ジャンルなき世界”メコン・デルタ MEKONG DELTA”
メコン・デルタMEKONG DELTAの復活を歓迎
不思議なバンドといえばドイツのメコン・デルタだ。まず彼らの音楽ジャンルは?と言えば「ジャーマン・メタル・バンド」、「プログレッシブ・ヘヴィ・メタル」更には「ジャーマン・スラッシュ」等々表現される中、必ず”クラシックとスラッシュ・メタルの融合”と表現され、”現代のプログレッシブ・ロック”とも言われる。
そもそも私がこのバンドを聴くようになったのは、EL&Pにみるようにあの前衛的ムソルグスキーの「展覧会の絵」の曲をカヴァーするところから興味をそそられた。そしてFirstアルバムの”The Hut of Baba Yaga ”、Secondアルバムの”The Gnom”を聴くと、明らかに曲の展開のメリハリ、ベースの特徴あるリズムとツインギターのスラッシュ奏法は、時代の流れはあるにせよEL&Pを超えて迫力があった。時に1980年代後半である。私のようにプログレッシブ・ロックにリアル・タイムに生きてきた男にとって、1960年後半からのプログレッシブ・ロックに限界というか一つの形骸化された世界を突きつけられたとき、一つの逃げ場というか新しい展開というか、求めるものの一つとして現れたのは事実である。そして1994年の「VISIONS FUGITIVES」で、自らがクラシックでもありロックでもあり、現代音楽の一つの形としての曲作りを披露し、1997年には彼らの集大成としてムソルグスキー「PICTURES AT EXHIBITION展覧会の絵」全曲カヴァーして締めくくっていた。
そして10年、このバンドの復活アルバムがリリースされた。そしてなんとここには、あの小生が最も傾倒している一人であるロシアのショスタコーヴィッチの交響曲をカヴァーしていた。
それが2008年8番目のアルバム「LURKING FEAR」だ。(左ジャケ:クリックで拡大します)
”Allegro”と題して、ショスタコーヴィッチの交響曲第10番(最も感情と情熱を描いた曲と言われる)からの曲で締めくくる。しかし、このアルバムを聴くにつけ、やっぱりメコン・デルタはクラシックのへの執念はみせるも、スラッシュ・メタルてあることを、ここに見て取れる。
過去のアルバム
First「MEKONG DELTA」 1987
2nd「THE MUSIC OF ERICH ZANN」 1988
3rd「THE PRINCIPLE OF DOUBT」+「TOCCATA」 1989
4th「DANCES OF DEATH」 1990
「LIVE AT AN EXHIBITION」 1991
5th「KALEIDOSCOPE」 1992
6th「VISIONS FUGITIVES」 1994
7th「PICTURES AT AN EXHIBITION」 1997
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