてくるところである。
 とにかくJazz界からは、その曲の異色性からも関心度が高く、抜群の歌唱力と相まってクールにして、聴きようでは熱い心が感じられ、その矛盾した世界は高評価を持って注目されているわけだ。
 ある紹介によると、彼女は、影響を受けたミュージシャンとしてNina Simone, Betty Davis, Abbey Lincoln, Betty Carter, Funkadelic, Billie Holiday,Siouxsie and The Banshees, Duke Ellington, Sly and The Family Stone, Delroy Washington, burning spearなどの名が挙げられている。

  取り敢えずの評価としては、私が興味を持った前作『No Deal』を彼女のアルバムとしては、お勧めだ。

(視聴) ”Blackened Cities”

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2016年8月17日 (水)

シェリル・ベンティーンCheryl Bentyneのソロ・アルバム考察(2)

グループ・ヴォーカルからソロ・ヴォーカル・アルバムの成功

 前回に続いて、シェリル・ベンティーンCheryl Bentyneのソロ・ヴォーカル・アルバムを聴き込んでいると、その二十数年の歴史においての変遷が結構面白い。
 ここでは、むしろ彼女のその初期から中期のアルバムをチェックしてみよう。

<Jazz>
Cheryl Bentyne  『something cool』
columbia / US / ck48506 / 1992

Somethingcool_2

Cheryl Bentyne(voc.), mark Isham(trump, Flgel), Chuck Damonico(bass), Kurt Wortman(dum.), Corey Allen(piano)

1. Something Cool 
2. Les Modernes (Still They Tango)
3. Les Enfants

4. Fever
5. Moonray
6. Invitation

7. Daydream
8. Let's go out tonight

9. Lonely house
10. I didn't know about you

 ベンティーンが今から24年前若き38歳の華々しき時のアルバム。ヴォーカル・グループ「マンハッタン・トランスファー」にあってのこれが彼女の1stソロ・アルバムという新展開を狙った試み。
 近年の中低音域のソフトなヴォーカルものと明らかに違って、グループでソプラノ・ジャズ歌手としての役を担っているだけあって、そのソプラノの味を十分発揮しているヴォーカル・アルバムである。

3294_9 スタートのM1.”Something Cool” は、ストリングスがバックにあってアメリカ・ミュージカル映画のサウンドトラック調でり、はたまたM2.”Les Modernes (Still They Tango)”では、ジャズそのもので、トランペットの響きとピアノ・トリオがバックを支える中にしっとりと歌い上げる。
 そしてM3.” Les Enfants”はピアノなしのフルーゲルホーンとパーカッションの活きたバック演奏でムードは一変、ヴォーカルはやっぱりソプラノ域が中心。
 続くM4.”Fever”は、ベース、パーカッションの軽快なリズムに乗ったジャズの展開を堪能させる。
 更にM5.”Moomray”、M7”Daydream”は一転して深遠な世界を歌い込む。
 曲によって、ジャズといってもそのパターンは多彩で、近年の聴きやすさのJazzy not Jazz路線寄りのものと違って、彼女なりきのジャズへの挑戦の姿が感じられるなかなかの傑作である。彼女の一連のアルバムの中でも異色でありながら、評価されるべきものだと思う。

さて、ついでに・・・・

<Jazz>
Cheryl Bentyne  『Talk Of The Town』
バトルホイール/JPN / KICJ439 / 2002

Talk_of_the_town_2_3

CHERYL BENTYNE(vo),KENNY BARRON(p),LEWIS NASH(ds),JOHN PATITUCCI(b)

1. ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ
2. 誰も奪えぬこの想い
3. リトル・バタフライ(パノニカ)
4. ザ・ベリー・ソート・オブ・ユー
5. ラブ・ミー・オア・リーブ・ミー
6. エブリシング・ハプンズ・トゥ・ミー
7. ファーマーズ・マーケット
8. ザ・トーク・オブ・ザ・タウン|ゲット・アウト・オブ・タウン
9. ガール・トーク
10. ザ・ミーニング・オブ・ザ・ブルース
11. 春の如く
12. ジーズ・フーリッシュ・シングス
13. スティル・グッド・フレンズ

  このアルバムはジャズ・アルバムそのもの。バックのジャズ演奏においてもKenny Barron以下のメンバーの魅力が感じられ、それに乗っての彼女のリズムカルな歌と、一方ムーディーなヴォーカルも冴えている。更に歌唱力を訴える曲も盛り込んでのなかなかの良盤ですね。彼女の完成型の表現アルバムと言っておきたい。

