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2008年10月13日 (月)

デヴィッド・ギルモア「狂気の祭典~ライブ・イン・グダニスク」

「On An Island」ツアーの最終章ライブ・アルバム

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 既に、この「On An Island」ライブの模様はオフィシャルDVD「覇響」にて全容は観ているが、今回はむしろCDニュー・アルバム・リリースとして捉えていい。つまり2枚組CDアルバムを中心としてDVDにて色づけを加えたものとして制作された。このライブ(2006年)はポーランドのグダニスクで、独立自主管理労働組合「連帯」の結成26周年記念として行われたようだ。このあたりはもともと政治色のないギルモアとしては、異様にもとれるが、ピンク・フロイドの歴史からみればロジャー・ウォーターズの盛んなりし頃の「ザ・ウォール」からの流れもあって、不思議で無いとも言える。ベルリンの壁崩壊を記念した1990年のウォーターズの「ザ・オール~ライブ・イン・ベルリン」の巨大イベントが思い起こされる。あれまでは巨大ではないが、いずれにしてもポーランドの地での大きなイベントの成功は喜ぶべき事だ。今回のリリースは5種類の仕様があるが、特に豪華版はCD3枚+DVD2枚であり、更にVINYL BOX SETのアナログLP5枚セットは注目される。
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それはさておき、今回の目的はあくまでも2枚組CDとしてきちんと演奏を残しておきたいというギルモア・ミュージックの記念アルバムをリリースしたというところにある。それはDVDでは、当日冒頭の演奏の「狂気」よりの数曲が演奏ミスがあって取り上げられていない。しかし、ギルモアにとっては記念すべき重要な部分でもあり、CDでは後に修正してでもここに納めたかったようだ。確かにCD版は、バンド全体による曲作りというよりは、ややギルモアのギター録音が大きめで、とにかくギルモア・ギターを聴かせたいという意志がはっきり出ていて、かなり念を入れた録音に仕上がっている。今回のこのツアーは確かに各地においてはロックとしては小規模会場が多くをしめていて、それはギルモアのメロディーとサウンド重視の世界観によるところがあるのだろうが、最後の7月からこのグダニスクまでの7回の欧州ツアーは、大規模会場で演奏され、しかもこのグダニスクでは地元ポーランドのオーケストラをバックに盛り上げた。
Gilmourgdansk3  とくに参加ミュージシャンの中ではリック・ライト(残念ながら死亡)とフィル・マンザネラは当然であるが、ジョン・カーリンがキーボードはもちろんであるがスライド・ギターそしてヴゥォーカルでも貢献しているのが注目される。彼はロジャー・ウォーターズの世界ツアーでも重要なメンバーで、こうしてみるとピンク・フロイドの2つの潮流に貢献している貴重な人材である。
 ギルモアは今回のツアーで、”ピンク・フロイドのヴォイスとギタリスト”という看板を下げて行ってはいるが、彼の個人のツアーとしては、初めて成功したモノである。「狂気のプロフィール」ツアーの失敗から、ピンク・フロイドのビック・ネームの必要性を知って、ピンク・フロイド名義の「鬱」「対」ツアーを成功させ、そして個人名義のツアーは20年以上経てここに結実したのである。彼の感動は大きかったと思われる。
 しかし、今回の内容を見てもピンク・フロイドのアルバム「狂気」、「炎」、そして「ザ・ウォール」の”Comfortably Numb”、更には「おせっかい」の”Echoes”が最も受けているところをみると、ロジャー・ウォーターズの「狂気」世界ツアーも同様であるが、やはりピンク・フロイドは偉大であったと知らされるのである。
 いずれにしても、この後、2007年~2008年には、ロジャー・ウォーターズが「The Dark Side Of The Moon ツアー」世界各地で成功させた。面白いことにギルモアの世界、ウォーターズの世界は、それぞれ特徴が出ていて、ピンク・フロイド時代からそれぞれに異なった個性を持って発展していることが解る。
 さて、このアルバムはじっくりCDで、ギルモアの演奏を聴くところがポイントとみる。DVDは、それなりに色づけしてくれているが、映像はこの前の「覇響」で十分目的を達している。ギルモア・ギター・サウンドは、やはり偉大なるAORとして発展して、ここにある。それをそれなりに聴き込むところが我々にとって有り難いのだ。このアルバムには、ギルモアがピンク・フロイドでなくギルモアとして成功した記念として祝いたい。彼は相当に自信を持ったことであろう。

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 まあ、近頃の若い子の考え、何を考えているのかわかりません。もう一度、苦労させた [続きを読む]

受信: 2008年10月22日 (水) 05時45分

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