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2008年9月23日 (火)

新生ピンク・フロイドの可能性が浮上

リック・ライトの死がもたらすもの

Photo Photo_2  リック・ライトの死は、実はロジャー・ウォーターズにとってはギルモアやメイスンよりも大きな一つの事件であると私は確信する。
 ギルモアがメイスンとともにピンク・フロイドに固執したのは、デヴィット・ギルモアでは売れないことが解ったのは、1984年のソロ・アルバム「狂気のプロフィール About Face」の発表と、そのツアーであった。そのツアーの寂しさはピンク・フロイドでは考えられないものであった。まさにピンク・フロイドの名前の偉大さを知ったのだ。そして多くの人の力を借りて「鬱」を作成し、ロジャー・ウォーターズとのピンク・フロイド争奪戦において、リック・ライトの取り込みを行い、3対1になれば、そのことは更に自分に有利に働くことは当然で、当時創造力を欠いていたライトも仲間にしたことは、ギルモアの一つの作戦でもあった。当時はライト自身もピンク・フロイドに対しては自信もなく、女房に尻を叩かれてしぶしぶ「鬱」に参加したくらいだ。しかしそれを上手にリードしたのはギルモアで、そのぐらいギルモアというのは敵を作らない性格の上に、営業的にもそこそこ能力を持っていた。それに反してロジャー・ウォーターズは、作戦のないストレートな性格であり、良いときはそれでうまく行くが、悪い展開では手が付けられなくなる。更にウォーターズの反体制的コンセプトについては、ライトはそうした感覚持ち合わせていない為に、精神的にも苦痛であった。まさにウォーターズとライトはロック感覚では水とと油であったことは事実だ。
Roger_2 Gilmour_2    さて、ここに残念にもピンク・フロイド・サウンドの一角のライトは亡くなった。しかしウォーターズは、ピンク・フロイド争奪戦においては法廷闘争に持ち込んだくらいの戦いの対象であったギルモアに対しては、現在はそれほどそのことには固執していない。むしろギルモアは「ファイナル・カット」でも、文句は言いつつも最も協力したメンバーである。更に近年のロジャー・ウォーターズの世界ツアーは大成功に終わっていることによる自信は大きい。彼の念願のオペラ「サ・イラ」も完成した。そしてギルモアのギターはそれなりに評価をしている。そうした中で、ギルモア自身もピンク・フロイド名義から離れて2006年以来、ギルモアの名前でツアーを成功させた。ここに来て両者はそれぞれの世界で自立し、ある意味においてはピンク・フロイドを後ろ盾にした個人名義のアーティストとしての立場を確立している。こうした安定感こそ両者に余裕をもたらしている。一方メイスンは個人としての力量は尽きているが、ウォーターズとギルモアとの関係は良好である。ライトがいなくなった今、かえって話は面倒でなくなったと言える。
 今度は、ウォーターズとギルモアが手を結べば、もう何も複雑なことはない。もともとかっての若き時代は、ギルモアはウォーターズの独裁ぶりには手を焼き、ウォーターズの社会批判精神には疲れ果ててはいたが、彼の創造性には一目をおいており、全ては否定していない。そしてギルモアというのは意外と世渡りは上手である。世間が今度はウォーターズとギルモアのコンビを本当に熱心に期待すれば、そこそこ上手にやっていけるところがある。ウォーターズはどうか?というと、ライトは無理であるが、彼がいなければ案外すんなりとギルモアを受け入れるであろうというところもある。そうであるとすれば、両者を結ぶにはそのあたりはメイスンの力が大きいと思われる。今やお互いに時代を作った評価をそれなりにされるようになって、お互いを認め合うところが構築された。展開は変わる因子がある。
 と、言うことは、ライトが亡くなったことは残念であるが・・・、むしろ新生ピンク・フロイドはひょっとすると結成される可能性が浮上してきたと言える。世の中は何がどう変わって行くかは解らない。そこが面白味のあるところであり、力まずに円熟したピンク・フロイドがみせるものも、ちょっと見てみたいのは私だけではないであろう。

 

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コメント

晩年のリックライトは出てきても、エレピの前に立ってポロポロ弾いているだけだったので、ウォーターズ=ギルモアの線で充分かと思われます。
ヴォーカルでカンで欲しかったです。

投稿: nr | 2008年9月28日 (日) 21時47分

nrさん、久しぶりですね。ブログは何時も拝見しています。食文化の濃厚な関西が羨ましいです。
しかし、未だにブッシュにもの申したりのウォーターズのロック魂には敬意を表します。現代においては、聴く方も多種多彩、1960年代なんか全く解らない、パンクやニューウェーブの流れも解らない。そうした人種がロックを造っているわけで、AORだって何だって心地よければ良いんですね。しかしそれに迎合しないウォーターズに対してギルモアが、ライトのいなくなったところで、どう向かい合うか?>結構楽しみです。

投稿: 風呂井戸 | 2008年9月28日 (日) 22時36分

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 「リチャード・ライト氏 死去」だけだったらどこか「?」って感じだったろう。「ピンク・フロイドの」があったからわかったが。やっぱ... [続きを読む]

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