ピンク・フロイドそしてロジャー・ウォーターズを語るときの参考文献6(雑誌特集2)
④ 「beetleg」 通算22号 May, 2002 「Roger Waters Pink floyd」 発行所:有限会社レインボウブリッジ
ロジャー・ウォーターズの来日公演を記念しての特集である。
藤田宗一郎はなんと、”結果的にウォーターズ抜きのピンク・フロイドがいかに空虚なものであるかを再認識していただければと考えている”と、オープニングで言い切っている。
この雑誌ではその性格上ライブのブートレグを紹介しつつ”ウォーターズの独裁、フロイド封印”、”クーデターそして追放”、”ピンク・フロイドで稼ぎたいレコード会社”、”ソロでは売れないことを知ったギルモア”、”金稼ぎがしたくなったメイスン、ライトらの思惑”これらがフロイド再結成となった経過を辛辣に記している。
ギルモアの価値あるギター・サウンドは、ロジャー・ウォーターズ抜きでの無理矢理のフロイド再結成による演奏となり、それはむしろ興行的成功と裏腹の彼のミュージシャンとしての意義にマイナスとなったのか?興味ある特集だ。
⑤ 「ストレンジ・デイズ」 No46 July 2003 「ピンク・フロイド 狂気」 発行所:ストレンジ・デイズ
SACD版「狂気」の発売を記念しての特集。
ここでなんといっても興味のあるのは、あの「四人囃子」の森園勝敏のギタリストとしてのフロイド評価の記事だ。ギルモアのブルース・ギターの評価、ロジャー・ウォーターズの月の裏側の世界のトリックめいたもの、それらを解らせてしまう歌と音楽的説得力を訴えている。
その他、巽孝之、岩本晃市郎の記事もあるが、ちょっと深みに欠ける。
⑥ 「ストレンジ・デイズ」 No69 June 2005 「ピンク・フロイド」 発行所: 有限会社ストレンジ・デイズ
なんで今ピンク・フロイドか?と思われるが、これは、ビンク・フロイドそしてロジャー・ウォーターズのアルバムの復刻盤発売を記念しての特集とみられる。
特にロジャーの「ヒッチハイクの賛否両論」のジャケは例の女性のヒップを隠さずに丸出しの原点のジャケで出したところは評価しておこう。
この中では、坂本理が書いている”ふたつのピンク・フロイドを巡って”という記事が非常にフロイドを愛して来た感覚と期待とそれぞれのメンバーの気持ちを整理して納得させる。あの「ファイナル・カット」では既に表現者として自立してしまったロジャー、そして「ヒッチ・ハイクの賛否両論」ではピンク・フロイドでは表現できないようなスタイルの追求。考えてみれば、その歴史はかえってギルモアにもロジャーにも辛い戦いではあったが、かえってプラスであったとも言えるところを見いだしている。彼は新しいかっての4人のピンク・フロイドを願望をこめて期待している。
しかし、私から見れば、人生山を越えたメンバーが例のライブ8のような共同作業はあっても、これほど世界の異なったロジャーとギルモアの2人によるアルバム作りという再作業は、やはり「?」であろう。それでも仮にあったとしても、ロジャーはリック・ライトは絶対に認めないと予想する。更に、これも仮にであるが、それをロジャーが認めたときは、完全に逆にピンク・フロイドの歴史に終止符を打つことになるであろうと。
⑦別冊クロスビート「THE DIG」Oct.Nov 1995 No3「Pink Floyd 光と影の30年」
「P・U・L・S・E」発売を記念しての特集、
過去のアルバムについてのメンバーのコメント紹介が面白い。ロジャーに対しての掘り下げが若干物足りなさはあるが、フロイドの流れの理解には参考になる。
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