« キング・クリムゾン回顧でLDの復活 | トップページ | LDの復活(3)ピンク・フロイドの分解と新生 »

2010年1月 7日 (木)

LDの復活(2):ピンク・フロイド他サイケデリック・ロック

1960年代のサイケデリック・ロックの世界

 レーザー・ディスク・プレイヤーを復活させて(この”PIONEER CLD-99S” は、今でもそれなりの良好な音質でCDも聴けると言うところが泣けます)、過去にためこんできたLD盤をあさっていると、DVDに慣れてしまった今となると、この光った大きな実質のある盤に存在感を感ずる。そして既に忘れていた面白いモノも出てきて結構懐かしがりながら、この新年は遊んでいます。

Psychomania_2 「Psychomania THE BEST OF PSYCHEDELIC ROCK サイケデリック・ロックの奇跡」 videoarts japan 1991 (元はUK盤)
 ここに登場する1960年代のロック・ムーブメントであったサイケデリック・ロックとして登場する映像は、17のグループもしくはアーティストと多彩である。 ここでサイケデリック・ロックについて語っているので、それを紹介しよう。
・・・・・ある種の精神状態であり、R&B、ソウル、メタル、フォーク、そして勿論ロックといった様々なスタイルから成る一つのスタイルである。あらゆるタイプのサイケデリック・ミュージックには、ルールは破られるためにあるという哲学があり、それは商業的成功よりは重要なこととされる。・・・・・
 と、表現されている。このサイケデリック・ロックは、かってはアシッド・ロックとも言われ、LSDとの関係も意識されていたもので、あの60年代の世相ともマッチングしたものと理解される。それはさておき、ここに登場するバンドをちょっと紹介しよう。

Pink_floyd_2 ピンク・フロイド=彼らは、シド・バレットが在籍した当初は、やはりサイケデリックといって良いだろう。ここに収録されているものは、シド脱退後のギルモアが加入しての”太陽賛歌”、”神秘”である。後に1970年の「原子心母」からプログレッシブ・ロックと言う世界を開拓したした彼らであるが、この両曲を盛んにライブで演奏していた世界観は、やはりサイケデリックを基礎としてのイメージも強い。しかしウォーターズのドラマチックな曲展開とライトのキーボードによる浮遊感は後のプログレへの発展的形態をとっている(この収録は多分1968年と思われる)。

Jeffersonairplane ジェファーソン・エアプレイン=米国がベトナム戦争を開始した1965年にサンフランシスコで誕生した彼ら。メンバー交代もあるが、’67年のヒットの”ホワイト・ラビット”がここに収録されている。彼らは特に東洋志向があって、広島の原爆(アルバム「クラウン・オブ・クリエイション」(1968))を問題視して取り上げたりもしている。その外、泥沼化したヴェトナム戦争、黒人暴動など社会問題に積極的に関わった活動をしたところが、60年代のムーブメントとしての象徴のようなバンドであった。

Soft_machine ソフト・マシーン=カンタベリー出身の仲間で結成したグループ。フリー・ジャズに影響を受けたと思われる彼らの現実離れした音楽は、’67年頃ロンドンではかなりの評判を勝ち取った。その後はメンバーが変わっているが、この結成当時の彼らはやはりサイケデリックと言っていいだろう。ここには”We Know What You Mean”が収録されている。

Newsfrank_zappa フランク・ザッパ&ザ・マザーズ・オブ・インベンション=60年代中期に出現した、とにもかくにもサイケデリックというか奇妙なバンド。ロックが歩む自由で、そして訴えていく活動の典型のようなこのバンドには全世界が圧倒された。”The Sun of Suzy Creamcheese”の演奏が見られる。

 このLDには、その他ジミー・ヘンドリックス、スティーブ・ミラー・バンド、バーズ、ファミリー、イッツ・ア・ビューティフル・デイ などなど、ロック創世記の姿が映像を通して見られる。
 ビートルズやローリング・ストーンズもこうしたロックの流れには何かしの影響を受けながら(と言うか共存していたところもあり)ポップなロック・バンドとして世界制覇をするわけだが、このサイケデリックな感覚はロックの重要な原点でもあったと言える。

 今、LDは過去のメディア(媒体)となってしまったが、多分まだその遺産は多く存在していると思われる。このプレイヤー自身の寿命もないわけではないため、他の媒体に移しておかざる得ない緊迫感を実はここに来て実感として持っていると言った状態なのだ。

|

« キング・クリムゾン回顧でLDの復活 | トップページ | LDの復活(3)ピンク・フロイドの分解と新生 »

音楽」カテゴリの記事

ROCK」カテゴリの記事

ピンク・フロイド」カテゴリの記事

Audio」カテゴリの記事

コメント

新年からうらやましい限りです。昔LDには興味があったものの、ソフトが結構高かった(自分にとっては)思い出があり、とうとう手が出ませんでした。
 しかし私の周りのロック好きは、やはり揃えています。画像が劣化しないという点がVHSとは大きな違いですね。

投稿: プロフェッサー・ケイ | 2010年1月21日 (木) 22時01分

 プロフェッサー・ケイさん、コメント有り難うございます。確かにLDは当時結構値段は高かったですね。この「Psychomania」も今見てみましたら、¥5,900になっています。考えてみるとよく買ったなぁ~~とも思います。今はDVDの時代になって、全体的にこうした映像物もその当時のLDに比べると安いですよね。ブートにも手を出すことがありますが、どうゆう訳かCDより映像DVDのほうが安かっりしますが・・・どんな関係なんでしょうかねぇ~~??

投稿: 風呂井戸(*floyd) | 2010年1月22日 (金) 17時13分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: LDの復活(2):ピンク・フロイド他サイケデリック・ロック:

« キング・クリムゾン回顧でLDの復活 | トップページ | LDの復活(3)ピンク・フロイドの分解と新生 »