ジェフ・ベック映像で迫る「Live at RONNIE'S SCOTT'S」
ここまで観れるのはまさにこの一枚のみ「JEFF BECK / Performing this week.......LIVE AT Ronnie Scott's」 SIBP 123
既に発売されている同題のCD「Performing this week...Live At Ronnie Scott's」sicp 2111 の映像版と言っていいDVD映像の登場 。しかもCDの16曲に+α加えての21曲が収録されている。あの200人収容というロンドンの小ジャズ・クラブでの収録。CDもなかなかの好録音で、しかも彼のテクニック満開の音の世界は圧巻であったが、更に映像が迫ってくるこのDVD盤はDTS5.1surroundでも聴ける代物。かってジェフ・ベックのオフィシャル・ライブ映像はどうした訳かまさに彼の名義のものはなく、ブートレグにてお茶を濁してきた私であるが、ついにここに手に入れることが出来たわけだ。
幸いにして、小クラブでの収録で大観衆のステージとは違って、彼の操るギター・テクニックが、手に取るように見れる。
ライナー・ノーツの細川真平も書いているが、彼のピックを使わない指弾きの妙技とデリケートなアーミングにまさに溜息をつく。
そしてこれには、エリック・クラプトンの2曲の参加がしっかり収録されているし、やっぱり、あのCROSSROADSで話題になった可愛い女性ベーシストのタル・ウィルケンフェルド Tal Wilkenfeld の存在が、このドラムス(ヴィニー・カリウタVinnie Colaiuta)とキーボード(ジェイソン・リベロJason Rebello)に囲まれて、なんともいえないこのグループの楽しさを醸し出している。特に例の曲”哀しみの恋人達”の彼女のソロ・パートは、ジェフの頼もしげな表情を生み出して、実に訴えてくるところがある。
更に、イギリス出身のかなりソウフルな歌声のジョス・ストーンJoss Stone が登場する。彼女はハービー・ハンコックやサンタナとの競演もあった実力派で、映画女優としても確か活躍したはずだ。R&Bソンガーと言っていいと思うが、2007年には日本公演もあった。このライブにおいても"peaple get ready"をジェフのギター・サウンドを見事に唄いきっている。
更に更に、オルタナティブ・ロックと言った範疇になろうと思うが、美人マルチ・プレイヤーとして知る人ぞ知るイモージェン・ヒープ Imogen Heap が登場する。あの独特の一種の息を漏らす喘ぎのような歌声は、ジェフの刻み込むサウンドと妙にマッチングして面白い。このあたりもCD盤にはなかった楽しめる場面だ。
やはりライブものは映像があってこそ楽しめるというのは事実である。ここにジェフ・ベックが、おしげもなくギター・テクニックをお披露目したことは、彼が一つの境地から一つ超えての世界に入ったのかも知れない。このDVDは私にとっては貴重盤となることは間違いない。
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コメント
こんにちは。当方ブログへのコメント,TBありがとうございました。
Jeff Beckというのは「孤高」のイメージが強い人ですが,映像で見ると,実はそうでもなさそうなことがわかって興味深かったです。年齢とともに人間が丸くなったのかもしれませんが,ギターの切れ味は昔そのままというのは大したものだと思います。こちらからもTBさせて頂きます。
それにしてもモノクロ写真が渋いですねぇ。近年のECMレーベルのカバー・アートもモノクロが多くなっていて,つい想起してしまいました。
投稿: 中年音楽狂 | 2009年5月 5日 (火) 11時12分
中年音楽狂さん、私はRock ,Jazz,Classic など何でもOKという人間です。特にRock は、まさに私の人生の歩みと並行して流れてきてのリアルタイムな音楽で特に気が入ります。^^)
Jazzもピアノ・トリオを中心に、それでもその他もいろいろと聴いて来ました。
これからもよろしくお願いします。
投稿: 風呂井戸 | 2009年5月 5日 (火) 13時37分