2017年2月19日 (日)

ヨーナ・トイヴァネンJoona Toivanen 「LONE ROOM」

ピアノ・ソロによる実験性とクラシカルな世界との交錯による静謐な世界

<Jazz>
Joona Toivanen 「LONE ROOM」
CAM.Jazz / ITA / CAMJ7904 / 2016

Loneroom

Joona Toivanen : Piano
all music by Joona Toivanen
Recorded and mixed in Cavalicco on 3, 4 September 2015 at Artesuono Recording Studio

 フィンランドのヨーナ・トイヴァネン(1981年生まれ)のピアノ・ソロ・アルバム。
  あの澤野工房リリースのヨーナ・トイヴァネン・トリオ『NUMURKAH』(2000)以来気になるミュージシャンになり(なにせ当時まだ10代での録音)、2015年にはCAM Jazzからの同トリオ・アルバム『NOVEMBER』で北欧の良さを印象づけられたのだが、ここにソロでの出逢いとなったもの。

  このアルバムの注目の一つは録音の良さです。CAM Jazzアーティストが録音の拠点としているアルテスオーノ・レコーディング・スタジオAstesuono Recording Studioに於けるもの。レコーディングとミキシングはステファノ・アメリオStefano Amerio。このアルバムで聴かれるピアノの音は絶品です。もし自分の装置のテストをしたいならそれには向いていると断言できる。

Jt1w さて、このアルバムの内容だが、トイヴァネンがようやく(と言って良いのか)30歳の半ばになってのソロで、多分相当気合いが入ったのではと想像する。今までにリリースされてきたトリオ作品は、その北欧的叙情的な風情が私の好んだポイントだが、このソロは今までのアルバムにもちょっと垣間見た実験性も一歩進めて加味されてのものになっている。

 アルバム・タイトルの曲”Lone Room”がその筆頭だが、流麗なタッチのメロディー重視のプレイと言うよりは、ピアノの一つ一つの音を大切にして、その余韻、空間を感じさせるパターンで、流れに音楽的実験性が感じられる。しかしアヴァンギャルドというところではない。M2.”Lowlands”ではプリパレーションを施したピアノ・サウンドも聴かせる。
 そして一方M4.”Moon Illusion”のようにクラシックを感ずる展開のところもあったり、又メロディーにはあの北欧の抒情的な世界をやっぱり感じ取れてなかなか奥深い。この曲はトリオでのアルバム『NOVEMBER』の冒頭に登場させた曲だが勿論彼のオリジナル。
 そしてアルバム全体の印象は、やはりECM的な静謐な世界を描いた世界と言う感想だ。
 まあ結論的には私から見ると、実験的試みを感じつつも、やっぱり鍵盤の和音の音からもクラシックからの発展型のパターンとして受け取って聴き入ってしまう。

(Tracklist)
Loneroomlist

(視聴) Joona Toivanen Solo Piano "Lone Room"

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2017年2月16日 (木)

ナタリア・ズッカーマンNatalia Zukerman 「COME THIEF COME FIRE」

来日で日本にも浸透しつつある彼女のフォーキーな世界

<Country, Folk>
Natalia Zukerman  「COME THIEF COME FIRE」

BSMF RECORDS / JPN / BSMF-6054 / 2014

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  Artist : Natalia Zukerman
  Producer : Erin Mckeown,  Abbie Gardner,  Meghan Toohey

 このアルバムは、2014年リリースですが、友人勧めでつい最近初めて聴くことになったもの。
 女性ヴォーカリストは、クラシック・ヴァイオリンの巨匠であり、そして指揮者であるピンカス・ズッカーマンの愛娘のナタリア・ズッカーマンNatalia Zukerman。勿論彼女も初めて知った次第です。彼女はギタリストであり、コンポーザーでもあるという。
  母親はフルート奏者、姉はオペラ歌手だそうだ。昨年何度目かの来日で、それなりに日本にもファンがいるようですね。ジャケからみると若いのか中年なのかよく解らないが、調べてみると1975年ニューヨーク生まれということで、今年40歳過ぎといった円熟期。

