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2007年2月 3日 (土)

ロジャー・ウォーターズ(genuine Pink Floyd)の世界に何を見るか?-7-

<Progressive Rock>

[BOOTLEG:VIDEO]ROGER WATERS & BLEEDING HEART BAND 「Rehearsal Session 1987」 WITH superband

Dvdroger1987_2 この時期は、ギルモアとボブ・エズリンの活動から、CBS幹部からフロイドらしくないとフロイド再編に誘導され、それに乗ったギルモアのフロイドが動いていった時であるが、それは ロジャー・ウォーターズとピンク・フロイドの決別であったが、それはそれとして、この「RADIO K.A.O.S」について考察してみよう。

 RADIO KAOS TOURはロジャーの結成した”The Bleeding Heart Band”で1987年の8月から11月に行われた。このバンド名から如何にロジャーの切実なる思いが入っていたか解る。彼の歴史の中でも最も心を投入していたのかも知れない。
  このブート・ビデオにはバンドのメンバーとで「KAOS」の曲や「WALL」の曲のリハーサルを劇場の舞台で行っているものを収録しているし、ロジャーとのインタビューが約30分記録されていて楽しめる。

 ドラムス:Graham Broad、ギター:Andy Fairweather-Low そしてJay Stapley、サキソフォン:Mel Collins、キーボード:Paul Carrack、ヴォーカル:Katie Kissoon & Doren Chanter、DJ:Jim Ladd、そしてロシャー(Roger Waters : Bass, Guitar)というピンク・フロイドよりはむしろ豪華な9人が中心。

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 曲は明らかにビートの効いたリズムカルな展開であり、ギターもいわゆるブルースが基調といえども軽快だ。コリンズのサックスも相変わらず即興性も含めて吹きまくる。ドラムスもメイスンとは違ってワンテンポ前に進む。ロックの原点に迫ろうとしたのか?と思われるほど、ロジャーの足踏みも軽快で、ピンク・フロイドからの脱皮は新鮮。キャラックのヴォーカル、キーボードもライトとは異なったメリハリを感ずる。
  テーマはロジャーらしく核戦争危機を描くコンセプトも明快。そのドラマチックなアルバム展開はお見事。しかしテーマの内容にも関わらず、とにもかくにも全体になんと言っても暗くない。よくこの時期にこの展開をロジャーは試みたなぁーと感心する程だ。彼がピンク・フロイドのしがらみから抜け出ようとした意味が見えてくる。又一方”ピンク・フロイド戦争”という闘いに望んでいる姿のはつらつさも感じ取れる。
 この試みは良かったか悪かったかどうかは別にして、彼の世界の一歩前進であったことは間違いない。彼のプログレッシブなロッカーの姿であった。

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受信: 2007年2月22日 (木) 00時02分

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