ドリーム・シアター Dream Theater 解体?再出発?
マイク・ポートノイの脱退の衝撃
ドリーム・シアターのドラムスのマイク・ポートノイが脱退するニュースが流れてきた。彼の場合、リーダー的存在であるだけにこのバンドの行く末に暗雲がかかったというのは事実だ。
プログレッシブ・メタル・バンドという新しい分野の開拓者でもある彼ら。私が日本で初にお目にかかったのは、”「Images and Words」 ツアー”での中野サンプラザでのライブだった。考えてみるともう十数年というか二十年近く前の話になる。やはり新しい道の頂上を目指している彼らは何とも言えず輝いていた。
しかし、最新作は昨年の「Black clouds & Silver Linings」だったが、ちょっと彼らの壁に当たってのもがきが見え隠れするアルバムだった(このブログ2010.8.3の”進化はあるか?マンネリか?”参照)。特に三枚組の一枚はレインボー、クイーン、アイアン・メイデン、キング・クリムゾンのカヴァー集という疑問が残ったもの。彼らはかってもピンク・フロイドのカヴァーも得意だったが、どうもサービスであったと思うが不安の一歩でもあった。
私はもともと1stからのファンだったので、当初ヴォーカルがチャーリー・ドミニシからジェイムズ・ラブリエに変わったときに心配した。しかしその後の発展がいつのまにかそのことは忘れさせてくれたが、ケヴィン・ムーア(キーボード)の脱退はこのグループに変化があっと思っている。私は彼の幻想的と言っていいのか、何か精神安定剤的演奏が救いであったし、プログレと言われる因子の一つでもあったと思う。メタル的攻めとムーアの音楽性の対比によるバランスが面白かったのだ。現在のジョーダン・ルーデスとはちょっと違った感覚の世界であったと思う。
それはさておき、ここにきてマイクの脱退は驚きだった。創始者であるから尚更だ。しかし彼には腱鞘炎という不安材料があることは伝えられていたが、どうも今度のこの事件は、彼のこれからの音楽的方向性に関係しているようだ。ドリーム・シアターから若干の期間を離れて次の作業を希望したが、メンバーからは受け入れられなかったという。
残るメンバーも彼抜きでの決意は出来ているようで、これから新作に臨むという。我々にとっては歴史的にも一つの世界を構築したロック・バンドとしてなくなって欲しくないところであり、又今後それぞれがそれぞれの道で発展して欲しいものと祈らざるを得ない。
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コメント
びっくり、しゃっくり、とっくり。何という衝撃的なニュースでしょうか。まさかDream Theaterにメンバー・チェンジが起きるとは思ってもみませんでした。次のドラマーが誰になるのか気になるところです。
それにしても風呂井戸氏の情報収集力には恐れ入ります。ギルモアとウォーターズのジョイント・コンサートにも驚きました。
投稿: プロフェッサー・ケイ | 2010年9月14日 (火) 23時13分
プロフェッサー・ケイさん、コメントどうもです。ケイさんのなかなかの充実した文章何時も拝見しています。
ドリーム・シアターも私にとっては1stリリースをロック・マニア(ナイト・レンジャーをこよなく愛す)から教えていただいてから、リアル・タイムにアルバムやライブに接してきたバンドですのでちょっと今後に不安を抱きながら今回のニュースに接しています。これから変化は多分あるのと思いますが?>どうなんでしょうかね。
投稿: 風呂井戸(*floyd) | 2010年9月15日 (水) 17時04分