Nzstagew そうですね、中身はどちらかというとカントリーっぽいフォークですね、過去からの流れの紹介では、ブルース、ジャズ、ブルーグラスの世界も加味しているようだ。彼女はギタリストだけあって、アコースティック&エレキ・ギターをこなし、カントリーでよく使われるドブロ・ギターも演じ、更にラップ・スティール、バンジョーを使いこなすんだそうだ。

 さてこのアルバムは7作目になるようだが、2部構成風で前半(M1~M6)が彼女のギターを中心にしたアコースティック楽器による小編成。後半(M7~M12)がバンド・サウンドで構成されていてちょっと印象が変わる。曲によって女性バッキング・コーラスも入る。
  従って前半は、物語を語り、そして言い聞かすが如くの歌声と、やや哀感の感じられる旋律が落ち着いた世界。なかなか良いです。
 そして後半は、ややその因子を持ちながらダイナミックな歌唱をみせる。特にM7.”One Of Us”、M9.”The Light Is Gone”は若々しく朗々と歌いあげるところは好感の極み。続くM10.”Give”は美しい。
  彼女の声の質も非常に低音部にヴォリュームのあるスモーキーヴォイスで好感がもてる。

  これは複数のプロデューサーによる作品集のようだが、アルバム全体を通して非常に刺激の少ないマイルドな歌声と曲で纏めた好印象盤。

(Tracklist)
1. Courage To Change
2. Jane Avril
3. Bucket
4. I Don’t Feel It Anymore
5. The Hunter
6. Come Thief
7. One Of Us
8. What Comes After
9. The Light Is Gone
10. Give
11. Hero
12. Please Don’t

(視聴)

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2017年2月12日 (日)

エイミー・マクドナルドAmy Macdonaldのライブ映像「Switzerland 2014」

インディーロックで広い年齢層に訴える・・・・

<Pops, Folk Rock, Indie Rock>
(BOOTLEG)
AMY MACDONALD 「SWITZERLAND 2014 &2013」

Switzerland2014

NTSC COLOR / DOLBY STEREO / PROFFESIONALY SHOOTING

 ここに来て久しぶりにエイミー・マクドナルドAmy Macdonaldのニュー・アルバムがリリースされる。と、言うことで過去といっても近年の(2014年)彼女のライブ映像ものがあったのでここで紹介。

1st 彼女は2007年に、突然1stアルバム『THIS IS THE LIFE』(→)が全英1位という快挙でデビュー。 
 スコットランド出身であるだけあって、フォークっぽいロックでありながら、しかしそれだけでなくスコットランドをイメージさせる独特な世界観で迫ってくる。しかも若い割にはチャラチャラした印象が無く、どこか一本真の通っているイメージで私は取り敢えずマークしていたのだが・・・、このところニュー・アルバムも無かったのでちょっと寂しい状態にあった。
 考えて見ると、2ndアルバム『A Curious Thing』(2010)からはもう7年の経過である。そこで、それならとライブ映像版で近年の様子を見ることと、両アルバムのいいとこ取りをしてみようと、オフィシャル映像のライブ映像ものをブートであるがここに観賞しているというわけである。

Livelist 映像でのまずの印象は、やっぱり彼女のヴォーカルは非常に力強い。そして熱唱だ。(右は、当映像版のSetlist。「2014年 BALOISE SESSION BASEL, SWITZERLAND  10. 26. 2014 」のライブ映像だ)
 12歳からギターを独学し、作詞作曲してグラスゴーのパブやカフェでいろいろな形で唄ってきたと言うだけあって、すっかりヴォーカル・スタイルも自分なりのもので板に付いている。アコースティック・ギターを演じながらも、彼女なりきのフォーク、ブルースの上に成り立ったインディーロック(Independent Rock)を唄いこなす。

  このブートものは、それでもオフィシャルに撮られたものによって作られているため映像は良好で、ステージの様子は問題なく観賞できる。人気曲”This is the Life”はやっぱり訴えてきますね。
  そしてライブ映像をみて解ったことは、この彼女のパターンは家でCDで聴くよりは、やっぱりライブで聴くべきものなんだと言うところだ。そしてなお驚きは、会場は若者だけが中心で無く、結構中年以上も混じっている。なるほど・・・これが彼女の世界なのだと知ったところ。