 こうして聴いているとシェリル・ベンティーンってなかなか技巧派であることが実感するところである。

(試聴) ”Moonray”

”You'd Be So Nice To Come Home To”

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2016年8月13日 (土)

シェリル・ベンティーンCheryl Bentyneのソロ・アルバム考察(1)

ベテランのムーデイーなヴォーカル・アルバムは味なものだ

564017_10150756819470851_922965618_  何故か、CDアルバムを少々持ちながらここで取りあげなかった女性ヴォーカリストとしてこの米国のベテラン・シンガーのシェリル・ベンティーンCheryl Bentyneがいる。
 彼女の最新アルバムは今までにリリースしたアルバムからのベスト盤での『Lost Love Songs』(Summit Records 2016)だろうか、ここ何年か彼女の新作には触れて来ていない。

 彼女は男2+女2の4人ジャズ・ヴォーカル・グループ「The Manhattan Transfer」のメンバーで、このタイプのジャズ・ヴォーカルはどうも私の好みと違っていて何となく敬遠してしまっていた。
 しかし彼女はもう60歳を超えてのベテラン、従って彼女を中心として(ソロ)のアルバムは現在まで14枚リリースされているが、その中の『The Book of Love』(Telarc Distribution 2006)、 『Sings "Waltz for Debby"』(king 2004)、 『Something Cool』(Columbia 1992)の3枚のアルバムは私のいつも聴ける棚に鎮座している。その為ふと良く拝見しているジャズ愛好家のブログで彼女のアルバムに触れているのを拝見すると、そうそう・・・と釣られてなんとなく聴くことになるのである。
  そして最近、爵士さんからも『MOONLIGHT SERENADE』(King 2003)、『Talk Of The Town』 (Telarc 2003)の2アルバムを聴かせて頂いて、なんとなく彼女の世界も頭に描けるところに至っています。

そんな訳でこのあたりで取りあげておくと言うことになったのだ。

<Jazz>
Cheryl Bentyne 「Sings "Waltz for Debby"」 
KING / JPN / KICJ 477 / 2004 

 
Waltz_for_debby_2Cheryl Bentyne(vo)  Kenny Barron (p)  Ray Drummond (b)

1.Last night when we were young
2.Blue moon
3.The boy next door
4.I must have that man
5.But Beautiful
6.Thou swell
7.When your lover has gone
8.Easy living
9.In a Sentimental mood
10.Stopin' at the savoy
11.I get along without you very well
12.Walts for debby

                 *      *     *     *     *     *

<Jazz>
Cheryl Bentyne 「The Book of Love」
TELARC / US / CD83652 / 2006


The_bbok_of_loveCHERYL BENTYNE(vo) JOHN PIZZARELLI(vo),  MARK KIBBLE(vo),ALVIN CHEA(vo)

1. YOU DON'T KNOW ME
2. BE MY LOVE
3. BLUE MOON
4. LET'S DO IT
5. DON'T SAY A WORD
6. THE BOOK OF LOVE
7. YOU TAUGHY MY HEART TO SING
8. YOU GO TO MY HEAD
9. CRY ME A RIVER
10. I'M A FOOL TO WANT YOU
11. GOODBYE
12. THE BOOK OF LOVE (REPRISE)

 この2枚のアルバムが取り敢えずここ10年来の中での愛着ものである。彼女のソロ・アルバムはあの「The Manhattan Transfer」ものとちょっと違って、所謂スタンダード曲を中心にバラード調のムーディーなジャズ・ヴォーカルを展開してくれてなかなか聴き心地が良い。そして彼女の声はグループではソプラノ領域の担当ではあるが、これらのソロ・アルバムでは中低音になかなかソフトにして説得力のある魅力があり良いですね。高音域はそれなりに特徴あり若い時と違って若干堅めにハスキーなって、イマイチと感ずるところもある。そうは言っても全体にはテクニック的にも百戦錬磨のジャズ・ヴォーカルで好感度抜群で迫ってくる。

 アルバム『The Book of Love』の方は、近年流行のパターンであるストリング・オーストラをも導入してムーディーに仕上げていて、こちらの方が一般受けするのかも知れない。ただ私の好みとしては、どちらかというとアルバム『Sings "Waltz for Debby"』に軍配を挙げる。これはピアノにKenny Barron 、ベースにRay Drummond の二人のみのバックで、ジャズ因子が高く、バラードをしっとりと歌い上げてくれて更に好感度抜群なんですね。まあそれぞれ好みはひとによって違うとは思うところだが・・・・・。

