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2010年2月 9日 (火)

サンタナ SANTANA の衝撃(5) ソロ・アルバムのパフォーマンス

宗教心とブルースからのジャズ心と・・・・・

  LP盤の復活による1960-70年代を回顧する中で、カルロス・サンタナに関してバンド活動(SANTANA)を中心に語ってきたが、どうもなかなか十分に彼の姿を表すことが出来ていない。彼のどん欲とも言える多くの音楽に関わってきた中に、実は彼の姿が浮き彫りにされてくる。それを知る為には10枚以上に及ぶソロ・アルバムが重要だ。

Buddymlive 「Carlos Santana & Buddy Miles Live!」 CBS SONY AP 15AP-636  1972

 カルロス・サンタナの初のソロ。丁度サンタナ(バンド)の1st,2nd,3rd とラテン・ロック・ビート・パワーを世界に示し圧倒的な支持を獲得した直後、ジャズ的ニュアンスを取り入れた傑作4th「キャラバンサライ」に向かっているときに、71年~72年にかけてバデス・マイルズ(ds)とハワイで実現したライブもの。(実際はスタジオにて手直し、取り直ししたといわれているが)
 ソウルやファンクぽいところに、ロックそしてラテン的要素も加わったという感じの世界。バディのヴォーカルも入ってなかなか全体的に聴き応え十分のアルバム。
 私は現在はLP盤のみであり、CD盤もここで仕入れたいと思っているもの。

Photo 「魂の兄弟たち Love Devotion Surrender / Carlos Santana &Mahavishnu John McLaughlin」 Columbia KC32034  1973

 サンタナの5th「ウェルカム」の直前にだされたもの。サンタナ・バンドはこの時はニュー・メンバーになっている。
 ヒンズー教の導師スリ・チンモイに感謝してのマクラフリンとの競演盤。アルバム・ジャケのとおり、彼らはロッカーというよりはまさに信徒の姿(いままでのカルロスとは想像もつかない短髪の清楚な姿、1960年代の自己反省?)。
 ジョン・コルトレーンへの傾倒がそのままというアルバム。オープニングの”至上の愛 a love supreme”で、二人の競演が実現する。右マクラフリン、左カルロスという録音。この曲はこの後のサンタナではよく登場するが、ここでの仕上がりは、宗教観たっぷり。そしてやはりコルトレーンの”naima”もアコースティクで静かに聴かせる。マクラフリンの曲も2曲登場。アルバムとしても私は良盤といいたい。

Photo_2 「ワンネス ONENES silver dreams-golden reality / Devadip」 CBS SONY 25Ap-1337  1979

 カルロス4枚目のソロ。これがなかなか捨てがたいアルバム。とにもかくにもA面の導入はまさにお経。
 A面はなんと1977年大阪公演の新メンバー・サンタナ・バンドのライブ盤。
 B面こそ、このアルバムの中核をなしている。スタート曲の”oneness”が気持ちの統一感をもたらすべくカルロスのギターが訴える。そして次の”life is a passing parade”で彼独特の官能的ギターが響き、”golden dawn”はアコースティック・ギターが心に浸みる。
 A面の”silver dreams golden smiles”などもスローに歌い、ギターがフォローする曲で、印象深い。

 続いて、1980年前回取り上げたVSOPとの競演「Swing of Delight」をリリース。ここでは宗教心からジャズ心への変化がみれる。

Photo_3 そして1983年「ハバナ・ムーン Havana Moon」 Columbia FC-40272  1983

 ここには、カルロスの迷いのないアメリカ音楽へのアプローチが感ぜられる。オールド・ジャズ、ブルース、ラテン・トラディッショナルなど彼の世界観でギターを弾きまくる。面白いことに父親のホセ・サンタナまで一曲に参加、まさにカルロスの育ったメキシコをベースに、彼自身の原点回帰を成し遂げている。美しいアルバム・ジャケが印象的、是非LP盤で見て欲しい。

Photo_4 「サルバドールにブルースを Blues for Salvador」 Columbia FC-40875 → Columbia CK-40875(CD)  1987

 もはや迷いのないカルロスのギターが快調だ。9曲中最後のタイトル曲の”blues for salvador”が最も聴きどころ。ジャズ系の流れは相変わらず、前ソロとの流れの中にある。しかし、美しい中に時には激しい彼のギターは完成の域にいる。彼の描く人生のブルースがここに結実している。これはグラミー賞ベストロックインスト部門に輝いている。

 ビートで売ったラテン・ロックから、宗教感覚に流れ、そしてそこから何かを掴んだ彼がここにブルース・ロックを完成してきたのであった。彼のソロ・アルバムこそ彼の心の姿であり、彼の曲であり演奏であることが解る。
 

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コメント

Buddy Miles Live!
オープニングから2曲目まで、恍惚状態でしたが、ボーカル入の3曲目から、テンション下がりまくりで、最後の長尺インプロビゼーションも、「宇宙への歓喜」の原型が見られるモノのダラダラ長いだけで。買い直したいとは思えないですね。

でも、当時高校入学したばっかりの幼稚な感性でしたからねー。

投稿: nr | 2010年2月 9日 (火) 21時46分

 nrさん、今日の祭日を利用して2日間出かけてましたら、コメント頂いてました。どうも・・・です。 
 このアルバムは、ライブ+スタジオにて手を加えたものと言われてますが、なんと言ってもマイルズとエリコのツイン・ドラムスと、コンガを中心としたパーカッション隊の掛け合い的進行が聴きどころ。B面全てを使った25分の”free from funkafide filth”でも中判の3人のコンガのリズムからドラムスの響きに移行してそして合奏に進んで行くところは私は心躍ったものです。このアルバムは「キャラバンサライ」と対にして聴いていると面白い。確かに最後近くは、例の「キャラバンサライ」の”宇宙への歓喜”のギターと同一の音も聴かれるところもちょっとしたミソですね。
 しかし、このアルバム、観衆の騒ぎは余分でいらない。

投稿: 風呂井戸(*floyd) | 2010年2月11日 (木) 20時53分

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