Nnw ・・・・と、言う訳で今月リリースの彼女のニュー・アルバム『Under Stars』(→)が、デビュー・アルバムから10年、前作などから5年経ての久々のものだけに、どんな変化を遂げているかちょっと期待しているのである。

(視聴)

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2017年2月 8日 (水)

ルーマーRUMER バカラックを唄う 「THIS GIRL'S IN LOVE」

とにかく疲れないマシュマロ・ヴォイス健在なり
    
  

<Pops Music>
RUMER 「THIS GIRL'S IN LOVE a Bacharach & David Songbook」
East West Records / EU / 0825646482313 / 2016


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Vocals : Rumer

 All Tracks Words & Music by Burt Bacharach & Hal David
Produced, Arrangement & Conducted by Rob Shirakbari

  誰が名付けたか?マシュマロ・ヴォイスと言われるルーマーRumer(パキスタン生まれの英国歌手)の2年ぶりとなる4作目のニュー・アルバム『ディス・ガール ~バカラック&デヴィッド・ソングブック』。ちょっと頂けないダサいジャケですが、取り敢えずは我慢しておきましよう。
 アルバム・タイトルにあるように、バート・バカラックとハル・デヴィッドの名コンビによる名曲を歌ったカヴァー・アルバムで、いやはや御年88歳のバート・バカラックご本人もアルバム・タイトル曲M11. "This Girl's In Love "にピアノ&ヴォーカルで参加しているという大変なアルバム。
  ルーマーって私にとっては是非とも聴きたいというところでもなく、そうは言ってもニュー・アルバムということになれば、取り敢えずは聴いてはおきたいと言ったところに位置するのですね。そんなところからこのアルバムも手に入れてます(笑)。

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 いろいろな意味で聴き慣れているM1. "The Look Of Love" 、 M 5." (They Long To Be) Close To You"、M9. "Walk On By" あたりがやはり一番聴きやすいですね。
  彼女の声は非常にナチュラルにしてソフト、軽くも無く適度な充実感がある。こうしたメロディーを大切にして、適度な情感を込めての歌は、おそらく不快に感ずる者はないだろうと思う。バート・バカラックご推薦のカーペンターズを思い起こす歌声を聴いたのは既に7年ぐらい前でした。1stアルバム『Seasons of My Soul』 は、彼女の多難な人生を経験しての30歳過ぎてのデビューで、オリジナルな曲が主であったが、いよいよここに来てバカラックそのものへのアプローチになった。

 まあこんな優しいロマンティック演唱は特に何を言うことも無く聴いているのであります。

(Tracklist)
1. The Look Of Love
2. Balance Of Nature
3. One Less Bell To Answer
4. Are You There (With Another Girl)
5. (They Long To Be) Close To You
6. You'll Never Get To Heaven (If You Break My Heart)
7. Land Of Make Believe
8. A House Is Not A Home
9. Walk On By
10. The Last One To Be Loved
11. This Girl's In Love
12. What The World Needs Now Is Love

         ---------------

(参考)
Trainchajpg TRAINCHA『THE LOOK OF LOVE-Burt Bacharach Songbook-』(EMI / JPN / TOCP70171 / 2007)
 
 そうそう、そう言えば、これもバカラックが関係してのオランダのジャズ・ポップ歌姫トレインチャTraincha(Trijntje Oosterhuis)によるバカラック曲集(全14曲)。遅まきながら最近聴いたところでした。ルーマーの今回のアルバムと曲は数曲重なってますが、彼女も曲によってオーケストラがバックであったり、ギターのシンプルなバックであったりと趣向をこらしつつ、無難に落ち着いた雰囲気で唄ってます。そうですね、"Close To You (遙かなる影)"なんかはしっとりと唄っていて聴きどころでした。

(視聴) Rumer ”What The World Needs Now Is Love”

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2017年2月 4日 (土)

コリン・バロンColin Vallon ニュー・アルバム 「Dance」

リリカルにしてアンビエントな世界を構築してはいるが・・・・

<Jazz>

Colin Vallon Patrice Moret  Julian Sartorius 「Dance」
ECM / GERM / ECM 2510 / 2017

Danse

Colin Vallon: piano 
Patrice Moret: double bass 
Julian Sartorius: drums 
Recorded February 28-March 1, 2016 at Auditorio Stelio Molo RSI, Lugano.
Produced by Manfred Eicher

