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2009年2月27日 (金)

ハリー・ウォーターズ・バンド Harry Waters Band

古典的ジャズを演ずるハリー・ウォーターズ(ピアノ)

Harry_w_b_1  ハリー・ウォーターズ Harry Waters は、あのピンク・フロイドを造り上げたロジャー・ウォーターズの息子である。近年父親の世界ツアー(特に大成功に終わった”The Dark Side of The Moon LIVE”での活躍にて注目される)に同行し、ジョン・カーリンとともにキーボードをダブルで担当した。その彼が、やはりこのツアーに同行したサックス奏者のイアン・リッチーとともにカルテットを形成してジャズを演奏し、アルバム作りをしていることは伝えられていたが、ここに「Harry Waters Band」というアルバムがリリースされた。

 まず驚くのは、まさに古典的ジャズ・ピアノを展開しているところだ。彼はそもそも父親との関係はあまり語られていないが、8歳よりピアノを弾き始め、その後は多彩なスタイルのピアノに傾倒し、20歳にはジャズに興味を持ったようだ。しかし当初はロック・バンド(Hubble Deep Field というバンドらしい)でキー・ボードを担当したが、ロックからやはりジャズに向かってビル・エヴァンス、オスカー・ピーターソンに傾倒してゆく。
Harrywaters そもそも10代からピアノ教師にラグタイム、ブギウギそしてブルースなどの奏法を学んだようで、そうしたジャズの原点に近い30年代から50年代を思わせるスタイルを構築して、今回のアルバムを造り上げている。
 いずれにしても、彼のPianoに、イアン・リッチーIan RitcheのTenor Saxを中心としたカルテットにClarinet やTrumpetが加わって6人編成のジャズを展開している。
 このアルバムにも記されているが、オスカー・ピーターソン、ビル・エヴァンス、キース・ジャレットやランディー・ニューマンにインスパイヤーされての作品作りであることのようだ。
 主として彼が書いた曲で構成されているが、彼のピアノがあまり前面に出ないでバンドとしての作品となっている。私はジャズにそれほど精通しているわけでないために、評価は若干あやしいが、ラグタイム、ブギウギの色とスウィング、ビバップの味付けもあって、久々によき時代のジャズを感じさせてもらった。
 ボーナス・トラックにチェスター・カーメンのアコースティック・ギターが加わっての”Jarretts Dream”という曲があるのも興味ある。

1.Blues in G
2.jumping
3.Petersons Bounce
4.juggling for Beginners
5.Scholars Mate
6.Rum and Coca Cola
7.Blues in F
8.Garden Party
9.spring Stepping
10.Alligators Funeral
Bonus Track
11.Jarretts Dream

 いずれにしても、彼はこうしたジャズの世界を父親のロジャー・ウォーターズのロック(死語で言えばプログレッシブ・ロック)とは異なった音楽への探求のようであるが、あるところで競演することは両者にとって又面白いのでは?という事も想像してしまう。実際、ロジャーの世界・ツアーでの同行はかなりハリーの音楽にも影響は必ずあったであろう。 
 ハリーの母親にとってみれば、ロジャーは離婚しているが、ロジャーの人生で最も長く共に苦労を分かち合って歩んだパートナーであるだけに、親子がこうして協力して頑張っていることの姿は歓迎していることであろう。

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2009年2月19日 (木)

サラ・ブライトマンの「シンフォニー~ライブ・イン・ウィーン~」

 やはり映像ライブものは迫力がある

Vienna1 SARAH BRIGHTMAN 「SYMPHONY~LIVE IN VIENNA」
 
日本盤DVD+CD(TOBW-3370)でリリースされた。

 サラ・ブライトマンの丁度一年前の「SYMPHONY 神々のシンフォニー」のリリースにあわせて、オーストリアはウィーンの日本人観光では必ず訪れるあのシュテフアン大寺院で行われたライブもの。米国テレビ番組収録のための特別コンサートであったとか。(収録:2008年1月16日)
 いずれにしても、オーケストラ、ロック・バンド、合唱隊を従えてのライブは迫力がある。又デュエットとしての3人の男性歌手も加わっている。

