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2007年4月30日 (月)

ピンク・フロイドのREUNIONはあるか?

 ピンク・フロイドはLP時代に終わった。

 ピンク・フロイドといえば、伝説のシド・バレットはさておき、このバンドが最も紆余曲折を繰り返しながらもロック界に確固たる地位を確保したのは、ロジャー・ウォーターズ、デヴィット・ギルモア、リチャード・ライトそしてニック・メイスンの4人によるメンバーによっての活動期である。
  けっして少ないとは言えない作品群からみて、それは1968年から1979年までの11年間であったことは、今振り返ってみて意外にも短い。ロジャーが脱退して、今日でも再結成の希望的発言が後を絶たないが、特に2005年7月のLIVE8におけるロジャーからの呼びかけで、取り敢えずは4人による演奏が我々の目の前に見られたことは更にその期待を大きくしているのかも知れない。しかし、ロジャーの脱退は1985年であり既に20年も経過している。この間のそれぞれのメンバーの人生と音楽活動は、全く異質のものであって、今後ピンク・フロイドのビック・ネームの為に、4人が過去の曲を演奏することはあっても、又仮に合同の作業があったとしても(それは4人による一曲ごとの作成は可能性はあっても)決してアルバム作りが行われることは、あり得ないと断言する。

 Photo_5       ピンク・フロイドは、アナログLP時代と奇しくも一致して終わった。又そのアルバム・タイトルも「the final cut」である。このアルバムはロジャーのソロと言われるとおりの、リックは解雇され、ニックすらも期待薄の状態で、ギルモアにおいても共作者というよりギタリストとしての参加であった。

51x1lhrk0bl  その後は、ピンク・フロイド時代の’78年にコンセプトは出来上がっていたが、それぞれのメンバーに否定され作れなかったものを、ロジャーはエリック・クラプトンを迎えてソロとして「THE PROS ANDCONS OF HITCH HIKING」 を製作。これがLP時代の最後の作品である。
 丁度この時期をして音楽業界はLPからCDへ。そして視覚的なアルバム作りも盛んになり、VideoTape(βの敗北、VHSへ)、LDの登場となってゆく。
  ギルモアも’84年にやはりソロLPの「ABOUTFACE」をリリースしている。ここでロジャーとギルモアの別れが現実化し、ピンク・フロイドの本質的解体となった。

 Photo_7 Radiokaos しかし、ギルモアはソロの不成功から「ピンク・フロイド」の名にこだわったことから、両者の対立は本格化するが、ロジャーのコンセプトはとどまることを知らず、「WHEN THE WIND BLOWS」、「RADIO K.A.O.S.」と、戦争問題に迫り核戦争の危機にスポットをあて訴える。

 一方ギルモアは、ピンク・フロイド・ネームの獲得にニックを巻き込むことで成功し、アルバム「鬱」をリリース。しかし、過去のフロイド・サウンドの踏襲に終わり、一般大衆化したフロイド・ファンは喜ぶも、評価にはほど遠い作品となる。


Photo_9  その後に両者の違いが決定的となったのは、ロジャーはソロ「RADIO K.A.O.S.」(1987)を経て、1992年には「AMUSED TO DEATH 死滅遊戯」を発表した。
 天安門事件、ソ連・東欧諸国の政変、湾岸戦争、宗教対立などなどを取り上げたのだ。それと同時に、それをテレビにて傍観いることの人類の恐ろしさなど、人間に迫る問題作をジェフ・ベックのギターで歌い上げる。
 こうしたコンセプト・アルバムはロジャーの本質である路線の一つの頂点でもあり、既にギルモアとの世界の違いが明確になったところ。

Photo しかし、一方ギルモアとメイスンのピンク・フロイドは、なんと資本主義社会の金にものを言わせ、それを謳歌してのカー・レースを自分たちが楽しむという「La Carrera Panamericana 道」(1992年)をLD盤を中心に発表。
  ロジャーをして過去に自分は人生をかけて作り上げてきたピンク・フロイドという名を冒涜するものと怒らせた。

 こうした決定的違いの上に、ロジャーは法廷での「ピンク・フロイド」使用権争いに敗れた為、自分の作った曲ですら演奏し録音録画の公開することを禁じられた。更に自分の作った曲を、ギルモアやニックのお祭り騒ぎのライブに使われていくことに耐えなければならなかったのである。

 こうした事に対してのロジャーの怨念はすざましいものであり、それに加え社会感覚の違い、ロックという音楽感覚の違いということの事実は、今後一緒にアルバム作りなどあり得ないことを示している。REUNIONはあり得ない。
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2007年4月17日 (火)