 既に何度か取りあげたローザンヌ(スイス)生まれ(1980年)の新進気鋭ピアニスト、コリン・バロンのピアノ・トリオ・アルバム。2006年の『Les Ombres』以来の5作目、話題のECMからは3作目のアルバム。今作も前作と同じトリオ・メンバーによるもの。

 これは完全に前作『Le Vent』(2014年)の流れからのアルバムだ。オープニングは落ち着いた低音によるやや暗めの印象のピアノとベースで深くリズムを刻む曲M1." Sisyphe"で 、これは意外に私の好奇心をくすぐる。
 そして期待の曲M2. "Tsunami"は、これは"うねり"と訳した方が良いのか?、アルバムタイトルが「Dance」(躍動?)であるから、多分そうかも知れない。ピアノそしてベースで刻むリズムでやや不安感のある世界を築きながら、その雰囲気を盛り上げつつ、中盤からはピアノの旋律も美しく響く。
 相変わらすバロンのピアノ・プレイが中心ではあるが、そのピアノを主として聴かせるというパターンとは少々異なる。トリオとしてパトリス・モレのベースは、多彩な手法で効果をあげてくる。そしてこれは録音によるところもあると思うが、左右のスピーカー両範囲に広がって位置しているジュリアン・サルトリウスのドラムス・シンバルの音は、常に繊細で好感が持てる響きである。その3者の交錯によって、これは一つのアートであるという形をとっている。そんなところでM9. "Tinguely"等にみるように次第に盛り上げていくところは一つの意志を感ずるところだ。

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 しかしピアノ・トリオはどうしてもピアノのウエイトが高い。従ってそこが曲では多くを左右するのだが、M7. "Kid" 、M10. "Morn "のようにピアノの音は一音一音響かせてその余韻によって一つの世界を描くパターンは私は好きだ。
 しかしM2. "Tsunami"から始まって、前半の多くの曲のように、同音の鍵盤を左手で何度か叩きながらバックのリズム作りをしたり、又は一方右手でのメロディーをも同様に反復演ずるところ、つまり彼らも所謂”ミニマル・ミュージック”を探っているのか?、その辺り、ちょっと私個人的には諄(くど)くて頂けない。
 
 全体に静かで陰性のリリカルな流れを構築しているアルバムだが、今回はミニマル奏法が邪魔して、あまり私好みの「絵」に填まってくれなかった。しかし決して否定するアルバムではない。彼らの以前にも紹介した2ndアルバム『Ailleurs』を聴いてみると解るが、今回のこのアルバムは、前作同様「ECM世界」を意識しての構築されたものとみて良いのだろう(実は前作との違いを殆ど感じない)。そこでもう一つこの世界の縛りから一歩脱してフリーなところに身を置くと、実は面白いトリオであると思って期待しているのだが、どうだろうか。

(Tracklist)
1. Sisyphe
2. Tsunami
3. Smile
4. Danse
5. L'Onde
6. Oort
7. Kid
8. Reste
9. Tinguely
10. Morn
11. Reste (var.)

(視聴) ”Tsunami” from 「Dance」

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2017年1月31日 (火)

ティエリー・マイヤールTHIERRY MAILLARD「 Il Canto Delle Montagne 」

抒情派でなく、小気味よい跳躍する端麗タッチのピアノ・トリオ

<Jazz>

THIERRY MAILLARD「 Il Canto Delle Montagne 」
ILONA RECORDS / FRA / AD3689C / 2016

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Thierry Maillard (piano)
Dominique Di Piazza (electric bass)
Andre Ceccarelli (drums)

Recorded at Studio de Meudon - April 2016

 いっやー、しかし美しい山容の写真のジャケですね。見入ってしまいます。これぞLPのジャケでじっくり見たいと言ったところです。

Thirry_m それはさておきこのアルバムは、16曲中14曲、ピアニストのティエリー・マイヤールThierry Maillard (1966年フランスのPuteaux生まれ。→)のオリジナル曲で占められたアルバム。
 そして各曲それぞれにメロディーが明瞭で非常に聴きやすいところがある。彼はフランスの正統派ピアニストとしての名声を博している人物だ。しかし私はこれまでにその恩恵に与ってきておらず、今にして縁あって聴いているといったところ。

