ジェフ・ベック Jeff Beck : 「EMOTION & COMMOTION」のスペシャル・エディション
レコード会社に弄(もてあそ)ばれたか?
ここにきて、ジェフ・ベックの今年のニュー・アルバム「EMOTION & COMMOTION」の”スペシャル・エディション”やらが登場した。このアルバムは、既にリリースされた全く同一のCDに、最近流行のDVD映像をカップリングさせたもの。
しかし、その映像だが、なんと2007年のあの”クロス・ロード・ギター・フェスティバル”のライヴ映像だ。(この時のジェフ・ベックの演奏とその他パフォーマンスは、後の小クラブのロニー・スコッツものより素晴らしいと私は思っているのだが・・・・)
このクロス・ロードに於けるジェフ・ベックのパフォーマンスの映像は、エリック・クラプトンのオフィシャルDVD「CROSSROADS GUITER FESTIVAL 2007」(左の左: Waner Music Ent. WPBR-90680/1)に2曲のみ納められている。しかし実際はこの日、彼は例のBassのTal Wilenfeld のお披露目を兼ねてのバンド構成で、イントロを含めて12曲披露しているのだ。
その全12曲の模様は、右のDVD(ブート)「CROSSROADS GUITAR FESTIVAL 2007 Vol.1 JEFF BECK」(RACKET QUEEN RQ-159)にて見ることが出来る。これには全て12曲がscreen shot ではあるが、収録されている。しかし、残念ながらいかんせんブートであって、オフィシャル盤の映像とサウンドは求められない。
従って、この日(Toyota Park, Bridgeview, Chicago,Illinois, USA July 28,2007)の映像は、12曲完璧に納められたオフィシャル盤の期待が高かったのである。しかし、そのリリースはなく、その後同メンバーものは、ロニー・スコッツ・クラブのライヴものDVD(2008年リリース)で取って代わられていた。
しかし、私の感覚としては、あのジェフの演奏は、ジャズ向き小クラブでのものでなく、大会場の彼のパフォーマンスと大音響の下での演奏で視聴したい。そんな意味でも当面ブートものでお茶を濁さざるを得なかったわけである。
そんな事情下で、ここに来て「EMOTION ・・・・・」のスペシャル版としてのカップリングDVDとしてお目見えしたわけだ。ところが残念なことに、なんと中途半端な6曲のみなのだ。又このアルバム「EMOTION ・・・・」のスペシャル版というのが解らない。そうであるならその後の2009年のイメルダ・メイなとどとのライヴとかジャパン・ツアーものとかであってほしかった。
つまり”クロス・ロード2007年もの”は、きちんと12曲を納めた映像もの(DVD or BD)として独立した盤として、音質も良好な工夫を施して完璧なものにしてほしかったのだ。
好セールスの最新盤CD「EMOTION ・・・・」を更に売りたかったというレコード会社の思惑に弄(もてあそ)ばれたとしか思えないのである(それとも、エリック・クラプトン側からの、あのフェスティバルもののリリースは押さえられていたのであろうか)。
(今回の収録曲)
1.Stratus, 2.Behind the Veil, 3.Nadia, 4.Big Block, 5.Brush with the blues, 6.A day in the life
いずれにしても、前1/3とその他併せて5曲がカットされており、”Big Block”のみが、オフィシャルDVDの「CROSSROADS・・・・」とダブっているが、若干映像が異なっている。多方向から撮影されているため、編集によって異なったものであろう。又サラウンド・サウンドにおける楽器の音の配置も異なっている。多分編集者が異なるのであろうと思われる。内容としては”Stratus”ではちょっと出だしのタイミングをジェフはミスったり、”Behind the veil”のタルのリズムにのっての楽しそうな演奏とパフォーマンスは見所だ。まあ、それはそれとして、あの貴重なクロス・ロードの映像が中途半端に利用されたことに非常に不満が残る。
そうかといって、この映像盤を無視も出来ない私のようなファンとしては、これを手に入れるには、あの同じCDを再び買うことにもなってしまっているのだ。いやはや不愉快である。
ジェフ・ベックとしては生涯最高のセールスを示した今回のアルバムではあるが、スペシャル版はもう少し考えてほしかったというのが私の心情なのである。
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コメント
完全に、売り手の思うツボにハマりましたね。
それがファンと開き直るも良し。
投稿: nr | 2010年7月 5日 (月) 22時01分
nrさん。お久しぶりです。
このCDアルバムは、まずは日本盤には2曲のボーナス・トラックがあり、それを聴きたい為に、わざわざ高い日本盤を買って、そして今度はカップリングのDVD欲しさに又買うというなんたることでしょう。
映像ものは、ブートはあくまでもブートで、オフィシャルもののその映像とサラウンド録音盤とくれば、当然触手が出ると言うところです。
いやはや、踊らされて・・・売り手の思うツボですかね。しかし、シャクですね。
これから、クロスロード2007のジェフの12曲収録DVDが出たりしたら、泣き面に蜂ですわ。
投稿: 風呂井戸(*floyd) | 2010年7月 5日 (月) 22時56分
逆にDVDのおまけでCDが付いてると考える方が納得感高いでしょうねぇ。でもブートで持ってるってのはありますが、そこはオフィシャルあってこそのブート、と割り切りです。
いずれにしてもジェフさん放出は嬉しい限りじゃないですか。自分的にはロニー・スコッツもCrossroad Fesも好きです!
投稿: フレ | 2010年7月11日 (日) 21時25分
フレさん、コメント有り難うございます。私はクロスロードのジェフは是非オフィシャルをと、熱望していました。まあ、その何分かの1はかなえられたと言うことで・・・・取り敢えずは納得しておきましょう。^^)
私も当然ロニー・スコッツも好きです。これもDVDの後からBDが出まして結局両方買ってしまっています。こちらはゲストとのやり取りが良かったです(特にイモージェン・ヒープ)。しかしいかんせんジェフに演奏させるならもうちょっと広くないとね。タルなんかはぶつからないようにえんりょしてました。
そしてやっぱり「EMOTION・・・・」のスペシャル版としてのDVDのカップリングなら、これもブートで見てはいますが(2009年もの)、イメルダ・メイとの共演ものなどを含めたものであって欲しいでよ。でなければ・・・「EMOTION・・・」との繋がりがないわけですから。
投稿: 風呂井戸(*floyd) | 2010年7月12日 (月) 00時09分