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2009年12月26日 (土)

サラ・マクラクランの評価はどこに求められるか?(3)

魅力のライブ、そしてセッション・ナンバー

Freedomse_2 1997年グラミー賞(最優秀女性ポップ・ヴォーカルパフォーマンス、最優秀ポップ・インストゥルメンタル両部門)に輝いたサラ・マクラクランであるが、それより2年前(1995)にリリースされた「The Freedom Sessions」 ARISTA 07822-18784-2 (左) が実は私のお気に入りなのである。
 特に彼女のヴォーカルの特徴や曲の展開、抑揚、そして彼女自身のギター、ピアノの流れは実に手に取るように迫ってくる。登場する曲は、もともと1993年の3rdアルバム「Fumbling Towards Ecstasy」の曲が中心で、1曲のみカヴァー曲という構成だ。
 しかし、ここに収められたものは、デモ・トラックといったものなのか、ライブ・セッションなどのものか?定かではないが、彼女のミュージック世界をダイレクトに知れる貴重盤。
    1.CD-ROM multimedia presentation
    2.Elsewhere
    3.Plenty
    4.Mary
    5.Good Enough
    6.Hold On
    7.Ice Cream
    8.Ice
    9.Ol'55
 スタートの2.”Elsewhere”は、ジャズっぽい若干暗い世界であるが、もうこのアルバムに引っ張り込むに十分な曲だ。セッションものの魅力はやはりアーティストが浮き彫りになるところだ。4.”Mary”、5.”Good Enough”はサラ・マクラクマン節そのもの。6.”Hold On”はピアノの流れにサラのヴォーカルが実に美しい。
 特筆はベースとドラムスの音からスタートし、彼女のエレクトリック・ギターとヴォーカルの交錯する8.”Ice”が素晴らしい。この世界は私好み。そしてラスト曲のカヴァー曲である”Ol'55”は、前半は比較的ありきたりであるが、結構話題になった曲である。後半は一変して(これはこの盤には記してなかったが、”Hold On”に変わる)語るように歌い上げ、アコースティック・ギターとの絡みも見事で、出来はレベルが高い。

Ecstasy 一方、サラにとって重要なアルバムは、この「Freedom Sessions」に先駆けてリリースされた1993年の3rdアルバム「エクスタシー Fumbling Towords Ecstasy」だと思う。
 そして、この2008年には両アルバムをカップリングして、しかもライブ映像DVD付3枚組で、レガシー・エディションとして左の「Fumbling Towords Ecstasy LEGACY EDITION」 ARISTA BVCZ 35109-11 がリリースされた。
 ここには、彼女の爆発的ヒットの「Surfacing」の原点が見いだせるから、見逃して欲しくない。そして彼女自身もセッション・ナンバーを重要視している結果がこのレガシー・エディションのリリースに繋がったのだと思う。
 サラ・マクラクランの魅力はライブやセッションに、アルバムの魅力とは別に又一つのポイントがあるように思う。

 ところで、彼女のナンバー1ヒットの”Angel”も、アルバムやライブもので多く観たり聴いたり出来るが、時によって変化している。そんな中で私が最も最高の出来だと思っているものがある。
Withsantana 左のシーンがそれだ。これはサンタナ起死回生の2000年「SUPER NATURAL LIVE」に招かれて、彼女はピアノを弾きながら唄う訳だが、それにぶっつけ本番で、サンタナがアコースティック・ギターで伴奏を付けたものだ。サンタナの嬉しそうな顔も忘れられないが、この曲のこの時の出来は出色でDVDライブ映像に収められている。
 こうしてみて解るように、彼女はライブにおいても非常に魅力を発揮する。これはシンガー・ソングライターであることの結果でもあろうか、その時の場面によって曲を変化させ、又新しい世界を作り上げていくという能力が成せる技であろう。

Mirrorballdvd
そんな意味で、彼女のライブを映像で楽しませてくれるのは、DVD「Mirrorball」 ARISTA 07822-15740-9 , 1999 (左) がある。
 内容は彼女の1998年のライブで、まさにヒット・パレード(主としてアルバム「Surfacing」「Fumbling Towords Ecstasy」からの選曲)だが、アルバムと異なったバージョンもあり非常に興味深い。
 例によって、ステージに裸足で立つサラ・マクラクラン。ギターそしてピアノを操り、オーディエンスを魅了する。このあたりは曲の歌詞のやや暗い内容とは裏腹に、彼女の多彩な歌唱力となかなか味のあるバック・バンド、バック・ヴォーカルが会場の雰囲気と合体して、なにか快感のある美しい世界に導いてくれる。

 今、こうして目の前に彼女の過去の作品群を並べて聴いてみると、彼女の慈善事業などの社会的な活動が異次元の世界のように感じられてしまう。
 しかし、それがサラ・マクラクランと言っていいように思う。これからも多分私はのめり込んでしまうようなことにはならないと思うが、彼女の活動には興味を持ってみて行きたいと思うのである。
  

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