JAZZYなメロディ・ガルドーの世界(2)
深遠で哀しくそして優しく・・・・
2005年のEP「SOME LESSONS: The Bedroom Sessions」でデビュー、続いて2006年にインディーズから本格的アルバム「WORRISOME HEART」をリリースして、ユニバーサルとの契約が出来、そしてメジャーデビューという彼女は、シンガー・ソング・ライターである。(1985年生まれ)
現在2枚のアルバムをリリースしているが、先日紹介したように”JAZZY NOT JAZZ”(多分、日本で造られた言葉)と表す世界は、本人もお気に入りのようだ。
彼女の曲はあくまでも本人も言っているように、自己の思いの記録であり、そして独創性のあるどちらかというとシンプルな曲と包み込むような歌声が特徴だ。女性ヴォーカルは声の質に魅力があるかないかも大きな因子と思うが、そんな意味では、可愛さのケイティ・メルアと大人のノラ・ジョーンズの中間にいて、その中間においてピアなヴォイスでシャズ・センスで情熱的なエヴァ・キャシディとそれに対してメロディ・ガルドーは双璧を成すと言っていいかもしれない。メロディの唄は低音部はゆったりとした暖かく包み込むようにややハスキーで幅広く、中間から高音になってゆくにつれて、可愛さのニュアンスの残る発音に変わる。更に繊細な弱音部が極めて丁寧に唄われ、このあたりが魅力と言っていい。そしてその醸し出す雰囲気は、この写真(これはモノクロ写真を愛する私のお気に入りだ=クリックして拡大して見て欲しい) のような世界が似合うのである。見方、聴き方によっては、ノラ・ジョーンズよりもジャズ寄りで大人の世界に居ると言えるかも知れない。
彼女の1stアルバム
「WORRISOME HEART (夜と朝の間で)」 Universal Classics & Jazz UCCU-1182 2008
2006年のインディーズ盤に注目したユニバーサルが、2008年にリリースしたもの。まずこの日本盤の和題が見事である。まさにこのアルバムの印象を一言で表現したと言っていい。
worrisome heart
all that i need is love
gone
sweet memory
some lessons
quiet fire
one day
love me like a River does
goodnite
twilight
スタートは、このアルバム・タイトルとなった曲”worrisome Heart”(めんどうな心)だ。これががいいですね。和訳として”夜と朝の間(はざま)で”となっているわけだが、まずピアノの調べそしてトランペットがバックで静かに流れ、まさにムードは深夜以降の世界。この曲一発でまず虜になってしまうところだ。同様の曲は8曲目に”love me like a river does”として登場する。この2曲は私が見るところ、一連と思われる歌詞がついていて、彼女の心を歌い上げている。特に”love me Like ・・・・”の方は、静かにそしてピアノとトランペットが支えてのメロディの語り祈るようなヴォーカルが心に浸みる。
このアルバム全曲が、彼女の作品であり、特に彼女自身が言っているように、これは自分自身の日記のようなものと言うのは事実であろう。
その他、”gone”、”goodnight”などでは彼女自身の二重録音による美しいハーモニーが聴ける。そして”some lessons”はアコースティックなギターを弾きながらの静かなじっくり聴かせる歌であるが、内容的には彼女の最大の試練の交通事故の模様と思われる歌詞がみえる。いずれにせよ、ジャズィーでブルージーな曲が私には印象的であるが、ポピュラーなニュアンスも決して失っていない。いずれにしてもジャズの世界に一つの分野が作られつつある感があると同時に、2ndも私は既に聴いている今、更に先日のMARUCUBEにての姿と彼女と握手をした感触をダビングさせて、今後大いに期待しているところである。
2ndアルバム「My One And Only Thrill」は、更に内容が高まっている。これについては、更に次回に譲ることとする。
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