Manhattantransfer シェリル・ベンティーンは、1954年1月17日米国ワシントン州生まれ。父はディキシーランド・ジャズのクラリネット奏者であった。それによったかどうか解らないが、高校の時からクラブで歌い始めたようだ。卒業後はスウィング・ジャズのバンドに入る。79年にオーディションを受け、ローレル・マッセイの後任のソプラノ担当としてジャズ・ヴォーカル・グループ「マンハッタン・トランスファー」に加入し活躍。92年になって初のソロ・アルバム『Something Cool』を発表し好評、ソロのジャズ・シンガーの道も歩み始める。

・・・・と、言うところが私のシェリル・ベンティーンのお話。
  実は彼女の1stアルバム『Something Cool』(Columbia 1992)は、既に20年以上前になるので、今回触れなかったんですが・・・、これが彼女のアルバムとしては実に中身が多彩にして快作であるので、次回に触れたいと思っている。

(視聴)

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2016年8月 9日 (火)

ピンク・フロイドPink floyd 前代未聞のスケールで=ボックス・セット「The Early Years 1965-1972」

驚異の超レア音源・映像全7巻27枚組ボックス・セットの登場
  (CDx10 + DVDx9 + Blu-rayx8 + 7インチシングルx5)

  ~(価格)さあ、どうする・・・・→ 8万円(実売 \62,000か?)~

<Progessive Rock>
PINK FLOYD 「EARLY YEARS 1965-1972」

Earlyyearsw

 しかし、途轍もない企画物がリリースされますね。まだまだピンク・フロイドは売り物になるんですね。なんとCD、DVD、Blu-rayなど27枚組セット。
 「Columbia/legacy」レーベルのオフィシャル盤。今年11月の発売だが、既に話題が騒然としている。
Pf2
 これは1965年から1972年までのピンク・フロイドの膨大な保存記録の未発表音源・映像など詰め込んだ。なんと12時間33分の音源、15時間の映像物なのだ。しかも長編映画は「ザ・コミッティー」「モア」「ラ・ヴァレ」の3本収録と。
 過去にいろいろと集めた私にとっても、おそらく初物が納められている可能性も高く、これは無視できないと・・・・言うことになってしまうのだが。

 なんと言ってもこの60年代から70年始めは面白いですからね・・・。ネタは山ほどある。

Pf1■「シド・バレットの狂気」
■そしてシドが抹殺されて・・・・立て直しに「ロジャー・ウォーターズの奮戦記」ギターにギルモアを正式メンバーに登用したが、バレットとの反動が大きく反発もあって、ウォーターズは一生懸命作曲してギルモアに唄わせて(”Green Is The Colour”、”Cymbaline”など)、次第に彼ら4人のパターンを構築して行く。
■実はアルバム「モア」、「ウマグマ」、「原子心母」の頃が最も面白い時期なので、その当時の資料満載。→これからほぼ完成形の「おせっかい」に向かう。
■オフィシャルの「箱根アフロディーテ」の映像は如何(まあ、そう凄い物は出ないでしょうが)

・・・・・・と、言うところで11月までに貯金ですね(笑)。

(参考)[主たる収録内容]

■ 第一巻:1965-1967 CAMBRIDGE ST/ATION (ケンブリッジ駅)
EMI契約前のデモからアルバム未収録ヒット・シングル、関連トラックまで、シド・バレット在籍時代をカバーする第1巻。ピンク・フロイドの私蔵映像も収録される。

■ 第二巻:1968 GERMIN/ATION (germination=発芽)
シド・バレット脱退直後、ピンク・フロイドが引き続きシングルの曲作りをしながら、同時によりイ ンストゥルメンタルを重視した独自のスタイルを発展させていった時期を探求している。未収録シングル、キャピトル・レコード・スタジオ・セッション、BBCセッショカなど。

■ 第三巻:1969  DRAMATIS/ATION (dramatization=戯曲化、脚色)
1969年、ピンク・フロイドは夢想、覚醒、その他の活動からなる24時間をテーマとした「The Man」と「The Journey」の2部からなるコンセプト・ライヴ・プロダクションを発表した。本巻は「The Man」と「The Journey」のツアーに遡り、アムステルダムでのライヴ 音源やロンドンのBBCで行なわれた演奏を取り上げている。
 映像マテリアルにはアンソニー・スターン監督による、ロイヤル・フェスティヴァル・ホールで行わ れた「The Man」「The Journey」の20分に及ぶリハーサル映像。ベルギーで行われたピンク・フ ロイドのライヴ・ステージにフランク・ザッパが飛び入りで共演した「星空のドライヴ」を収録して いる。

