ケイティ・メルアの世界(2)
■ Katie Melua ケイティ・メルアの3rdアルバム「pictures」DRAMATICO 2007
先日、1st、2ndアルバムに触れたが、彼女のブルースやジャズ色のロック&ポップスといったスタイルは、その歌声とともに精神安定剤的効果を発揮するところは、このアルバムも同じだ。内容的にはタイトルどおり映画というものを意識したもの。オープニングの曲は、ライブでも結構力を入れている”mary pickford”。これはチャーリー・チャップリンと共にサイレント時代の女優であるピックフォードを取り上げている。
2曲目に入って”it's all in my head”は、やや大人っぽくなったケイティが見えかくれする。4曲目”what i miss about you”は語りかけるように、そして”dirty dice”はリズムに乗っての歌ではあるが、同様に大人の世界も臭わせる。
いずれにしても彼女独特のあどけなさの残る声は魅力的であり、その唱い方の聴きやすさが出色である。
そして彼女のこれぞケイティというパターンは10曲目”if you were sailbot”で頂点を迎える。12曲目”in my secret life”では、なんとなく色気のある歌い方もみせるところが面白い。13曲目”when you taught me how to dance”は映画「ミス・ポター」の主題歌で、映画のエンディングに登場する曲。この映画DVDで持っていたので、改めて観てみた。意外にスッキリとこの曲は歌い上げる。締めくくりはあのヒット曲”the closest thing to crazy”のアコースティック・バージョンが登場する。
こんな感じのアルバムであるが、この3rdアルバムに至って、ロック調であれフォーク調であれ既にケイティ節は出来上がっていることが解る。このあたりは、ちょっと恐ろしいくらいだ。
■ CD+DVD(ライブ)盤で登場の4thアルバム「The Collection」DRAMATICO 2008
これは、過去のアルバムからの曲のコンピレーション盤といってよい。内容は過去のアルバムからの曲群14曲とニュー・トラックとして3曲が追加されている。
いきなり”The Closest Thing To Crazy”が登場して、一気にケイティの世界に引っ張り込む。飽きずにあっという間に17曲が聴かされる。とにもかくにも買って損のないアルバム。
そして、DVDはケイティの2008年tourでのRotterdamのLIVE90分が見れる。彼女の歌声、アクションはもちろんギター、ピアノ・プレイが堪能できるし、バック・バンドもギター、ベース、ドラムス、ピアノ、パーカッションを主体にヴァイオリンその他も登場しての充実ぶり。会場の観衆は、彼女の年齢からしては立派な大人が多い。支持者はかなり年齢層の幅が広そうだ。
このCD+DVD盤は結論的には、楽しめると同時になんとなくやはり精神安定剤的に気持ちも救われるアルバムである。
これは一応の集大成盤であり、これを聴くといよいよ次のアルバムからは、どうした新展開があるのか?と、ついつい期待してしまうのである。
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