 もともとCDアルバム「Symphony」は、サラ・ブライトマンの原点回帰と思われる内容で、若干発展的意味では期待を裏切った感があったが、むしろこれがサラだと歓迎した人たちもいたようだ。私なんかは"HAREM"のような曲にも魅力を感ずるものとしては、今一歩何かが欲しいと思っていた。しかし、このライブ映像を見ると、う~~ん、なかなかそれなりにいいじゃないかと、ちょっと見直しているところである。
Vienna2  この大寺院に入っただけでも圧倒されるところであるが、そこで展開される歌と演奏は、その効果も抜群で、えらい企画をしたものだと、米国には頭が下がる。
 曲は、アルバム「Symphony」からのものであるが、最後に”オペラ座の怪人”、”タイム・トウ・セイ・グッバイ”、”アヴェ・マリア”がDVD映像には収録されている。
 中でも、アルバム曲からの”PASIO'N”はFernando Lima とのデュエットが圧巻で、このDVDの一つのみどころでもある。
 サラ自身は、相変わらずの発声で高音の魅力をぶつけてくるが、なんか少し線が細くなったかなぁ~~なんて思わせるが、そう感ずるのは私だけだろうか?。
 さらに、”オペラ座の怪人”は、Nightwish のターヤとマルコのデュエットと比較してしまうが、今こうして聴いてみると、異論があるかもしれないが、演奏も含めてNightwish に私は軍配を挙げてしまう。

 もう一つは、サラの妹のアメリア・ブライトマンがキーボードとバッキング・ヴォーカルを務めている。このあたりもう少し全面に取り上げて欲しいと思っているのは・・・私のはかない希望であろうか?。^^)

 最後に、この大寺院に集まった観客は、荘厳な寺院の中の見事なライト・ショーと歌と演奏で感動したに違いない。羨ましい話である。しかし、ウィーンの寒い冬の1月、コートを着込んで聴き入っているが、サラはこの写真のごとくの衣装でかなり寒かったのではないか?と、余計なことを想像しながらこのDVDの映像を見ていた私である。(多分、この大寺院の中は1月は寒いと思う)
 いずれにしても、価値ある映像ライブものとして評価はしたい。

(視聴)

 

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2009年2月 8日 (日)

今でも強烈な印象のデヴィル・ドールDVIL DOLL(その4)

総括

もし”DEVIL DOLL” の世界に近寄りたいなら・・・・・・
      http://www.devildoll.nl/
                     ・・・・・に訪問してみて下さい。それが最も近道でしょう。

4枚のアルバム「死せる少女に捧ぐ」「絞首台」「宗教冒瀆」そして「怒りの日」があるが、一般的には「怒りの日」が最も支持されている。しかし私は「宗教冒瀆」が如何にも好きですね。

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2009年2月 7日 (土)

今でも強烈な印象のデヴィル・ドールDVIL DOLL(その3)

プログレッシブ、カルト、シアトリカル、シンフォニック、アヴァンギャルド、オペラティック、チェンバー、ゴシックなどなど多彩に形容されるヘビー・メタル・ロック

4th「DIES IRAE 怒りの日 / DEVIL DOLL」 CAT. N. HG-10  ,BELLE ANTIQUE MAR95150  1995
Photo MR.DOCTORなる謎の人物により作り上げられたバンド DEVIL DOLL の私の所持するラスト・アルバムである。ここまでも音楽的に完成度を高めた作品はそうざらにはない。
 各パートには分かれていても全編通しての”怒りの日”1曲のみである。
 ストリングスの演奏によるによる不安に満ちたオープニング、やがて静寂の雰囲気を作り上げバンドとオーケストラの合奏の中に、女性と男性(Mr.Doctor ?)の不気味なヴォーカル、そしてロック・バンドのスタート。相変わらず全16パートのうち、3パート目には既に虜になってしまう。