■ 第四巻:1970  DEVI/ATION (deviation=逸脱、偏向)
1969年暮れと1970年初期、ピンク・フロイドはミケランジェロ・アントニオーニの米国社会に対す る新たな見解を描いた映画『砂丘』への提供曲の録音とミックスを行った。3曲がサウンドトラッ ク・アルバムに収録され、さらに4曲が1997年に発売された同作のエクスパンデッド・エディショ ンに収録されている。
 本作に はオーケストラや合唱団との共演によるBBCでの初演時の音源が収録されるほか、『原子心 母』の4人のメンバーだけの初期スタジオ・ヴァージョンも収録されている。更にDVDにはオリジ ナルの4チャンネル・ステレオ・ミックスが収録される。
 映像マテリアルにはサンフランシスコのケーブル・テレビ局KQEDで行われた、まる1時間に及ぶピンク・フロイドのライヴ映像、『原子心母』の歴史的パフォーマンスの抜粋、フランス南部で行われたサン・トロペ・フェスティヴァルをフランスのテレビ局が取材した際の映像などが含まれる。

■ 第五巻:1971 REVERBER/ATION (reverberation=残響)
アルバム『おせっかい』のアルバム片面を占める「エコー ズ」を中心に。「Nothing」から「Return Of The Son Of Nothing」まで 展開していく「エコーズ」プロジェクトの制作過程でのオリジナル・デモ音源の一部や、同時期の BBCセッション音源が収録される。
 「エコーズ」の4チャンネルによる未発表オリジナル音源の他、ピンク・フロイドの初来日公演である1971年8月に箱根の芦ノ湖畔 でおこなわれたフェス“箱根アフロディーテ”出演時のライヴ映像「原子心母」も収録されてい る。

■ 第六巻:1972  OBFUSC/ATION  (obfuscation=曖昧化)
アルパム『雲の影』を録音した。バーベット・シュ ローダー監督の映画『ラ・ヴァレ(La Vallée)』のサウンドトラックである。本巻のCDに収録されて いる『雲の影』は新たに2016年にREMIXされたもの。
 本巻の映像マテリアルには映画『ライヴ・アット・ポンペイ』の演奏を新たに5.1オーディオ・ミックスに編集したものや、同時代にフランスのテレビ局で収録された映像、1972年6月にブライトン・ドームで行われた演奏、ローラン・プティのバレエ団との共演映像などが含まれる。

■ 第七巻:BONUS CONTINU/ATION (Exclusive to 'The Early Years 1965-1972' box set) (continuation=継続)
初期のBBCラジオ出演時セッション、映画『ザ・コミッティー』のオーディオ・トラック、1969年のNASAによる月面着陸生中継時のサウンドトラックとしてピンク・フロイドが提供した音源などが収録される。
 長編映画『ザ・コミッティー』、『モア』、『ラ・ヴァレ』の3本収録される他、ライヴ映像やフェスティヴァルでの演奏も収録される。

■ 7インチ・シングル×5(オリジナル復刻スリーヴに収納)
・Arnold Layne C/W Candy And A Currant Bun
・See Emily Play C/W The Scarecrow
・Apples And Oranges C/W Paintbox
・It Would Be So Nice C/W Julia Dream
・Point Me At The Sky C/W Careful With That Axe, Eugene


視聴)「The Early Years 1965-1972」

"Careful With That Axe, Eugene "

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2016年8月 6日 (土)

(問題盤)メラニー・デ・ビアシオMelanie de biasio 「NO DEAL」

ベルギーからの物憂い陰影漂う完璧なジャズ・ヴォーカル
    ~このダークなムードは??~

      <Jazz>
            
Melanie de Biasio「NO DEAL」
      Hostess Entertainmen / UK / PIASR-690CDX / 2014

Nodeal
MELANIE DE BIASIO(vo, flute)
DRE PALLEMAERTS(ds)
PASCAL PAULUS(clavinet analog synths)
PASCAL MOHY(p)

 なんと言っても評価が難しく、私のところで埋もれていたアルバムを今この夏に登場させる。とにかく重い、深く暗い、ジャケの黒そのもの、その響き渡る物憂げな歌声。そしてそれは欠点の無い恐ろしいほどの完璧なジャズ・ヴォーカル。

