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2009年9月30日 (水)

フェイツ・ウォーニングのプログレッシブ・メタルの道(4)

ヘヴィ・サウンドは決して失わないプログレ・メタル・バンド

 あの「PERFECT SYMMETRY」(1989)以来、このバンドは Jim Matheos (G)を中心に、Ray Alder (Vo), Mark Zonder (Drum) の3人体制で進化してきた。そして9thアルバム「A PLEASANT SHADE OF GRAY」では、彼らのプログレッシブなアプローチを完成させたと言える。そして3年の経過で、10thアルバムの登場となる。

Disconnected 「DISCONNECTED」 MetalBlade Records VICP-61156  2000

このアルバムも前作の好評の中の一連とみれる。バンド・メンバーも変わらず、今作もキー・ボードに「PERFECT SYMMETRY」で協力のあったドリーム・シアターのケヴィン・ムーアが前作に続いてゲスト参加している(既に彼はドリーム・シアターからは脱退している)。

   Disconnected Part 1
    One
    So
    Pieces of Me
    Something From Nothing
    Still Remains
    Disconnected Part 2
 
  とにかく、オープニングから不安感を誘うギターの唸り音で、一瞬にして引き込きこまれる。”One”は後にも良く演奏されるヒット曲で、ヘヴィの中に説得力あるメロディーを挿入して先への展望を感じさせる曲として聴かせる。しかしそれに続く曲”So”は、それに引き替えかなりマイナス気分を訴えて、なかなか難解な展開だ。
 一方”Something Frome Nothing”などのスペーシィーな曲作りは現代版ピンク・フロイドといってもいいが、後半はメタル・バンドの面目躍如。”Still Remains” は、ケビンのキーボードが生きているし、ベースのリズムを刻む手法が面白い。しかしこの曲は全体的には、前作よりは一歩ヘヴィな因子を増幅させた構成で、ジム・マセオスのギターも納得の演奏で16分の大作。最終章はスタートのギターの唸りにキーボードが支えての曲を再展開させ、ロジャー・ウォーターズの「死滅遊戯」のごとく語りを入れて閉じる。このあたりはかってのプログレ・バンドにも通ずる幕締めだ。まさに私の好むタイプであるが、見方によってはH/Mバンドとしては少々物足りなかったかも知れない。


Fwx2 さて、4年の間をおいての近作はこの「FWX」 MetalBlade Records 3984-145000-2   2004

久々のフェイツ・ウォーニングという感じだった。左に見るごとくのスリープ・デザインも如何にも自然現象への哲学的アプローチを感ぜさせるもの(クリックにて拡大)。このアルパムでは、前作ではゲスト参加であったベースのJoey Vera  は正式メンバーとなり4人バンドとなる。今回はあのキーボードのケヴィン・ムーアはいない。ただし一部の曲にジム・マセオスがキーボードを入れるが、全体的にはキー・ボード・サウンドは後退している。
 コオロギの鳴く音にアコースティック・ギターが語りそしてヘヴィ・サウンドの幕開けという手法をとる。どう見てもこのアルバムは”既にやりたいことは前作および前々作でやった。今回は我々のスリリングなヘヴィ・メタル・サウンドを聴いてくれ”と言わんばかしの曲構成。変拍子も惜しげ無く披露して、重く、あの暗さも持ちつつ、その中にも疾走するパワー全開の展開に圧倒される。しかし締めくくり曲の”Wish”は哀愁と美しさを聴かせてくれる。これぞ、現代プログレ・メタルと言いたげだ。

Athensdvd  こうした彼らの流れの中で、「FWX」発表後のライブ映像が、この「LIVE IN ATHENS」 INSIDEOUT 2005 (参照:私のこのブログにて2006.12.31に取り上げている)

 2005年2月20日ギリシャはAthensに於けるライブ映像。ここではジム・マセオスにフランク・アレスティを加えてのツイン・ギターで、圧倒的なヘヴィ・メタル・サウンドを展開。SET LISTを見ると、この「FWX」からの曲もあるが、やはり「A Pleasant Shade Of Gray」、「Disconnected」の2アルバムからの曲も多い。

    one
    a pleasant shade of gray partIII
    Lift in still water
    simple human
    heal me
    pieces of me
    face the fear
    quietus
    another perfect day
    a pleasant shade of gray part XI
    the eleventh hour
    point of view
    monument
    still remains
    nothing left to say

 彼らも、実験的曲作りによるプログレッシブなアプローチ、それはロックの過去の遺産への回帰とともにHM/HRのスタイルに新しい方向性を探究し、ややダークな中に哲学的思想を感じさせるバンドとして成長してきた。彼らの20年の経過は、けっして恵まれたバンドとは言えない。特に日本に於ける評価はヨーロッパに比べるとかなり低いと言わざるを得ない。多分、現在も多くの難題にぶつかってはいると想像する。しかし、内容の濃い貴重なバンドであることはまちがいなく、これからの道に光りが指すことを期待している。

 
 

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