キング・クリムゾン回顧でLDの復活
レーザー・ディスク(LD)の財産を生かす
キング・クリムゾンの40周年企画で、DVDにて懐かしの彼らの演奏映像を見せてくれるものですから、なにやら刺激が続いています。
私自身にとっては、フリップ、ブラフォードは勿論ですが、クロスのヴァイオリン、そしてミューアのパーカッションのあった時のクリムゾンはやはり最高です。そしてミューアの健在なりし頃の映像が懐かしいわけですが、それは今となってみると過去のもの、いわゆるLD(レーザー・ディスク)ものとして所持しているわけです。そこでその映像を復活すべく試みました。
取り敢えずは、眠っていた”PIONEER Laservision/CD/CDV Player CLD-99S” を呼び起こす作業から始まった。これは20年以上も前のパイオニア得意のLD・CDコンパチブルプレイヤーで、当時定価158,000という代物。こうしたモーターのある機械ものは寝せておくと大抵言うことをきかなくなるのが一般的なので不安であったが、特別なことなく無事復活できた。
そこで、登場は左の西ドイツのRADIO BREMEN で1965-1972年に放映されたテレビ番組”ビート・クラブ”の映像を記録したレーザー・ディスク盤「FRONTIERS OF PROGRESSIVE ROCK プログレの先駆者達」 SM048-3227 である。こうゆうものはきちんと保管してあるので、非常に綺麗で再生に問題はない。
(内容)
1.E,L&P : Knife Edge
2.King Crimson : Larks Tongues in Aspic
3.The Nice : Hang on to a Dream
4.Soft Machine : Composition based on 3 Tunes
5.Yes : Yours is no Disgrace
6.Kraftwerk : Truckstop Gondolero
7.HIGHLIGHTS
・・・・・・・と言う、豪華きわまりない内容である。
この2.のクリムゾンには、あの ミューアJamie Muir のパーカッション、ドラムスそして笛など、このバンドに動と静を引き出すポイントとして活躍している姿が見事に記録されている。 彼は半年ほどでクリムゾンを去ったわけであるが、この間に残した”太陽と戦慄”は、まさにその後のクリムゾンを形成する大きな因子であったことは間違いない。Larks'Tongues (ヒバリの舌)のような繊細さのパーカッションは、彼の真髄であったと思う。
ここにみるもう一つのポイントは、クロス David Cross のヴァイオリンであろう。この音こそ危機感、スリルというものを描き出すポイントであったと言える。
こうして懐かしい映像は今となっては再び見ることのないクリムゾン・メンバーの若き時代の挑戦を描き残してくれているのである。(ここに収録されている映像は、1972年アルバム収録前のものと推測される)
その他、このLDにて見ることの出来るE,L&P、YES、SOFT MACINE、THE NICE など、どれも貴重映像である。そしてさすがドイツもの、KRAFTWERKも登場させている。
プログレッシブ・ロックが台頭して、ロックという世界にジャズやクラシックの手法を取り入れたり、インプロブィゼーションのライブにおける展開の味付けや、その他各種の音楽性の意味づけを網羅してのロックを作り上げた時代でもある。この流れはいずれは後のロックの原点回帰の流れのパンク・ニューウェーブに潰されていくわけであるが、彼らの活動は今でも多くの支持を受けているわけだ。
この新年はLDプレイヤーを復活させての回顧から始まった。
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