(Tracklist) 1.I Feel You   2.The Flow   3.No Deal    4.With Love   5.Sweet Darling Pain   6.I'm Gonna Leave You   7.With All My Love

  唄うは、ベルギーの個性派シンガー、メラニー・デ・ビアシオMelanie de biasio 。ビリー・ホリデイの再来かと比較され期待されているが?。
 このアルバムは彼女がデビューしてから7年目の2014年リリースの2ndアルバムだ。そしてこのアルバムを今となってここに登場させるのは、現在3rdアルバム( 『Blackened Cities』(PLAY IT AGAIN SAM / UK / PIASLO 50 CD / 2016))もリリースされ、それにも焦点を当てたいからである。

 とにかく彼女はフルートを演ずるが、このアルバムでのヴォーカルはその録音もやや残響を聴かせホール感を十分に出したもので、クールにして官能的なところがあり、その深さは尋常では無い。
 又曲の仕上げはなかなか現代的であり、スムースジャズとして評価も受けている。
 このアルバムは上記のとおり7曲の30分少々の短いものだが、過去に無かった世界で強烈な印象を受ける。最近で言うとメロディ・ガルドーのアルバム『CURRENCY of MAN』 に近い印象のところもあって、若干ロックっぽいところも私には好評、その重厚な陰影の世界はまさにピカイチ。

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 紹介文はこんなところだ・・・・→「古き良きジャズ、ブルース、ソウルの影響を受けるメラニーはベルギーの名門大学、ブリュッセル王立音楽院で音楽の才能を開花させ、2007年に『Stomach Is Burning』でアルバム・デビュー。母国ベルギーやフランスなどのフランス語圏の国で高い評価を受けた。クラシック・ダンスからフルート、ヴォーカルの勉強を続けてきた彼女の歌声はビリー・ホリデイやニーナ・シモンを彷彿とさせ、本作からは大人のスムースジャズのフレイヴァーが漂う。またポーティスヘッドなどのトリップ・ホップの世界観も見事に表現している」・・・・・・と。

A328269114659421017140_jpeg さて、このアルバムは「好きか?」と聞かれれば、私は即「好きだ」と言える。それほど暗い中にバック陣のハイレベルな演奏と曲仕上げ、重厚な魅力のあるヴォーカルが漂っているからだ。ちょっと類の無い恐ろしいどちらかというとクールなヴォーカルのコンテンポラリー・ジャズ・アルバムだ。

 本人に言わせると・・・・・・・・”前作と比べるとよりジャズの要素が少なくなっていると思う。空間の広がり、反響するものがそこにはあって、もっとインディーでアンダーグラウンドな雰囲気を出すことができた。プロデュース、ミックス、マスタリング……すべての工程に私が関わったから、より私らしい作品になったわ”・・・・・・・と。
 彼女の意志がこの世界を構築しているようだ。やっぱり恐ろしい。

 このアルバム聴いたことのある方は・・・・是非感想聞かせてください!!(聴く人により、いろいろな感想があるのでは?と思うのである)

(視聴)

① ”The Flow

② ”.I'm Gonna Leave You

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2016年8月 2日 (火)

(再発盤検証)パスカル・ラボーレPascale Lavoie 「You and the night and the music」

「美女狩りシリーズ」カナダからの・・・贈り物

   <Jazz>
    Pascale Lavoie 「You and the night and the music」
    Gats Production / CAN / PML20022 / 2016

You_and_the_night
Pascale Lavoie(voc) / Joe Sullivan(flh) / Maxime-Samuel Seguin(p) / Kenny Bibace(g) / Dave Watts(b) / Dave Laing(ds) / Michel Berthiaume(ds) / Rene Lazaro(perc) / Bruno Lamarche(sax) / Craig Hodgson(sax)

Poster21.You and the Night and the Music
2.I've Got You Under My Skin
3.I Get a Kick out of You
4.La Fille D'Ipanema
5.Just Squeeze Me
6.The way You look Tonight
7.I Guess I'll Have to Change My Plan
8.Black Orpheus
9.Makin whoopee
10.Fly Me to the Moon
11.Nobody But Me
12.Pretend it's not a Lie

 これはまさに「美女狩りシリーズ」です。今年に入って、”埋もれさせてしまうには惜しいカナダの美人ヴォーカリスト”という宣伝で、再発盤として2004年のアルバム『Moods』がリリースされた。これを数ヶ月前にここで取りあげたのだが、又々そのアルバムより3年前に吹き込まれた(2001年)実質上彼女のデビュー・アルバムがここに再発盤としてリリースされたのだ。

