エヴァ・キャシディ Eva Cassidy のソウルフルな歌声は死なず
ジャンルを超えた美しい唄声の世界は魅力
33歳という若さで亡くなってしまったエヴァ・キャシディ Eva Cassidy ほど、亡くなってから大きな注目を集めた歌手も珍しい。(1963年米国生まれで、1996年に皮膚癌で死亡)
もちろん、私は友人からのCD紹介で初めてその歌声に接して虜になったのも最近のことである。
英国で死後にリリースされたコンピレーション・アルバムが注目され、それがきっかけとなり、以来世界各国でファンを集めているのも進行形のようだ。
「Live At Blues Alley」 Blix Street Records G2-10046, 1997
Recorded Live At Blues Alley, January 2 and 3, 1996
私が、初めて紹介されて接したのはこのライブ・アルバムです。これは彼女が亡くなった年のジャズ・クラブでのもので、もちろん死後に発見されてリリースされたもの。
スタートの曲”Cheek To Cheek”で、ピアノに導かれての彼女の唄声はジャズ的アプローチだ。続いての曲”Stormy Monday”でブルース調に変化し、これを聴くともう引き込まれてしまう。ジャズをメインとしたスタンダード・ナンバーが中心のアルバムであるが、一方スティングの”Field Of Gold”となると多くのものが感動しているだろう。更に”Autumn Leaves”はもう彼女のもの以外何者でもない曲に歌い上げられていて、その美しさに圧倒される。
ライブものの特徴として、彼女の話し声も入っていることから、信奉者(?)にとっては、たまらなく貴重なアルバムと言える。
Tracklist
1. cheek to cheek
2. stormy monday
3. brige over troubled water
4. fine and mellow
5. peaple get ready
6. blue skies
7. tall trees in geogia
8. fields of gold
9. autumn leaves
10. honeysuckle rose
11. take me to the river
12. what a wonderful world
13. oh, had i a golden thread
「time after time」
Blix Street Records G2-10073, 2000
このアルバムは、彼女のどちらかというとシンプルなアコースティック・ギターによって導かれての唄声の曲が主体である。フォーク調であり、又ジャズ、ブルースも展開する。
いずれにしてもジックリとその唄に酔っていける。しかし一方、不思議なことに”Easy Street Dream”を聴くと、その情熱が伝わってきて、誰もがあのジャニス・ジョプリンを思い浮かべるという。私もそうした前知識でこの曲に接してみたせいか、まさにそのとおりで不思議な世界に入ってしまう。
バックにピアノ、エレクトリック・ギターも登場するが、かなり控えめで好感の持てる曲作りである。私は好きなアルバムだ。
「Eva by Heart」
Blix Street Records G2-10047, 1997
エヴァのアコースティック・ギターにヴァイオリン、チェロもバックに加わって美しい曲”I Know You By Heart”からスタートして、全編どちらかというと美しく仕上げられたアルバム。
このアルバムに収められているフリートウッド・マックのクリスティン・マックビーの名作”Songbird”が聴きどころ。
しかし”Blues in the Night”の曲のような情熱的なアプローチは、これも彼女の魅力でもある。
「Songbird」
Blix Street Records G2-10045, 1998
このアルバムは、「Live at Blues Alley」と「Eva by Heart」の2アルバムのコンピレーション盤といっていい。おいしいところを盛り込んでいるので、入門盤としては恰好のアルバムである。
彼女の美しいピュアな歌声と、フォーク調のバラード、そして一方情熱的な世界と奥は深い。いずれにしても今は亡き彼女を一枚で知ろうとしたらこのアルバムかも知れない。
しかし、近年彼女の録音音源の発掘が行われている。それも今日の我々を引きつける魅力が成す技であろう。
彼女の歌声と一晩ゆっくりステレオと対面するのも、取り敢えずはお勧めである。
<Eva Cassidy Album Discography>
The Other Side 1992
Live at Bluea Alley 1997
Eva by Heart 1997
Songbird 1998
Time after Time 2000
Imagine 2000
American Time 2003
Wonderful World 2004
Somewhere 2008
(以下追記)
Simply Eva 2011
The Best of Eva Cassidy 2012
(試聴)
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コメント
あらためてぜひ聞いてみたいと思いました。先日CDショップをのぞくと、彼女のアルバム「Somewhere」というのがありました。いかがなものでしょうか。残念ながら「Songbird」「Live at…」は売り切れのようでした。残念!ネット通販で探してみたいと思います。
投稿: プロフェッサー・ケイ | 2009年5月19日 (火) 21時37分
プロフェッサー・ケイさん、「Somewhere」は掘り起こし新盤ですね。私と同様に「Live At Blues Alley」から入るのがケイさん向きでは?と思いますが、それとも「Songbird」のコンピレーション盤あたりがいいかも・・・・
投稿: 風呂井戸 | 2009年5月20日 (水) 08時45分
風呂井戸さま。
初めまして
3年も前の記事へのコメント
お許しください。
数日前、はじめてエヴァのOver The Rainbowをきき、
衝撃を受けました。いろいろ知りたくなり、Yahoo
で風呂井戸さんにたどり着きました。
とても詳しくわかりやすいので、わたしのブログに
リンクさせて頂きましたが、よろしいでしょうか?
また他の記事も見に伺いたいです。
どうぞよろしくお願いします。
投稿: PATTI | 2012年4月 9日 (月) 17時54分
PATTIさん、こんにちわ。
エヴァを愛する仲間が増えてゆくことは、私にとっては大変歓迎です。こちらこそよろしくお願いします。
"over the rainbow"はアルバム「Songbird」と「simply Eva」の2アルバムで聴けますね。
投稿: 風呂井戸 | 2012年4月 9日 (月) 19時51分
PATTIさんからさらに5年を経て書き込みます。私はTime after timeのカバーを聴いたのが初めてのエヴァとの出逢いでした。
その時originalはCyndi Lawperじゃなかったんだあ・・と思い込んでいたのですが、つい1時間前に事実が真逆であることを知り、一体Eva Cassidyって何者なんだ!?と調べているうちにSongbird 〜Autumn Leavesで最高級の衝撃を受けドハマり完了、さらに検索するうちにここにたどり着きました。
しばらく記事に従ってアルバムを聴き漁り、エヴァの魅力に浸かるつもりです。
投稿: KASSIE | 2017年3月22日 (水) 05時24分
KASSIEさん、いっやー、この記事はもう8年前ですかね。コメントどうも有り難うございます。
私も、彼女を知ったのは既に若くして亡くなられた後でした。ブルース・アレイのライブに感動でした。
最近は、このブルース・アレイ・ライブの完全版がリリースされ、喜んだのは昨年1月でしたかね。彼女はお気に入りで何回かここに記事にしています。左のカテゴリーのエヴァ・キャシディをクリックして頂ければ見れますので、又ご感想など頂けると嬉しいです。
投稿: 風呂井戸(photofloyd) | 2017年3月22日 (水) 14時44分