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2009年8月17日 (月)

ネオ・プログレッシブ・メタルの雄:フェイツ・ウォーニング(1)

地道な歴史を踏むことになったプログレッシブ・ヘビー・メタル・バンド

 

 プログレッシブ・メタルと言われるドリーム・シアターがニュー・アルバムを発表した事で、日本ではファンも多い彼らを先日取り上げた訳ですが、と・・・・なると、やはりフェイツ・ウォーニング FATES WARNING を改めて考察しておかなければ・・・と思うのである。今こうして彼らとの接点は何だったのか?、と思い起こしているのであるが・・・どうしたことか思い出さない。オリジナル・メンバーは5人のツイン・ギター、ドラムス、ベース、ヴォーカルとオーソドックスな構成だ。
Awakentheg  とにかく、私がこのフェイツ・ウォーニングは、あのマリリオンと共に愛してきたことは事実である。その入り口は、左のアルバムだった。

 

「Awaken The Guardian」 Metal Blade Records 1986

 彼らは米国コネティカット州出身のヘヴィメタル・バンドと言っていいのだが、既に変調子を駆使して異様なバンドとして知ることになった。考えてみるともう20年以上前の話で、当時あまり情報もなく外盤で接していた。

 

Noexit_2  そして私をして虜にしたのは、4thアルバムだ。

「NOEXIT」 Metal blade records 1988

 
これも外盤で手に入れ、特に”In A Word”という曲がメタルでありながらも、旋律とリズムの綾に聞き惚れた。そして”The Ivory Gate Of Dreams”の8パート分かれた22分にも及ぶ大曲に、プログレッシブなアプローチを感じさせられたのだ。このアルバムからヴォーカルは現在のレイ・アルダーに変わるが、最近のライブから比較してもかなり当時は立派な高音の持ち主だ。
 ここで、何故彼らを取り上げるのか?と言うと、今やプログレッシブ・メタルという分野もある意味では確立している。そしてその代名詞的バンドがクィーンズライク(当初は日本ではクィーンズライチと言った)であり、ドリーム・シアターであるが、その両者に多大な影響を与えたと言われるのが、このフェイツ・ウォーニングなのだ。

 ここで、彼らのディスコグラフィーをみてみると

  ① Night On Bro"cken   1984
   ② The Spectre Within    1985
   ③ Awaken the Guardian 1986
   ④ No Exit                    1988
   ⑤ Perfect Symmetry    1989
   ⑥ Parallels                  1991
   ⑦ Inside Out                1994
   ⑧ Chasing Time (compilation) 1995
   ⑨ A Pleasant Shade of Gray  1997
   ⑩ Still Life (live)          1998
   ⑪ Disconnected          1998
   ⑫ FWX                     2000
   ・・・・・・と、なる。(近年ライブもののDVDアルバム「LIVE IN ATHENS」を出している)

 

Perfectsymmetry  そして彼らのアルバムを期待して迎えるようになったのが、この5thアルバム。

「Perfect Symmetry」Metal blade Records 1989   Pccy-00007

 彼らのアルバムをネオ・プログレッシヴ・メタル・バンドとして、その進化に期待しつつ待って迎えたこの5thアルバム。そしてポニー・キャニオンから日本盤もリリースされた。
 (メンバー)
   Ray Alder : lead Vocals
   Jim Matheos : Guitars
   Frank Aresti : Guitars
   Joe DiBiase : Bass
   Mark Zonder : Drums
            
 曲では”at fates hands”とか”Chasing TIME”(弦楽器なども入る)などが印象に残る。そして私にとっての極めつけは最後の8曲目の”nothing left to say”だ。これぞ彼らの典型的美しいギター・サウンドと激しいリズム隊の交錯。Alderのヴォーカルも説得力がる。見事であった。
 このアルバムにて、彼らのバンドとしては第2期を極めたと言っていい。
 彼らのプログレッシブ・アプローチは、その哲学的なところが魅力的で、内容は奥深い。又、このスリーブ・デザインもそんな意味からも引きつける優れものだ。しかし全体の印象としてどうしても暗い印象が出てくるバンドで、それがこの時代、日本ではヒットに結びつかないで来たのかも知れない。
 
 このバンドは実はメンバーの入れ替わりも多い。脚光を浴びたというものでない苦難の歴史の中ではやむを得ないところか。いずれにしてもバンド結成以来のメンバーは実は現在では、ギタリストのジム・マテオスのみであるのだ。

 

 このアルバム以降も、ご当地では一目も二目もあるバンドとして評価されているが、それにも関わらず日本では脚光はあまり浴びずに今日に来ている。しかし私に言わせるとなかなかの名盤が更にリリースされている。それは次回に検証する。

(試聴)

 

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コメント

エヴァ・キャシディへのコメントありがとうございました。本当にライヴ盤は素晴らしい内容でした。ところでドリーム・シアターなども聞かれるということで、守備範囲の広さに驚かされました。

投稿: プロフェッサー・ケイ | 2009年8月18日 (火) 22時15分

この手の音の源流は、ラッシュだったような気がします。

投稿: nr | 2009年8月21日 (金) 07時39分

■プロフェッサー・ケイさん
  いつもブログ拝見しています。連日多くをこなされていて脱帽です。
 うっはっは、私の守備範囲は、広いって言えば広いですが・・・それだけいろいろと興味があってお恥ずかしいです。昔は”奥村チヨからショスタコーヴィッチまで”と言っていたものです。(笑い)

■nrさん
  まさにラッシュがスタートなのかも・・・・私は当初、フェイツ・ウォーニングはカナダかと思っていたことがあった。ところで最近ラッシュというと懐かしさが先にたってしまう。私は「permanent waves」が好きだったりして・・。そして2112年にはどうなってしまうのかしら。
 本題にもどりますが、どうも私にはフェイツ・ウォーニングの印象はラッシュと異なるんですね。やっぱりフェイツ・ウォーニングのほうが、暗いのかも・・。ライブ映像みるとそうでないんですが・・・アルバムの印象ではそうなんです。

投稿: 風呂井戸 | 2009年8月21日 (金) 18時09分

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