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2007年1月12日 (金)

ロジャー・ウォーターズ(genuine Pink Floyd)の世界に何を見るか?-4-

<Progressive Rock>[BOOTLEG VIDEO]
ERIC CLAPTON & ROGER WATERS 1984
MONTREAUL LIVE 1984

Ericrogerlive  これは映像ものである。この映像ものをネタに、ロジャーのソロ「THE PROS AND CONS OF HITCH HIKING ヒッチハイクの賛否両論」をもう少し評価してみる。このアルバムが「THE WALL」「the final cut」とロジャーの人生歴史の縮図的なアプローチをした後、分裂した(させたと言ったほうがよいか)ピンク・フロイドに一つのケリをつけた時に、彼は、神経症の男を描き、女性への不信感と男女間の関係破壊への緊迫と不安との交錯を歌い上げた極めて内向的である中に強烈な叫びのある作品に仕上げた。

 この作品はギタリストとしてエリック・クラプトンを起用して話題になった。アルバム発表後、すぐにツアーに出る。そして前半はクラプトンの参加もあり、マイケル・ケイメン、メル・コリンズらと共に一大絵巻を展開する。その映像は特にオフィシャルなものがなく、ここに取り上げたようなブート・ビデオに頼らざるを得ない。しかし、ここにみることの出来るロジャーはじめクラプトンらの演奏こそ、私から見るとロジャーの歴史の中では実はトップ・クラスの演奏を披露している。

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 特にフロイドものでは、あの"money"の凄さは特筆ものであり、ピンク・フロイド・メンバーの演奏を遙かにしのぐレベルにある。ややジャズ傾向にアレンジされ、ロジャーのベースとヴォーカルにメル・コリンズのサックスとクラプトンのギターの掛け合いは、その間の取り合いと音の交錯は、アルバムの演奏に捕らわれないその時の解釈によるインプロビゼーション的ニュアンスのあるみごとな演奏で目を見張る。更に「PROS & CONS・・・」になると、クラプトンのブルーズィーなギターが惜しげもなく歌い上げ、このアルバムのレベルの高さを知らしめるのである。
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ロジャー・ウォーターズの今日までのライブ演奏では、もちろんピンク・フロイド時代も含めても、これほどの出来のものはなかったと言っても過言でない。私はロジャーはこの時点が彼の音楽活動の一つの頂点であることを断言する。

・・・・・・・しかしこの映像がこのような粗悪なブートでしか見れないことは極めて残念なことである。(しかし、これだけでも所持している私は幸せ者なのかも知れない)更に残念なことは、このライブ・ツアーが大衆はあのピンク・フロイドのサウンドを期待したが為に、このグループの価値感を見つけられず、従ってツアーが低調に進行した事実をして、この後のロジャーの「RADIO K・A・O・S」ツアーの敗北と合わせて、彼にライブにおいてはアルバム通りの演奏が喜ばれるものと信じ込ませ、今日の(2007年ツアーも)彼の姿勢に今も影響しているこは、大きなマイナス因子となったとみる。この時の彼を見ずしてロジャーは語れないことをここに指摘したい。

Backw 一つ追加ですが、このロジャーのクラプトンとのライブですが、バックスクリーンに、これ又刺激的な映像が映し出されます。アルバム・ジャケが問題になった全裸のリックをしょった女性がヒッチハイクしている。そこに単車の男性が現れ女性をさらう。
  更にその後のシーンは、路上に女性が一枚一枚着ている物を向こう向きに歩きながら脱いで行く、そして最後にはパンティーまでもおろして全裸になる。その画面の前でロジャーの語りと叫びと歌声が響き、クラプトンのギターが泣く。多分この会場にいた連中は、圧倒されたことは想像に難くない。ロジャーは全てを出し切った感ありだ。

  このビデオに納められているライブ演奏は、私の持つ資料から”THE PROS & CONS OF HITCH-HIKING-WORLD TOUR”の最終日、31 . 7 . 1984 に、The Forum , Montreal , Quebec , CANADA で行われたものと思われる。このツアーは、Swedenにて1984年6月16日から始まり、ヨーロッパ、アメリカ、カナダと21回目がこの日であった。この後第二次ツアーが1985年3月に北米にて開始される。

(なお、参考までに、「the final cut」でロジャーの独裁を経験した・デヴィッド・ギルモアは、この時ロジャーより一歩早くソロ・アルバム「ABOUT FACE 狂気のプロフィール」をリリースしてライブに出たが、やはりピンク・フロイド時代の喝采はみじんもなく惨敗した。その後今度はロジャーが必死のソロ・ライブ活動を展開している最中に、既にギルモアはソロの空しさを感じている(ピンク・フロイドは偉大であった)。これが後に何が何でもピンク・フロイドのビック・ネームを手にしたいという欲望をギルモアは(ロジャーが感ずるより先に)知ったことが、後のピンク・フロイド獲得騒動に繋がって行く。)

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コメント

ライブのバックの映像…何かのビデオで見たことあるアレかな?PVはないですよね?ってことはライブかな?ちょっと記憶定かでないですけど、余計にプロショットで見たくなってきました、これ。改めて自分の持ってる映像も見直そうかな。多分同じのを持ってたハズなので…。
いや、参考になりました。

TB送っておきましたので、これからもまたアレコレよろしくお願いします♪

投稿: フレ | 2011年8月22日 (月) 23時12分

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