 さてこのアルバム、一見優しそうな曲仕上げかと思いきや、なかなか技法を凝らしてのトリオ演奏が難解に迫ってくるところもある。特にピアノ・トリオとしては、まずは歯切れよく跳躍的にしてメロディアスなタッチのピアノが、どちらかというとダイナミック・パターンでイキイキと旋律を歌いあげるのだが、それにディ・ピッツアDominique Di Piazza のelectric bassも華を形成して健闘し、そしてチェカレリAndre Ceccarelliのdrumsも洗練されたリズム取りをみせての貢献度大で、トリオとしての形に風格すら感ずるところに仕上げている。

 一部、現代ジャズ的なハードなところで迫ってくると思いきや、M11. "Mamallapuram "は流麗にして快いところを見せ、更にM6." Irish Ghost"そして M7. "Le Chateau Des Sirenes"や M8. "Plus Jamais Pareil"、M13. "Lullaby" と中盤は非常に聴きやすくロマンティックにして美しいメロディーを聴かせるピアノで納得の世界。
  最後のM16. "A Paris"は、かなり3者のアクティブな面を聴かせてこのアルバムを占めるのだが、彼らの本質はここにあるのかも知れない。
 4-5分ぐらいの比較的短い曲で占められ16曲と多く、それぞれ変幻自在な変化も示すので、聴きようによってはちょっと振り回されるところもある。
 
(Tracklist)
1. Il Canto Delle Montagne
2. Le Temps Qui Passe
3. Sultan
4. Valse Sentimentale
5. Hymne
6. Irish Ghost
7. Le Chateau Des Sirenes
8. Plus Jamais Pareil
9. US Folk
10. My Own Jazz
11. Mamallapuram
12. Reunion
13. Lullaby
14. Viking Song
15. Le Lac De Come
16. A Paris


(視聴)

 

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2017年1月27日 (金)

イヴァン・パドゥアIvan Paduart Trio 「Enivrance」

洗練されたジャズ・ピアノの美しさと安定感の世界

<Jazz>
Ivan Paduart 「Enivrance」
Mons / GER / MR874578 / 2015

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Recorded on Decem.20 & 21, 2014
Ivan Paduart(p)
Phillippe Aerts(b)
Hans van Oosterhout(ds)

Ivanpaduart300x300 日本でもなかなか惚れ込んだファンも結構多いと聞くベルギーが誇る名ピアニスト、イヴァン・パドゥアIvan Paduart(1966年ブリュッセル生まれ。→)の近作。
 これは常連のベースとのトリオ作品で2015年リリース。昨年取りあげる予定が諸々後回しになって年を越して今回登場。それも結論的に非常に癖の無いアルバムで、そんなところから後回しになってしまっていた。

 このトリオのリーダーのパドゥアは、ビル・エヴァンス、ハービー・ハンコック、フレッド・ハーシュを尊敬しているというところで、80年代から本格的な活動を開始している。既に何枚かのアルバムがリリースされているが、尊敬者の流れを感ずるアメリカン・ジャズのエッセンスを持って、ユーロ系の味付けジャズという感じである。現在では流麗なピアノ・プレイでフレッド・ハーシュに近い感じを受けるのだが。

 非常に美しい即興演奏をかなり得意としているようなパターンで、ムード、技法的にクラシックとの関わり合いも感じさせる音楽性である。

 スタートのM1."Eruption"で、如何にも嫌みとか、特異な刺激性というもののない洗練された世界を感じ取れる品のある流麗なトリオの流れに好感を持って対峙できる。
 M3."Paresse Infinie"も何か人生を説得されたところに置かれたような不思議な感覚になるという演奏。
 アルバム・タイトル曲のM7."Enivrance"は、ゆったりと物語調の旋律をピアノで流しつつ、これぞ心に安定感・安堵感を持たせる世界を構築してみせる。

 全体には、それほどのめり込んで聴き込むというので無く、部屋に流れていると何となく落ち着いたところに抵抗なく居られる。・・・・というそのあたりの洗練された味わいが何とも言えないところだ。これもジャズの一つの道と言いたい。