Photo_2  スロベニア出身でイタリアにて活動していたとみられるリーダーのMR.DOCTORは、果たして何をめざしていたのであろうか?
 この組曲は1993年にほぼ録音も完成させていたさなかに、スロベニアにあるLjubljanaという町にあるスタジオの中で火災が起き(テロとの推測もあるようだが)、録音テープを失って、リリースを一度は諦めていた作品であるようだ。そのため”呪われたアルバム”とも表現されている。政治情勢の複雑なスロベニアにおける活動の難しさは想像に難くない。しかしそうした中から、ほとばしる芸術探求の作品としても十分耐えうる作品だ。1994年になって再レコーディングの期待も高まる中、ついに1995年完成をみたものだ。
 不気味で、得たいの知れないヴォーカルとは裏腹に、美しいヴィオリン・ソロ、ピアノ・ソロを挟んでのオーケストラのドラマティックな展開はイタリア音楽の極みすらも吸収している。そしてただだらだらと流れるのでなく、予期せぬ変調とリズム感たっぷりのギター、荘厳なオルガンの響き。本作では女性ヴォーカルの占める位置も多くなり、此が又なかなかのオペラ感覚。いずれにしても暗く退廃的な中に、なんでここまでも美しいのかと忘れ得ないアルバムなのだ。

 この後の DEVIL DOLL の消息は私は知らない。そしてこの MR.DOCTOR なる首謀者もどうなったのか?私は知らない。(現代のこと、どこかで詳細は明らかになっているのかも知れないが・・・)むしろこれからの結末は知らないほうが、私としてはこの音楽集団を何時までも一つのロックを絡んでの芸術の極みとして受け入れていけるのかも知れない。

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2009年2月 6日 (金)

今でも強烈な印象のデヴィル・ドールDVIL DOLL(その2)

シアトリカルにしてヘビー・メタル・シンフォニック・ロック


Sacdilegium1 3rd 「SACRILEGIUM宗教冒瀆 / DEVIL DOLL」 HURDY GURDY number 7 

 このジャケは非常に印象的であった。多分このては過去になかったものと言える。
 スタートから壮大なストリングスとドラムス、パイプ・オルガンの響き、暗い重厚な合唱隊により展開が始まる。静から大音響にと変化して気持ちの悪いヴォーカルが・・・この声がMR.DOCTORなんであろう。そしてメタリック・ロック・サウンドの軽快なリズム。いずれにしても曲の展開は多彩、ワルツの登場までも・・・・。20分どころのオーケストラ、合唱、ピアノは美しく、更にヴァイオリンとピアノ・ソロの美しさは相変わらすで、救われるところである。
Sacdilegium2 歌詞は英語であるが、なかなか訳しても難解。
 曲はトータル1曲であるが42分どころで突然無音そして5分後にメッセージそして無音。不思議でかつドラマティックな曲構成。
(左画像、クリックにて拡大してアルバム・データを参照)







サウンド・トラック版 「THE SACRILEGE OF FATAL ARMS/ DEVIL DOLL」 CAT. N. HG-8  Devil Doll fan club presents

Sfatalarms1  同名映画のサウンド・トラック版、MR.DOCTOR が前アルバム「SACRILEGIUM」から企画し発展させた映画からのものという。しかし、全く同一曲とは感じられない全く別アルバムである。オープニングにオーケストラのチューニング、そして会場の拍手、ブラス隊を中心としたマーチが曲をスタートさせる。次第に前作で聴いたことのある合唱が顔を出す。Sfatalarms2 メタリック・ロック曲はそれなりに迫力を増している。ロック・バンドとしての面目躍如といったところ。オーケストラの流れもスリリングな面が磨かれているし、アコースティック・ギターも納得させる。
 こうして何度か聴いていると、不思議にめくりめくる展開の不自然さが違和感なく病みつきになる。このアルバムに納められているサウンド・トラック曲は、かってより全体的にも迫力というか、迫ってくるものが力強くなってきている。
 プログレッシブ・ロックの現代版として聴いてみるのも面白い。いずれにしてもイタリアが絡んでおり、イタリア・ロック的メロディーとオーケストラの融合なども味がある。やはりピアノ・ソロはほっとする美しさである。


