ロジャー・ウォーターズ(genuine Pink Floyd)の世界に何を見るか?-1-
1983年PINKFLOYD「the final cut」をリリース。この時からROGER WATERS ロジャー・ウォーターズの真の世界が一歩明解になった。彼にとってみれば、コンセプトのないロックの存在などは考えられない。ロック・ミュージシャンとして生きるにも、時代の流れの中で一つの自分の世界が持てたときにその存在価値がある。既に誰もがアルバム「THE DARK SIDE OF THE MOON 狂気」から、既にロジャーのコンセプトがPINK FLOYDピンク・フロイドの世界を作り育ってきた事は知っている。形骸化したロックに、ロックの原点への回帰を目指した1970年代後半のパンクの流れ押し寄せる中でも、ロジャーは社会に目を向け訴えることに彼のロックの価値観を高めた(アルバム「ANIMALS」1977)。その時代その時代の背景の中にあって、主張するものを持ちロックは存在意義があり、「ANIMALS」の価値観を語るときに、時代分析のない多くのロック評論家の批判と評論はまさに反吐が出る。
それはさておき、ロジャー・ウォーターズは「the final cut」発表後、ピンク・フロイドを封印することになるが、既にロジャー主導のピンク・フロイドに対してソロ活動していたギルモアは、如何にピンク・フロイドの名が大きいかを身をもって体験していた(ギルモア自己名義のアルバム「DAVID GILMOUR」、「ABOUT FACE」を発表するも、特に前作のほうは内容的にもセンスもなかなかのものであったにも関わらず、セールス、評価もいまいちであった)為、ピンク・フロイドのビック・ネームの価値感を否が応でも知ることとなり、ロジャーが放棄したピンク・フロイドの名に飛び付くのである。哀しいかな、ロジャーにとってみれば、ギルモアはじめ他の3人が否協力的になったピンク・フロイドはあり得ないと判断した結果自分は別の道を企画したのであった。こうしてこの時から、まさかそうなるとは思いもしなかった自分で作ったビック・ネームのピンク・フロイドとロジャーは戦わなければならないという皮肉の世界に突入する。
ロジャーは、既に構想は出来ていたアルバム「the pros and cons of hitch hiking ヒッチハイクの賛否両論」をエリック・クラプトンを迎えて制作発表することになる。次回は、本来のアルパムは誰も知っているので、BOOTLEGを紹介しながら、ロジャーに迫ってみたい。
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