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2010年5月27日 (木)

イーデン・アトウッド Eden Atwood (2) まさにジャズ・ヴォーカルの一級品

声帯手術後の復活、更にジャズ・ヴォーカルの完成へ

Eden2b   先般取り上げたイーデン・アトウッド Eden Atwood であるが、私の大推薦の2004年のアルバム「This Is Alway-The Ballad Session」以来、沈黙を保っていた。ところが5年の経過があっての昨年(2009年)になって、日本盤でニューアルバムがリリースされた。そして同時に、日本に於いては11月から12月の間、各地でのライヴ・ツアーが行われた。
 いずれにしても、前回紹介したように、多くの不幸を背にした女性ヴォーカリストの復活で、特に日本での話題は大きかったと言える。又、ヴォーカリストの生命でもある声帯の手術を2007年に受けたと言うことで、その後のヴォイスの変化などにも注目を集めたわけだ。

Turnmeloose 「EDEN ATWOOD / TURN ME LOOSE ターン・ミー・ルース」 XQAM-1512 , 2009

 かっての1993年 CONCORD よりのデビー時は(しかし私が初めてアトウッドを知ったのは2000年以降)、キュートというか可憐と言っていいのかそんな印象すらあったと言われる彼女である。今回のアルバムはそんな時より十数年経ているわけで、中堅どころと言うかベテランになっての現在、まさにキュートといった感覚は全くなく、むしろダイナミックで変化の多いジャズ・ヴォーカルの完成品とすら思わせるものに仕上げてきた。
 手術後の問題の声の質の変化だが、もともと音質はややハスキーな部分があって、変わった部類の方であったが、今回のアルバムではいっそうそのハスキーさは顕著になったと言っていいし、又線が太くなったという感があり、高音部の繊細な美しさという点では後退している。又、録音では前作よりは彼女の声が前面に出てきて、若干ホール感程度のエコーが効かされている。この点は過去のモノとは変化していると思う。

Turnlist  曲目は、左(クリック拡大にて参照)のとおりで、古いスタンダードから比較的最近のもの、そして自作の”true north”まで多彩だ。しかしその節回しは見事で堪能できるが、細やかな繊細な世界というのとは異なる。
 比較的新しいところの”Pure Imagination” では、かっての彼女の世界をふと思い出させるし、このアルバムでは私の好むところ。
 更に”I'll Close My Eyes”では、スタートは無伴奏で、そしてそのあと静かなピアノをバックに唄い挙げて、彼女の実力をみせつける。
 もともと、私の好みが彼女のアルバムでは「This Is Always - The Ballad Session」というところからもお解りと思うが、どちらかというとスロー・バラードでじっくりと唄い、そしてトランペットがバックで静かに奏でる夜のムードたっぷり型がいい。そんな意味では、このアルバムはクラブにおける聴衆と一緒にジャズを楽しむタイプで、会心作であることには間違いないと思うが、私にとっては若干前作の後ろに置かれることになる。

 新人女性ジャズ・ヴォーカルが多く登場している昨今の中で、こうしたベテラン・クラスの健闘もそれなりの味があっていい。我々にとってはこの分野が多彩であることは楽しみが増えることで歓迎である。

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