(その3 に続く)

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2009年2月 5日 (木)

今でも強烈な印象のデヴィル・ドールDVIL DOLL(その1)

歴史に残るロック異色作群

 あるブログでつい最近、このデヴィル・ドールDVIL DOLLを取り上げていたのを見た。十何年か前にのめり込んだものであるだけに、懐かしさも手伝ってホコリがかぶってはいたがCD棚から取り出して、ここに手元にあった五枚のCDに再び聴き入っているのである。

Photo 1st「The Girl Who Was...Death 死せる少女に捧ぐ/DEVIL DOLL」CAT.N.HG1 リリース年不詳。

Mr.Doctorと名乗る人物が率いるメタル・ロック・バンドであるが、ピアノ、ヴァイオリン(ストリングス)、混成合唱団、ブラス隊など加わる大演奏部隊で、当時既に死語となったプログレッシブ・ロックの一形とも取られ、又シアトリカル・ロック・バンドとしての位置づけがされたりの異色バンド。彼らはスロベニアというこれ又ヨーロッパ諸国の中でも1991年にユーゴスラビアから独立を果たした国の出身。しかしこのアルバムはイタリア・ベニスのファン・クラブ(PURDY GUDY RECORDS)から出されている。(私は当初イタリア・ロックと思った時があった)
Photo_2 (左をクリックすると拡大する=バンド構成など参考に)
このアルバムが1stであるが、リリースは1988年であろうか?アルバムには明解な記載がない。
 何故か世界を意識してか?歌詞は英語である。もともと彼らの日本での最も知られたるアルバムは「怒りの日DIES IRAE」という組曲であるが、テロによるものか?よく解らないようであるが、彼らのスロベニアのレコーディング・スタジオ火災での為、テープを消失してしまって、後に再録音したのはよく伝えられている話である。とにもかくにも謎の多いバンドであり、ある意味では闇の世界からの作品と言ってもいい。当時のスロベニアという国情をみるに、東側共産圏からユーゴスラビアはある意味では一線を画していたとはいえ社会主義連邦共和国であり、そこから更にスロベニアが脱却していく過程にある時で、社会情勢事態が、こうしたバンドにどのように対応していたかも不明である。
 静かなハープの美しさからスタート。女性コーラスと次第に盛り上がりを見せ、聴くものを引きずり込む(66分の一曲構成)。油断してはならない、なんとも不気味なヴォーカルそしてメタル・ロックの展開。しかしソロ・ヴァイオリンはじめ非常に美しいメロディーが印象的なアルバムである。ピアノ、パイプ・オルガンなど多彩な楽器が訴えて壮大なロックが展開してくる。


2nd(?)「ELIOGABALUS 絞首台 / DEVIL DOLL」 HG number Six 1990 HURDY GURDY RECORDS
Eliogabalus2_2 Eliogabalus3 Eliogabalus1_2

1.MR.DOCTOR, 2.ELIOGABALUS の2曲構成。
どうも良く解らないが、これが2ndアルバムと言われている。1990年とプリントされているが・・・と言うことは、スロベニア独立前である。まさに彼らは自由を求めてイタリアにての活動であったのか?。そうであれば謎につつまれたバンドというのは必然的だ。
 シンフォニック・ロックそしておどろおどろしいヴォーカル、美しいメロディー。展開の多彩さは聴くものを疲れさせない。そしてまさに飽きさせないアルバムである。
(その2へ続く)

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