(参照)「Moods」http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2016/03/pascale-lavoie-.html

 再発盤『Moods』が思いの外好評だった為か、全く手に入れることは難しかったこのアルバムが数ヶ月の間をおいて再発されたわけだ。まあ売れるならこっちも売ろうと言うことなんでしょうかね。そこでその流れに乗って、美女狩りを得意とする友人のお勧めもあって、取り敢えず聴いてみたと言うところ。

 収録曲は、最も受け入れやすいボサ・ノバ調とスタンダードナンバーを、どちらかと言うとポップなアレンジで聴かせてくれる。やはり低音が伸びて効いた歌声だが、何か物憂い歌い方と、ちょっと面倒くさそうに(ほんとはそんな事は当然無いであろうが)やや投げやり風に唄うところが面白く、そのあたりが特徴というところか。
 まあとにかく気楽に聴いてみるには結構楽しいというアルバムであった。

Pleasebelongw ところで彼女の最近動向やアルバムの話と言えば、2013年には『Please belong to me』というやはりスタンダート・ナンバーを唄った魅力的なジャケのアルバムがリリースされている。これが3枚目の直近のアルバムということになるが、それからまだ3年なのだが、その割には情報がないのが不思議。活動盛んであればそろそろニュー・アルバム(4thアルバム)が出そうなところなのだが、このように再発盤が盛んなのが、どのような意味なのであろうか?。現在年齢的には40歳代というところに推測するが、もうリタイヤということでもないと思うが、どんなところなんでしょうかね。

(視聴) Pascale Lavoie ”The way You look Tonight”

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2016年7月29日 (金)

アデルADELの野外ライブ・ステージ「GLASTONBURY LIVE」

アデルのグラストンベリー・フェスティバル2016ライブ映像盤

       <Rock> (Bootleg)
       ADELE 「GLASTONBURY LIVE」
         Sylph Records / SY-1238 / 2016

Glastonbury
Live At Worthy Farm, Pilton, England June 25th 2016
SOUNDBOARD & PRO SHOT 109min

 アデルはアルバム『25』リリース後の今年6月(つい先月である)、イングランド・ピルトンで1970年から行われている大規模野外ロック・フェスティバルにて、大トリにてライブ・ステージを展開。その模様を完全収録したCD及びDVDが登場。勿論ブート盤である。
 これは世界の三大ロック・フェスティバルだけあって、そのスケールは大きい。正式名称は「Glastonbury Festival of Contemporary Performing Arts」である。なにせ3日間のステージに15万人の観客が集まるのだ。
 このアルバム、収録内容はCDとDVDは同じであるので、DVDを中心に紹介する。
 とにかく二日目大トリ、夜になっての大観衆に驚かされる。それを物ともせずにアデルがパワー全開で圧倒する。

Stage0
 このDVD映像はプロショツトだけあって、お見事。とにかく大会場ですから、よくここまで上手に撮ったなぁ~といったところ。サウンドはサウンド・ボードによると言うが、日本に於いてはブートと言えども近年のライブ録音が素晴らしいので、それと比較するとやっぱり落ちる。如何せんアデルの声が固い。これはまあ仕方が無いところだろうが、もう少しバックの演奏もしっかり聴きたいし、そんな意味で若干空しい(CDの方がサウンドは良好ではあるが、それでももう一歩と言ったところ)。まあ昔フロイドやクリムゾンのブートを漁っていた頃と比較すると、その出来の良さは格段に上なんですが・・・・。まあブートとしては、このステージの様子をここまで上手く捉えたというところで取り敢えずは評価は”良”としておこう。

Stage1DVD ( 109min. )
01. Intro
02. Hello
03. Rumour Has It
04. I'll Be Waiting
05. One and Only
06. <Chatiing With A Girl of 10 Year old Fan On The Stage>
07. Water Under the Bridge
08. Skyfall
09. Hometown Glory
10. Don't You Remember
11. Send My Love (to Your New Lover)
12. River  Lea
13. Rolling in the Deep
14. Make You Feel My Love (Bob Dylan cover)
15. <Chatiing With A Girl of 26 Year old Fan On The Stage>
16. Set Fire to the Rain
-Encore-
17. Film
18. When We Were Young
19. <Chat On The Stage>
20. Someone Like You
21. Outro

 さて内容だが、セットリストは上記のとおりで、1時間40分を超えてパワーフルなパフォーマンスで15曲を演じきって飽きさせない。アルバム『21』から7曲、アルバム『25』が5曲、そしてアルバム『19』から2曲。更に映画「007SKYFALL」からの”Skyfall”という構成。

