日本デビューした期待のヘイリー・ロレンHalie Loren
それなりに個性ある女性ヴォーカリストのヒット・パレード的アルバム登場
JAZZYな女性ヴォーカリストが又日本盤でお目見えした。アラスカ生まれのヘイリー・ロレン Halie Loren だ。2009年”Just Plain Folks Music Awards 2009”にてベスト・ヴォーカル・ジャズ・アルバムに選ばれて、日本でも3枚のアルバムが輸入盤で売られていた。その3rdアルバム(2008年)の日本盤がVictorからつい最近発売されたのだ。
そもそもは、自己のオリジナル曲のアルバムをインディ・レーベルから「Full Circle」というタイトルで21歳で2006年にデビューしている。オレゴン大学進学し音楽を学んで、米国地方都市に住んでいるという現在24歳という若さであるが、なかなか聴かせるヴォーカルで、今後の美貌のシンガー・ソングライターとして期待の星といったところか。
「Halie Loren / They Oughta White a Song... 青い影」 Victor VICJ61618 , 2009
2008年の3rdアルバム13曲に、今年リリースされたライブ・アルバム「Stages」から4曲がボーナス・トラックとして加えられ17曲収められたアルバムだ。
(MUSICIANS)
Halie Loren : Vocals
Matt Treder : Piano
Mark Schneider : Bass
Brian West : drums
Tim McLaughlan : Trumpet
全17曲の中には、彼女自身のオリジナル曲5曲あるが、その他はまさにヒット・パレードといっていい有名曲。”枯葉”、”サマー・タイム”など、過去の有名ヴォーカルにとらわれず、自分の曲としてしっとりと歌い上げているところは見事である。”God Bless The Child”は、ブルース調を唄い込み、トランペットの音も聴きどころ。このようにジャズ・スタンダード曲もあるが、ロックからもあの英国プログレと言われたプロコル・ハルムの”青い影”とか、U2の”終わりなき旅”などが歌われる他、ジャズ畑でよく歌われる”Fever” なども登場する。
ロレンのオリジナル曲の”How should i know”は、これもしっとりとしていて彼女の方向性が見えてくる。
彼女の歌唱法は基本的にはブルージーに歌い聴かせるところであろう。声の質とか歌唱法はサラ・マクラクランに非常によく似ている。特に高音部での若干裏声に変化するところはそっくりだ。サラ・マクラクランはフォークそしてロック的ニュアンスが当初強かったが、このロレンはジャズ調に傾いた仕上げである。それも14.5歳頃にダイアナ・クラールに夢中になったようであり、そのことは伺えるところだ。又、ピアノを担当しているマット・トレダーの影響がそうさせているのかも知れないとのこと。
いずれにしても、トータルに疲れない曲造りとヴォーカルで、聴く方もリラックスして聴けるアルバムである。
ジャズ調の女性ヴォーカルの多い昨今であるが、その中でも今後の発展が期待できると思う一人である。
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コメント
あれ?これ取り上げてたんだ?見逃してたかも(笑)。良いジャケットだ〜ってことでこちらでも選んだんですけど、さすが風呂井戸さん、目ざとい♪
スタンダードに楽しめる方ですね。秋の夜長にはぴったりな雰囲気です♪
投稿: フレ | 2011年9月 8日 (木) 01時18分
フレさん、どうもどうも。
もう去年の春でしたね。その後1stを聴き結構面白かったですが、この「青い影」後の3rdアルバムも聴きましたが、どうもポヒュラー化しゆく傾向があって、次第に魅力低下したんですが、問題はこの後のアルバム(何時になるか知りませんが)でしょうね。
投稿: 風呂井戸 | 2011年9月 8日 (木) 15時53分