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2009年7月21日 (火)

イモージェン・ヒープ iMOGEN HEAP の世界再考

この浮遊感と危険性

 私にとっては、ジェフ・ベックによって知らしめられた英国の女性オルタナティブ・ロック歌手イモージェン・ヒープiMOGEN HEAPですが、近作アルバムの「speak for yourself」には圧倒された訳で、もう少し彼女の世界を知りたいと思っているところに、この8月にはニュー・アルバムがお目見えしそうだ。しかしそれに先駆けて彼女の過去のアルバムを聴いてみるのも面白い。
ここで再び彼女を取り上げる。

Imegaphone 「i MEGAPHONE」 ALMO sounds AMSD-80017 1998
これは今手に入る彼女の初期のアルバムかと思うが、既に彼女の特異な世界が完成している。例の高音部への独特の声の変化を伴った浮遊感ある歌声は、まさに彼女の真骨頂。息づかいまで歌にしてしまうような危険感ある世界はスリルというかゾクっとくる。もう10年以上前のアルバムだから驚きだ。ギターやピアノそして刻むエレクトロニック・サウンドと一体化した彼女の声の厚みのある低音部から浮遊の高音部は貴重な世界である。アルバムはスタートの”getting scared”、”sweet religion”の2曲でリズムに乗せて次第に彼女の特異な感覚を醸し出す世界に引きずり込み、全9曲の7曲目の”candlelight”になると歌唱力で語り込んでくる。
 いずれにしても、貴重なアルバムである。

Froufrou 「details」 / frou frou    MCA 314 586 996-2   2002
これはイモージェン・ヒープがビョーク、マドンナなどのプロデュースをしたGuy Sigsworth との共作。Guy はプロデュサー、アレンジャー、ソング・ライターで Ambient とか electronic-Music   といった世界だが、イモージェンにたっぷりと歌わせている。しかし、これはこれなかなかリズム感はコンピューター世界も感ずるスマートさがある。それにイモージェンのセクシーさのある変調ヴォイスが色づける。
 しかし、曲の変調の楽しさは、彼女のアルバム「iMEGAPHONE」に軍配が挙がる。それでもこれも貴重なアルバムだと思う。結構ファンがいるようだ。しかしこの frou frou という名前のユニットは、これ以降は見えないところは、多分彼女がこのアルバムは若干凄みにかけるところが気に入らなかったのかも知れない。私もこの2枚のアルバムを比べたら、彼女の描く世界観からいっても断然4年前の「iMEGAPHONE」が一歩先にいると思う。

 とにもかくにも、彼女の世界はそう聴かれるモノでない。これからの新譜が又どう進化するか楽しみな今日この頃である。

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