(Tracklist) 
1.Eruption
2.Boyhood
3.Paresse Infinie
4.Molo Molo
5.Dreams Ago
6.Archipels
7.Enivrance
8.Sabayon
9.Lambertinade

(視聴)

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2017年1月23日 (月)

マルガリータ・ベンクトソンMargreta Bengtson : 「Ballads」

北欧からのややあどけなさの発声が残った美声に降参

<Jazz>
Margreta Bengtson「Ballads」
SPICE OF LIFE / JPN / SOLSV0036 / 2016

Sol_sv0036margareta500

Margareta Bengtson マルガリータ・ベンクトソン(vocal)
Mathias Algotsson マティアス・アルゴットソン(piano, organ)
Peter Asplund ペーター・アスプルンド(trumpet, vocal)
Dicken Hedrenius ディッケン・ヘドレニウス(trombone)
Svante Söderkvist スヴァンテ・ソダークヴィスト(bass)

Recorded on July. 2016

17151794t7abd_2 今年になって聴いた美声第2弾。嘘か誠か”北欧一と言われる美しい歌声とその美貌で聴く人を魅了し続けるマルガリータ・ベンクトソンMargreta Bengtson”というのが宣伝文句。
 そこにバックは、あの私のお気に入りのマティアス・アルゴットソンMathias Algotssonのピアノがゆっくりと繊細に美しい世界を描くのでこりゃ溜まらない。実は私はこっちのほうが気になったというところ。彼とのデュオを軸に展開していて、そこにペーター・アスプルンドPeter Asplundのトランペット、ディッケン・ヘデレニウスDicken Hedreniusのトロンボーン、スヴァンテ・ソダークヴィストSvante Soderkvistのベースをフィーチャーしてスタンダードの名曲の数々をしっとりと歌い上げたバラード・アルバムである。

 しかも、このアルバム『Balladsバラッズ』は彼女の昨年の5年振りの来日記念盤であり、とにかくマルガリータの魅力をスタンダードの名バラードによって聴く者を魅了しようというなんとも大変なアルバムだ。
 とにかく北欧のミュージック・シーンは今や世界にその価値を認められている。そこからのまさに彼女の7年ぶりのプレゼント作品。

Margareta1 マルガリータ・ベンクトソンMargreta Bengtsonは、「リアル・グループTHE REAL GROUP」のソプラノ・シンガーとして長年活躍して来た。
 「リアル・グループ」とは、スウェーデン王立音楽アカデミーで出会った5名のメンバーで1984年に結成したアカペラ・グループ。これに関しては私の知らない世界であるのだが、マルガリータはその初代ソプラノ歌手であったと。1987年にアルバム『Debut』でCDデビューし、1995年には米国現代アカペラ協会(CASA)から、「The World's Best Vocal Group」賞を授与されているとのこと。
 しかし彼女は、2007年にジャズヴォーカリストとして独立。ソロ第一弾アルバム『I’m Old Fashioned/アイム・オールド・ファッションド』は全曲フルオーケストラをバックにスタンダードを歌い上げたアルバム。
 2009年に発売した第2弾アルバム『Where The Midnight Sun Never Set/ホエア・ザ・ミッドナイトサン・ネヴァー・セット』は、スモール・コンボをバックにジャズを歌い上げた作品で、私は未聴だがこれも好評のものだ。

 さてこのアルバム、とにかく冒頭のM1. "The very thought of you"から、詩的なピアノの調べが流れ、彼女の説得力ある美声による歌い込みに、このアルバムの方向が実感できる。とにかくしっとりと聴かせてくれるパターン。そして意外に彼女の唄い回しにはどことなく歳のわりにはあどけなさが残っていて、これも一つの魅力になっている。
 聴き慣れた曲M2. "My foolish heart"も、アルゴットソンのピアノは、彼女の美しい語りかける歌声を生かすべく、高音を使いゆったりと流す調べで、バック演奏としてお見事と言える。こうしたピアノとヴォーカルのデュオ・スタイルもバラード曲ではなかなか良いものだ。
 そしてM3." I thought about you"の後半にはトランペットが加わって、こんどは夜のムードを加味して盛り上げるのである。
 アルゴットソンは、ハモンドオルガンの名手でもあって、M4. "Gentle rain"では、バックはオルガンによる面白い味付けもあり、M8. "Long ago and far away"は、オルガンとベースが、更にM10. "Nature boy"は、オルガンとトランペットがと、バックの変化による味付けも聴きどころ。そしてM9. "Here ́s that rainy day"はピアノ・ソロがたっぷり聴けるという多彩な趣向で楽しませてくれる。