 先ずはヒット曲”Hello”からで、いやはや会場も男女揃っての大合唱で、アデルの声も聴き取れないほどだ。しかしここまでアデルの人気は未だに続いていることに脱帽。とにかくもともと自由奔放な彼女のこと、ちょっと出だしの難しい”River  Lea”なんかは、とちってやり直ししてみせる一幕もあり、これもご愛嬌。逆にこんなところが又うけるんでしょうね。「007」の”Skyfall”は中盤の聴かせどころ。
 ” Don't You Remember”、”Rolling in the Deep”などヒット曲を連ねるが、取り敢えずは”Set Fire to the Rain”で一締めする。

Adelefan2large_tr_2 会場から、10歳の女の子や26歳の女性をステージに上げておしゃべりをしたり、相変わらずステージ上では彼女は饒舌である。
 とにかく会場全体を引きつけるアデルのステージは立派。アンコールによる最後の曲”Someone Like You”は『21』の締めの曲でもあるが、ステージから降りて観客とのふれあいサービスも行き届き、プロとしての意識も高い。そして会場との大合唱で幕を閉じるのである。

 ブートと言えども、一定のレベル以上の映像とサウンドで、つい先月のアデルの活動の姿も手に取るように観れるということは、時代の進歩を感ずるのである。

(視聴)ADELE   ”Live at GLASTONBURY 2016”

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2016年7月25日 (月)

(再発盤検証)ラドカ・トネフRadka Toneff 「Butterfly」

ノルウェーの伝説的歌姫のアウトテイク集の再発盤

 あの名盤スティーブ・ドブロゴスSteve Dorbrogoszのピアノとのデュオ『フェアリーテイルズFAIRYTALES』を吹き込んだ直後、82年に30歳の若さでその短い生涯を閉じてしまったノルウェーの伝説的歌姫、ラドカ・トネフ(25 June 1952 – 21 October 1982)。彼女の死後26年(2008年)にリリースされた貴重なアウトテイク集の再発盤がここに来て昨年末登場した。

(参考)「FAIRYTALES」http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2014/10/steve-dobrogosz.html

   <Jazz>
      RADOKA TONEFF 「butterfly」
      BOMBA RECORDS / JPN / BOM13002 / 2015

Butterflyw
Arildbass01 ラドカ・トネフのよきパートナーであったと言うバンド・メンバーのベーシスト・アーリル・アンナシェン(アリルド・アンデルセン)Arild Andersen(←)の選曲によったもので、これは彼女が一般に知られ注目を浴びる以前の録音されていたモノを集めたものだ。以下の12曲。

(Tracklist)
1.It's Been A Long Day
2.Pre-Dawn Imagination
3.Antonio's Song
4.Nature Boy
5.Sometime Ago
6.Like That
7.The Butterfly
8.Before Love Went Out Of Style
9.Black Coffee
10.My One And Only Love
11.He Ain't Heavy, He's My Brother
12.Don't Weep For The Lady

ラドカ・トネフ RADKA TONEFF (VOCAL)
ヨン・バルケ JON BALKE (PIANO)
スティーヴ・ドブロゴス STEVE DOBROGOSZ (PIANO)
ラーシュ・ヤンソン LARS JANSSON (PIANO)
ヨン・エベルソン JON EBERSON (GUITAR)
アーリル・アンナシェン ARILD ANDERSEN (BASS)
アレックス・リール ALEX RIEL (DRUM)
ヨン・クリステンセン JON CHRISTENSEN (DRUMS)
エスペン・ルード ESPEN RUD (DRUMS)
ノールショッピング交響楽団 NORRKOPING SYMPHONY ORCHESTRA

978x  いわゆる未発表音源集である。放送局の音源やジャズ・フェスティバルでの録音などを集めたものという。優しい声で、語りかけるかのように歌うトネフのヴォーカルが、今に甦って来て、確かに魅力溢れるアルバムだ。
 彼女の死は自殺とみられているが、その状況を察するに更に哀感が漂ってくる。
 このアルバムのように彼女は全てがこの囁くように歌い込むわけで無いことは知っている。結構かってはこのアルバムの”Black Coffe”に若干みられるように声を張り上げての歌い込みもあったのだ。しかしこのアルバムは一つの憂いを誘うべくこのように選曲されたものとみている。
 バックの演奏陣も振るっていて、スウェーデンで活躍中のスティーヴ・ドブロゴスはじめ 北欧の一流プレイヤーであるヨン・バルケやラーシュ・ヤンソン、アリルド・アンデルセン、アレックス・リールなどの名も見える。