ロジャー・ウォーターズ(genuine Pink Floyd)の世界に何を見るか?-11-

「World Tour」に見るロジャーの世界

P90_09_03_2007  ロジャーは、今この4月、ヨーロッパにて「World Tour 2007」を進めているが、先月3月には「Southern Hemisphere Tour Itinery」にてペルー、コロンビアなどにてビック・ライブを成功させた。
 特に驚くべきはオープニングに、なんと深層心理を探り続けたマーラーの交響曲第5番を使って、そこに”In The Fresh?”をぶつけるという手法をとった。これには彼の一つの精神があLima1 ると見るが・・・・。彼がマーラーをというのは、一つの発見だ。

更に、この米国イラク戦争に目を向けるべく”Bring The Boys Back Home ”を高々と歌い上げる。 

 更に恐ろしいのは、PERUのLinaとCOLOMBIAのBogotaでは、かって英国において問題視された”Another Brick In The Wall ”を地元の少年団をステージに招いて例の"we don't need education , we don't need no thought control"を合唱さLima2 せ、"teacher, leave them kids alone"とやらせる。よくこれをこの国々の関係者は許したなぁー?と思うと同時に、批判や場合によっては彼自身の存在にも関わる問題となる可能性もあることに恐れず、彼の社会に対する挑戦は継続されていることが窺える。未だ彼の問題意識は衰えず、学校教師への不信感、人間を壁の中のレンガ一つに作り上げるという教育批判をあのロック会場に響かせるのだ。

 そしてブタをとばしてピンク・フロイド時代の一面を継続する。”俺がピンク・フロイドだ”と訴える姿は、ライブ8の旧4人の合体などまさに仮の姿、今後のピンク・フロイドのReunionに期待したもの達を字気笑っているようだ。

 恐るべしロジャー・ウォーターズの執念を見る。

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2007年4月 3日 (火)

ロジャー・ウォーターズ(genuine Pink Floyd)の世界に何を見るか?-10-

ロジャーの意地の全貌を見る-2006 European Tour-

Hydepark2006 「The Dark Side Of The Moon LIVE」と銘打ったロジャー・ウォーターズのライブは昨年から現在も進行中であるが、その全貌は既に何本かのDVDにより見れる。
  その一つである・・・・・・
 <Progressive Rock>
「ROGER WATERS HYDE PARK, LONDON 7.1.2006」
 
(Bootleg 2DVD-R  21613)

 ここではLIVE完全収録140分の中には、ロジャーの意地が集約されている。あの問題作「the final cut」から3曲、そして新曲”Leaving Beirut”への流れは戦争を問題視する彼の生涯のテーマは健在だ。

Hydeparkroger2  このロンドン・ライブの焦点は、まずピンク・フロイド時代の盟友であるドラマーのニック・メイスンが、後半の「the dark side of the moon」からの参加であろう。この事実は、ギルモア・フロイドへの怨念と同時に、ロジャー自身がピンク・フロイドであることを現在も暗に主張している。そして”the great gig in the sky”では、Carol Kenyonがスキャットを見事にこなしていた。
 新曲”Leaving Beirot”では2つのバージョンがあることが解った。約1ケ月前のRIOでは、イントロ部分はIan Ritcheのソプラノ・サックスが主役を演ずるか゜、このHYDE PARKでは、Andy Fairweather Low の見事なギター・プレイがイントロを演ずる。このあたりの見せ場は、結構楽しめるところだ。同時にここではKatie Kissonのヴォーカルが哀愁を帯びる。今回は技能評価の高いJon Carinがキーボードで参加しており、ロジャーの息子のHarry Watersのオルガンとツイン・キーボードとなっており、演奏の中身も濃い。

 相変わらず、例のアカデミー賞映画のサウンド・トラックとして使われた”Comfortably Numb”で幕を閉じるが、今回は反戦因子の濃い曲の"Vera"、"Bring the Boys back Home"を経て至るところは感動も大きい。サウンド的にはギターの因子が重要であるが、Dave Kilmisterが健闘しているし、相変わらずSnowy Whiteは貴重で、ツイン・ギターで十分の役割を果たしている。

 今回のライブの全貌がこうしてDVDで見ることが出来るのは、時代の有り難さであるが、その中に相変わらずロジャーの意地がかいま見れたことは、まだまだ老兵死なずの感動がある。

(視聴)

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