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2009年2月 5日 (木)

今でも強烈な印象のデヴィル・ドールDVIL DOLL(その1)

歴史に残るロック異色作群

 あるブログでつい最近、このデヴィル・ドールDVIL DOLLを取り上げていたのを見た。十何年か前にのめり込んだものであるだけに、懐かしさも手伝ってホコリがかぶってはいたがCD棚から取り出して、ここに手元にあった五枚のCDに再び聴き入っているのである。

Photo 1st「The Girl Who Was...Death 死せる少女に捧ぐ/DEVIL DOLL」CAT.N.HG1 リリース年不詳。

Mr.Doctorと名乗る人物が率いるメタル・ロック・バンドであるが、ピアノ、ヴァイオリン(ストリングス)、混成合唱団、ブラス隊など加わる大演奏部隊で、当時既に死語となったプログレッシブ・ロックの一形とも取られ、又シアトリカル・ロック・バンドとしての位置づけがされたりの異色バンド。彼らはスロベニアというこれ又ヨーロッパ諸国の中でも1991年にユーゴスラビアから独立を果たした国の出身。しかしこのアルバムはイタリア・ベニスのファン・クラブ(PURDY GUDY RECORDS)から出されている。(私は当初イタリア・ロックと思った時があった)
Photo_2 (左をクリックすると拡大する=バンド構成など参考に)
このアルバムが1stであるが、リリースは1988年であろうか?アルバムには明解な記載がない。
 何故か世界を意識してか?歌詞は英語である。もともと彼らの日本での最も知られたるアルバムは「怒りの日DIES IRAE」という組曲であるが、テロによるものか?よく解らないようであるが、彼らのスロベニアのレコーディング・スタジオ火災での為、テープを消失してしまって、後に再録音したのはよく伝えられている話である。とにもかくにも謎の多いバンドであり、ある意味では闇の世界からの作品と言ってもいい。当時のスロベニアという国情をみるに、東側共産圏からユーゴスラビアはある意味では一線を画していたとはいえ社会主義連邦共和国であり、そこから更にスロベニアが脱却していく過程にある時で、社会情勢事態が、こうしたバンドにどのように対応していたかも不明である。
 静かなハープの美しさからスタート。女性コーラスと次第に盛り上がりを見せ、聴くものを引きずり込む(66分の一曲構成)。油断してはならない、なんとも不気味なヴォーカルそしてメタル・ロックの展開。しかしソロ・ヴァイオリンはじめ非常に美しいメロディーが印象的なアルバムである。ピアノ、パイプ・オルガンなど多彩な楽器が訴えて壮大なロックが展開してくる。


2nd(?)「ELIOGABALUS 絞首台 / DEVIL DOLL」 HG number Six 1990 HURDY GURDY RECORDS
Eliogabalus2_2 Eliogabalus3 Eliogabalus1_2

1.MR.DOCTOR, 2.ELIOGABALUS の2曲構成。
どうも良く解らないが、これが2ndアルバムと言われている。1990年とプリントされているが・・・と言うことは、スロベニア独立前である。まさに彼らは自由を求めてイタリアにての活動であったのか?。そうであれば謎につつまれたバンドというのは必然的だ。
 シンフォニック・ロックそしておどろおどろしいヴォーカル、美しいメロディー。展開の多彩さは聴くものを疲れさせない。そしてまさに飽きさせないアルバムである。
(その2へ続く)

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