ギブソン・レスポールを操るギター職人スノーウィ・ホワイトSnowy White
地味なブルース・ロック・ギター職人ではあるが・・・
ピンク・フロイドの creative genius (創造的才能・守護神) と言われているロジャー・ウォーターズを、延々と支え続けてきたギタリストと言えば、このスノーウィ・ホワイトSnowy Whiteとアンディ・フェアウェザー・ロウAndy Fairweather-Lowであると言えるだろう。まさにこの二人はギター職人そのものである。そのスノーウィ・ホワイトが、「In Our Time.....Live」というニュー・アルバムをリリースする。又来年には更に「Realistic」というWhite Flame Bandによるスタジオ・アルバムも発表するという嬉しい話が伝わってきている。
そんな時でもあり、ふと私の彼に対する愛着として所持している(実は4枚のみであるが)アルバムの愛聴盤をここで紹介してみたい。
「SNOWY WHITE & the WHITE FLAMES / LIVE FLAMES」 2007 snowy white & the white flames
このCDアルバムはインディーズ盤でもちろん日本盤はない。彼の1996年からのユニット・バンドにての演奏による2007年リリースのライブ・アルバムである。彼のアルバムはポニーキャニオンから日本盤も出された1994年の「Highway to the Sun」が最右翼かも知れないが、私は最も気に入っているのがこのライブ・アルバムだ。
収録されている曲は左のとおりである(クリック拡大参照)。2曲を除けば全て彼のオリジナル曲であり、ヴォーカルも聴かせるが、なんといっても彼のギブソン・レスポール・ギターの音色とそのテクニックの素晴らしさに尽きる。彼のギターの根底はブルース・ギターといっていいと思うが、シン・リジーThin Lizzyのロック・バンドのギタリストという経歴からもロックを基調としていることは間違いない。しかし彼がそれ以前にピンク・フロイドのサイド・ギタリストとして技能を発揮して多くの注目を浴びて以来、彼は彼の世界をじっくりと築いてきている。
わたしに言わせるとこのライブ盤聴かずしてスノーウィ・ホワイトを語るなと言いたいほどに彼の真価が凝縮している。彼の愛するゴールド・トップ・レスポールを軽快に真摯なサウンドを見せるかと思うと一方泣きギターの音で迫ってくる。
(バンド・メンバー)
Snowy White : Guitar/Vocals
Juan van Emmerloof : Drums
Walter Latupeirissa : Bass
Max Middleton : Keybords
このようにキーボードの加わった4人編成。2006年のホワイトの”White Flames UK tour”を納めたもの。彼の最初のライブ・アルバムである。幸いにあまり大きな会場ではなさそうで録音も秀逸。彼のギターそしてベースなどの音も手に取るようにクリアに録音されていて貴重盤。
さて、もう一枚は目下最も近作である・・・
「The Snowy White Blues Project / In Our Time of Living」 2009 Snowy White Blues Project (左)
これは最近のユニットである。ホワイトのブルース・ロック・ギターが非常に技巧が細やかで心に迫ってくる。編成はツインギター(Snowy White , Matt Taylor)とベース(Round Weber Jr.)、ドラムス(Juan van Emmerloot)の4人バンド。
特にギターはホワイトのレスポールとテイラーのストラトのツインが生きている。こうしたギター・サウンドを職人的に仕上げていくのが、スノーウィ・ホワイトの信条だ。このメンバーによるライブものが、今回リリース予定のアルバムだと推測する。
演奏曲は、ホワイトの曲のみでなく、テイラーやウェーバーJrのものも対等に多く収録されていて、このユニットの楽しさが伝わってくる。タイトル曲の”In Our Time Of Living”や”Red Wine Blues”のブルース・ギターには痺れてしまう。
ホワイトのバンドは”Snoey White's Blues Agency”そして”Snowy White & the White Flames”と経て、現在はこのユニットが動いていると思われる。
スノーウィ・ホワイトの近作の愛聴盤2枚を紹介したが、ますます充実してきている彼のブルース・ロック・ギター・サウントは英国にとっても至宝的存在であると私は断言する。今年はこれからロジャー・ウォーターズの”ザ・ウォール THE WALL”北米ツアーと来年のヨーロッパ・ツアーに同行するが、かってのウォーターズのピンク・フロイド時代の”ザ・ウォール”のアルバムとツアー(1979年)に参加しているし、ベルリンの一大ショーの”ザ・ウォール”(1990年)でも大きな役割を果たした。彼はステージでも派手ではなくむしろ職人的味みせてくれる。今回もそのテクニックとサウンドに期待している。
(他のアルバムは又次回にまわして紹介したい)
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