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2007年1月14日 (日)

ロジャー・ウォーターズ(genuine Pink Floyd)の世界に何を見るか?-5-

[BOOTLEG]
ROGER WATERS
「Complete ”Hitch Hiking” Performance」

Radio City Music Hall , Manhattan , New York City , New York , USA. 3/28/85  HIGHLAND HL-185-186 soundbord recording

Procinhitperfom
Proconhitperfomc 1984年6-7月に行われたRoger Watersの「THE PROS & CONS OF HITCH-HIKING-WORLD TOUR」の約半年後に引き続いて行われた「PROS AND CONS-PLUS SOME OLD PINK FLOYD STUFF-NORTH AMERICAN TOUR」の様子を収録した2枚組CDである。
(内容は左の如くで、84年の前期と内容は大きな変化はない-クリック拡大)

  前回の目玉でもあったエリック・クラプトンは参加していない。ここにアンディー・フェアウェザー・ロウがギターで参加している。これ以降、ロジャーとアンディーの関係は濃厚になり、この後のロジャー作品やライブにはほとんど彼は関係している。


31cca39c073f4deaa92be9afd9ce1f99 さて、ピンク・フロイドを離れてのロジャーではあったが、演奏の大半はピンク・フロイド時代の主として「狂気」以降の代表曲をメンバーの個性を生かしながら、即興性も含めてアレンジした演奏を展開し注目される。彼の過去のピンク・フロイド・サウンドから又一歩新しい展開を目指した試みであったのかも知れない。ただそれは必ずしも商業的に正解ではなかった。ビンク・フロイド・ファンというのはあまりにも社会的多層階の、しかも社会一般大衆そのものに広く浸透して、彼の意志とは隔離していく一現象がここに始まるのである。もともと「狂気」「炎」「ザ・ウォール」「ザ・ファイナル・カット」というビンク・フロイド時代の一連のアルバムは、彼の戦争のもたらした父を知らない自己の社会に於ける不安感・疎外感・不信感から歪められてきた彼の感情に対しての内省的問題であったことの暴露として、この「PROS & CONS ・・・・」が存在し、彼の真摯な誠実な自己暴露としての一つの解決であったと思える。
 
Proconhitperfomb ただ、その手法として、当初はピンク・フロイドの1アルバムとして企画したが、受け入れられなかったこと、そしてこのアルバムのリリースの関係から、ビンク・フロイドとの決別が必要であったことなど、彼にとってのマイナス面が重なった現象であったことも事実である。
 しかし先に述べたように、そうであったからこそ、かってのセールス的にはマイナスであったが、フロイド技法から離れての試みが出来たことは、彼の音楽技法に於ける新展開が出来たという意味のあったアルバムであり、ツアーであったと言える。

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