  貴重なアルバムであることは間違いない。

(参考=Radoka Toneff : Discography)
Winter Poem (Zarepta Records)1977 – with the Radka Toneff Quintet
It Don't Come Easy (Zarepta Records)1979– with the Radka Toneff Quintet
Fairytales (Odin Records) 1982– with Steve Dobrogosz
Live in Hamburg (Odin Records)1992 – with Steve Dobrogosz, Arild Andersen, and Alex Riel (recorded in 1981)

(参考視聴)  Radka Toneff & Arild Andersen

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2016年7月21日 (木)

モニカ・ボーフォースMonica Borrfors 「Hello Young Lovers !」

まさに円熟の女性ジャズ・ヴォーカル

    <Jazz>
     Monica Borrfors「Hello Young Lovers !」
     GAZELL / SWE / GAFCD1119 / 2016

Hello_y_l
Recorded in the OAL Studio, Sollentuna , May, 2015

Monica Borrfors(vo)
Gösta Nilsson(p)
Filip Augustson(b)
Jesper Kviberg(ds)
Anders Bergcrantz(tp)
Fredrik Lindborg(ts)

138329917kyqe  ジャズ・ヴォーカルは殆ど女性にまかせろという時代だと思う。そのよって来たるところは、聴く者は男性が圧倒的に多いのかも知れない。そしてその魅力というのは可愛い魅力、美しい声の魅力、セクシーな魅力、ジャズ的センスに満ちている魅力、落ち着いた大人の世界の魅力などなど多彩だ。そんな中でここに取りあげるのは、まさに大人の包容力あるゆったりした世界でソフトでマイルドに包んでくれるジャズの一枚である。

 1980年から活躍しているスウーデンを代表するベテランで、大人の女性ジャズ・ヴォーカリスト、モニカ・ボーフォースMonica Borrfors(1954年生まれ)の久々の新作。2010年リリースの『Li'l Darlin』以来である。彼女のアルバムは数枚もっているが、これは彼女のリーダー作として10作目のアルバムになるらしい。
 スタンダードをしっとりと聴かせてくれます。とにかくベテランの味が満載のアルバム。

Band
 バックの演奏も充実。ピアノ・トリオをベースにトランペット、テナー・サックスが曲によって入る。特にピアノのGösta Nilssonは彼女の夫君で、私の持ち合わせているアルバムでは、私のお気に入りの1995年のアルバム『Slowfox』でも勿論関わっており、前作『Li'l Darlin'』(2009年)でも今回のピアノ・トリオは変わっていない。そしてこのアルバムではプロデュースとアレンジを行っていて、製作にはやはり彼の力が大きいようだ。

 この他参考までに、彼女は以前ここで取りあげた「スウィート・ジャズ・トリオ」との共演によるアルバムもなかなか魅力的な世界を演じてきている。(アルバム『a certain sadness』(2002年)、『Remembering Billie』(2004年))
(参照)http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2013/02/monica-borrfors.html

List さてこのアルバムのTracklistは左のような16曲。特にアルバム・タイトル曲”Hello Young Lovers”にも表れているが、彼女の孫達に捧げられているアルバムとしても作り上げられたようだ。

 最後の曲”Epilogue after The Storm”のみはプロデューサーでピアニストのGösta Nilssonの曲で、締めくくりとしてのソロ演奏である。その他はスタンダード曲集であり(と言っても、私にとっては初聴きの曲も多い)、全てに彼女の暖かいマイルドにしてソフトなしかも英語による歌声が聴ける。
 特にM3.”Nature Boy”のしっとりとした歌い込みとバックのベースと共に描く世界は静かな落ち着いた夜の世界を感じ取れるのである。それは続いてM4.”It Never Entered My Mind”もミュートを効かしたトランペットの静かに響き渡る音と彼女のヴォーカルが素晴らしく共鳴して心に響いてくる。このあたりは完全に大人の世界ですね。
 又彼女のヴォーカル・アルバムであるが、M10.”Doxy”、M11”The Boy Next Door”、M12.”I Didn't Know What Time It Was”のようにバックの演奏陣がたっぷりと中間部でヴォーカル抜きで演ずるところもあって、このアルバムは演奏陣にとっても気合いが入って居るというか、プロデューサーのGösta Nilssonの意志が相当に入っていることが解る。

いやはやとにかくこれぞ大人のジャズ世界ですね。

(視聴)

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