ロジャー・ウォーターズ(genuine Pink Floyd)の世界に何を見るか?-9-
ロジャー・ウォーターズ健在なり
「Roger Waters World Tour 2006,2007」=”THE DARK SIDE OF THE MOON LIVE”
このシリーズも前回は「RADIO KAOS」を取り上げて1980年代のロジャーに迫ってみたのですが、ここでは小休止して、現在のロジャーを見てみたい。昨年から「DARK SIDE OF THE MOON LIVE」を続けている彼ですが、今はAustraliaからChinaに移動です(残念ながら今回は日本にての企画はない)。
そこでこのツアーのメンバーと演奏内容を若干分析してみたい。まず前回の「IN THE FRESH TOUR」でのGUITARのAndy Fairweather Low, Snowy White はそのままで、彼らに加えてDave Kilminsterが加わりこれはかなり強力。それにKEYBOARDSにJon Carrinが復帰。これも凄い。ロジャーの息子のHarry Watersもいる。DRUMSにはおなじみGraham Broad。SAXOPHONEにIan RitchieそしてVOCALISTに、これもおなじみKatie Kisson, P P Arnord, Carol Kenyonとなっている。
<progressive Rock>
ROGER WATERS 「 THE HEART OF THE SUN...LIVE」
Lisbon Portugal 2nd June, 2006
これは「THE DARK SIDE OF THE MOON LIVE」の行われたいた最中の2006年6月2日の”RIO ROCK FESTIVAL”にて、同日出演したサンタナの後に、ロジャー・ウォーターズ・ショーとして行われたものの記録である。プロ・ショットで撮られたDVDである。
今回のツアーは2時間半に及ぶ企画で各地で行われているが、ここではその前半のものが中心。ここに見るロジャーのこのバンドは7万人の前で圧倒的パワーと、洗練された厚みのある演奏を展開している。ツアーではピンク・フロイド「狂気」全曲演奏して喝采をあびているが、この”RIO ROCK FESTIVAL”では全12曲のみに限っての演奏となった。
収録内容(←参照)は「the wall」からはもちろんであるが、注目はなんと常に賛否両論あるアルバム「the final cut」から”Gunner's Dream”, ”Southampton Dock” そしてなんと”Flecher Memorial Home”と反戦ソングをぶち挙げて、新曲”Leaving BEIRUT”を効かせ、彼の常に流れる戦争批判を展開してみせた。
このあたりはまさにロジャーの真骨頂、そして脈々と流れる彼の精神は衰えていない。前回のTOURの成功から、彼は再び周囲との関係はどうあれ、主張はあくまでもしてゆくところを示したのである。幸いこのDVDは非常に画面サウンドとも良好で、我々を納得させる。今回は「アニマルズ」から”Sheep”を聴かせ、ビートを効かせたところはサービス精神もお見事。更に追加するが、Jon Carinが加わったことは曲の展開がワンレベル・アップしているし、ギターのDave Kilminsterはなかなか期待を裏切らない見事な演奏である。そしてSnowy Whiteとのコンビも生きている。
いずれにせよ、今年の夏を迎えるまでこのツアーは続けられる。ロジャーの歳を超えてのエネルギーに驚くと同時に、彼を常に駆り立てる社会への批判精神はロック魂として受け入れたい。シド・バレットも亡くなった現在、今回の60歳を過ぎた彼のツアーが無事終えることを祈ることにする。又、オフィシャルな見事な画像とサウンドのDVDの登場を期待して待ちたい。
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