  こうして全編、アメリカン・ジャズを、その魅力あるポイントを失わずに北欧風ジャズに仕上げたところはなかなか魅力的なアルバムであった。

(Tracklist)
1. The very thought of you
2. My foolish heart
3. I thought about you
4. Gentle rain
5. My one and only love
6. Spring can really hung you up most
7. Our love is here to stay
8. Long ago and far away
9. Here ́s that rainy day
10. Nature boy
11. Never will I marry

(参考試聴) 「Ballads」関係が見当たらないため彼女の1stから

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2017年1月21日 (土)

ロジャー・ウォーターズ 抵抗開始!

Roger Waters →The Resistance bigins Today

”Pigs (Three Different Ones)” = Anti-Trump Song公開

(Zocalo Square,  Mexico city  Oct. 1 2016 )

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2017年1月19日 (木)

メイヴMEAV 「The Calling」

清楚さのある美しさで・・・・・こんな世界が理想郷か

Meavtrw
(MÉAV)

<New Age music, Ireland music>
MEAV 「The Calling」
Warner Classics / JPN / WPCR17087 / 2016

Thecalling

Artist : Meav
Producer:Craig Leon
Enginer:Richard Woodcroft 、 Brian Masterson

 まさに爽やかのケルトの風、清楚な美しさの歌声で迫ってくる知る人ぞ知る メイヴMéav Ní Mhaolchathaのアルバム。これは彼女の2013年リリースの四作目、日本では昨年2016年にお目見えしたもので、これぞ我が友人のお勧めで聴くことになったアルバム。
 実は私はこうしてきちっと彼女の歌声をアルバムで聴くのはこれが初めて。なるほどその美しさは群を抜いている。

 メイヴ(Méav Ní Mhaolchatha、メイヴ・ニー・ウェールカハ)
 
アイルランドのダブリン出身。クラシックと伝統音楽を愛するところは親からの影響とか。年少時より歌、ハーブ、ピアノを学ぶ。大学で法律を専攻したようだが、卒業後はやはり音楽関係に魅力を感じて、聖歌隊の出身者たちで構成され宗教曲を清楚な歌声で聴かせるコーラス・グループ「アヌーナ」に参加。メイヴはリード・シンガーとして活躍する。この「アヌーナ」在籍中各方面より注目を浴びた。
 その後ソロ・シンガーとして活動を開始し、1999年に1stソロ・アルバム『メイヴMéav』 、2002年に『銀色の海Silver Sea』を発表。このソロ活動の傍ら、「ロード・オブ・ザ・ダンス」や、アイルランド・ナショナル・チェンバー・オーケストラにソリストとしてツア-に参加している。
 2004~2007年「ケルティック・ウーマン」に参加。1stアルバム『Celtic Woman』はビルボード世界音楽チャート1位。

(Tracklist)
1. The First Time Ever I Saw Your Face
2. The Calling
3. Light Flight
4. Listen, Listen
5. The Songline To Home
6. Wayfaring Stranger
7. Sovay
8. Shenandoah
9. Once You Were My Lover
10. Glimmering Girl
11. Glasgow’s Burning
12. Black Is The Colour

 アルバムのオープニングから美しい世界が・・・・ジャズという世界ではなく、もちろんロックという世界ではない、これがNew Age musicというか、アイルランド・ケルト音楽といった方がよさそうだ。ストリングスの美しい流れにギターの調べというバックに、見事な清楚にして美しい声が飛び込んでくる。もうこれはいろいろと言うところの世界でない。まあとにかくアルバム通して、ケルテック・ムードの牧歌的美しさの風景を頭に描きつつ、じっくり彼女の歌声でこの美しき世界に没入していればよい。地球上のあらゆる地がこんな美しい世界であれば何も言うことなしだとほんとに思いながら聴き入るのであった。

(視聴)

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