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2010年5月24日 (月)

映像で迫るダイアナ・クラールDiana Krall (2) 「リオ」、「モントリオール」

やはり映像盤に堪えうる最右翼のジャズ・ピアニスト&ヴォーカリスト

 

Diana_krall3  もともと、Jazz演奏はライヴものがいい。しかも良好な映像とサウンド盤であれば尚更のことだ。その中でも見栄えとしてもダイアナ・クラールはピアニストでありヴォーカリストということと、美貌からもライブ映像は最も適している。

 私が観ている映像物は 3枚で、一枚は先般紹介した大ヒットとロング・セラー記録の「Live In PARIS」 (2001) であるが、最近の「Live In RIO」 (2009) も好評で、更に世界のジャズ界の一大イベントの、スイスはモントリオールジャズ・フェスティバルの映像「Live at The Montre'al Jazz Festival」 (2004) であるが、これらどれをとっても甲乙付けがたい演奏と記録映像であって、人気ものであるだけにVerveの力の入れようが大きいことが伺える。ここでは「パリ」以外の2枚に触れてみたい。

Montjazzfesa_2 「diana krall / LIVE AT THE MONTRE'AL JAZZ FESTIVAL」 DVD , Verve B0003780-09 , 2004

 

Diana Krall : Vocals,Piano
Anthony Wilson : Guitar
Robert Hurst : bass
Peter Erskine : Drums

ミュージシャンは「パリ」と異なり、バックにオーケストラはなく、以上の4名で、ギターのAnthony Wilson のみが同一メンバー。そんなわけで、逆にクラールのピアノがダイレクトに伝わってきて、又メンバー同士のプレイも、ジャズ演奏としての味付けが良好だ。とにかく、「PARIS」「RIO」の2映像モノより、彼女のピアニストとしての演奏がこのライブは充実している。
 選曲は、アルバム「Girl in The Other Room」 (2004) が主であるが、単なるスタンダード・ジャズでなく、クロス・オーバー的なニュアンスもあり実に楽しい。
 彼女は、パリのようなドレッシィでなくジーパン姿で、大観衆の前ではあるが、リラックスして演奏している姿が印象的。輸入盤で安く、リュージョン・フリーDVD (5.1と書いてあるが、5.0盤だと思う)でお勧め盤。


Liveinrioa 「diana krall / LIVE IN RIO」 blu-ray Disc , Verve. eagle vision EVBRD 33333-9  , 2009

 
あの人気のあったパリ・ライヴの再現というか続編というか、あのメンバーでのボサ・ノヴァの本場リオ・デ・シャネイロでのライヴ映像盤。
 画像はブルー・レイで、サウンドはDTS-HDという最新充実盤で目下評判が高い。
 最新アルバム「クワイエット・ナイツ」(2009) からの曲が主であるが、その他過去の代表曲を演奏する。

DIANA KRALL BAND
  Diana Krall : Vocals , Piano
  John Clayton :  Bass
  Jeff Hamilton : Drums
  Anthony Wilson : Guitar
  Paulinho DaCosta : Percussion
Liveinriob 演奏曲リストは左を参照して欲しい(クリック拡大)。
 いつも思うのだが、クラールのピアノの配置は、一般のジャズ・バンドと異なっている。やや向かって右寄りに位置し、その背後に取り囲むようにベースとドラムス、そして彼女の背の方向になる左にギターとパーカッションという形だ。
 会場はかなり広い。それぞれの観客にはテーブルがあり、ローソクの光りと飲み物が配置され、この会場にいるものは、これは気分は最高であろう。

 とにかく、ぐっと落ち着いたムードのライヴで、非常にエレガントという表現に値するもので、これはとにもかくにも私好み。そして彼女の低音からの響き渡るヴォーカルは安定感たっぷり。いつも思うのだが、あまり技巧がないのが、むしろ取り柄であると言いたい。
 これは「パリ」ライヴから年数を重ね、ますます充実したバンドになってお目見えした。そこにブルー・レイによる緻密映像とサウンドで、「パリ」を超えた映像モノと断言できる。クレイトンのベースも安定しているし、ハミルトンのドラムスも支えるがごときブラシ・テクニックを多用して気分が良い。ウィルソンのギターも健在だ。

 ボサノヴァ調の曲仕上げもいい。一方”いつもさよならを”のような曲のように、オーケストラをバックにした静かな音一つ一つを大事にした演奏曲にも引きつけられる。
 メイン曲”Quiet Nights”には、会場からの合唱が入ったり、”Boy From Ipanema”は完全に会場の合唱と一体となった演奏。 その他”cheek To Cheek” のアップ・テンポの演奏もバンド・メンバーの息の合ったところを見せる。彼女の転がすがごときタッチのピアノ演奏も美しい。

 このダイアナ・クラールは、とにもかくにも映像モノが良い代表格であろう。そんな世界をここに紹介した。
 

 

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