ロジャー・ウォーターズとデヴィッド・ギルモアの共演成る。
ロジャー・ウォーターズの「2010ザ・ウォール・ツアー」前の驚愕
2010年7月10日(土)に英国OxfordshireにてのHoping財団の慈善イベント(次の世代のパレスチナの人々の希望とオプティミズムの為の)に、なんとピンク・フロイドのロジャー・ウォーターズとデヴィッド・ギルモアがここにきて、過去の反目とは裏腹に共演を果たした。
今回のウォーターズの最大のテーマであるパレスティナ問題を含む「北米・ヨーロッパ・ザ・ウォール(壁)全曲演奏ツアー」直前のことあって、ピンク・フロイド・ファンにとっては、驚愕の事件となった。このツアーの発表時に、ウォーターズはギルモアとのこれからの共演には何の抵抗もないと公言していたし、ギルモアが答える意志があれば何時でも受け入れる用意があるとも言っていた。
今回の企画は「ザ・ウォール・ツアー」とは直接の関係があったと言うことではないが、このタイミングでのこと、にわかに諸々の憶測が浮かび上がってきたようだ。
いずれにしても、今回の共演、それはギルモア自身もウォーターズの真摯な社会に対しての問題意識とギルモアへのアプローチに何かしらの共感を持ったことは事実であろう。
共演の曲は、”To know him is to love him”(この曲はギルモアからの要望であったとか)、”Wish you were here”、”Comfortabley numb”、”Another Brick in the wall (pt.2)(これは高額出資者の突然の出現でアンコール曲であったようだ)”の4曲であった。
そしてバンド・メンバーは・・・・
Roger Waters : acoustic Guitar , Bass
Bavid Gilmour : electric Guitar
Guy Pratt : Bass
Harry Waters : Keyboards
Andy Newmark : Drums
Chester Kamen : Guitar
Jomjo Grisdale : Keyboads
・・・・という構成であり、あくまでもロジャー・ウォーターズ・バンドが中心であった。そもそもはウォーターズの諸々の呼びかけに答える意味でのギルモアの今回のチャリティー・ショーへのウォーターズへの提案が発端のようであるが、このメンバーをみるとロジャー・ウォーターズからの呼びかけもあったのであろうと推察する。そしてたった200人の前での演奏で、チャリティーの為に£350,000を稼ぎ出したのだった。
とにもかくにもウォーターズの話題の「ザ・ウォール・ツアー」を2ヶ月後に控えている為、この共演はそちらへの両者の共演もあるのではないかという希望的観測が広がったのだ。もともとウォーターズは、何か驚かせる企画をするのではないかと、常にファンから思われているところもあってその為拍車をかけている。まあ、この点はギルモアのツアー同行はないとみるが、ヨーロッパや英国でのライブには、ギルモアの飛び込みはどうもありそうな雰囲気になってきた。それは又ニック・メイスンも同様である。
リック・ライトの亡き後には、実はウォーターズとギルモアの間は意外に結びつく要素もあると私は以前に書いたことがあるが(当ブログ2008.9.23 ”新生ピンク・フロイドの可能性が浮上”参照)、こうした今回のチャリティー・イベントについては問題なく共演はあり得ることとなったのだ。
ウォーターズがピンク・フロイドを離れて既に30年近くなっての現在、両者もピンク・フロイドを後ろ盾に独立してのライブ活動などの成功もあり、もはやお互いの蟠りもないとみる。それより両者の”異なったピンク・フロイド活動”が我々にとっては楽しいものでもある。特に音楽的サウンド指向のギルモアと、常に人間社会に対しての懐疑者であり告発者であり反戦活動家であるウォーターズのコンセプト指向は、両者の70歳が近くなっての現在において、過去の若き時代の奮闘をお互いに讃え合える余裕あるところにあると見るべきであろう。
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コメント
いや、びっくりしましたね、これは。共演するらしい、ってのは聞いてましたけど、こんなところでリハるとは…。
いよいよ最終章も近くなってきた御大二人、夢を叶えてもらいたいですね。
投稿: フレ | 2010年7月24日 (土) 10時14分
フレさんコメントどうも有り難うございます。
この2人の御大の共演はこれからもあるでしょうね。ウォーターズはライトは絶対に受け入れないでしょうが、もう亡くなってしまったのですから問題は無くなってしまった。ギルモアとの接近はあり得ると思ってました。
ただし、イベントなどの共演とか、お互いのライブ活動への参加というところまでと思っています。つまり二人でピンク・フロイドのアルバム造りということは無いでしょうね。(お互いの作品に協力参加はあっても)それはこの歴史の中で、それぞれの個性が全く異なって経過してきたことが、残念ながらそうなると思います。
投稿: 風呂井戸(*floyd) | 2010年7月24日 (土) 19時38分