大型新人?クリスティーナ・トレイン Kristina train
ブルー・ノートからのポスト・ノラ・ジョーンズとの呼び声も高い女性シンガー・ソングライター
このところ女性ヴォーカルでも、JazzまたはJazzyといった感覚のものに多く焦点を当ててきたが、カントリーやブルースの影響のある一部ゴスペルっぽい自作曲で売り出したクリスティーナ・トレインKristina Trainを聴いてみた。
彼女はシンガー・ソングライターであり、ブルー・ノート・レコードではかなりの力を入れている新人。十代に目を付けられるも、大学進学してからのテビュー。ニュー・ヨーク生まれで、ジョニ・ミッチェル、ジャニス・ジョプリンなどを聴いて育ったという。主として彼女は楽器はヴァイオリンを演奏する。
最近ハービー・ハンコックとの共演(ハンコックの70歳記念ライブ:写真参照)などもあってかなりいい役割を果たしたようだ。それも私が聴いてみたくなった一つの理由でもある。既に来日も果たしているし、デビュー・アルバムはインディーからでなくブルー・ノートという名門からということで、日本盤のリリースもある。
「Kristina Train / apilt milk」 Blue Note Records 50995 01568 25 , 2009
これがデビュー1stアルバムである。収録曲は11曲。来日の際は彼女自身のヴァイオリンとその他ギター、キーボードという極めてシンプルなバンドであったようだが、このアルバムはそれなりにその他にベース、パーカッション、ドラムス、トランペット、ストリングスなどがバックを支えている。しかし、それにも増して彼女のヴォーカルは特に高音部にゆくと声量とその歌いっぷりに迫力がある。低音部においては、ややハスキーでボリュームのある声で、むしろジャズ向きのニュアンスがあるが、高音になるに従って、古典的ロックのジャニスの雰囲気が出てくるという面白いパターン。彼女の曲自身は、スタート時はどちらかというと説得するようなゆったりした低音で始まる。そして次第に盛り上げていくというスタイルだ。私はむしろこのスタートしたままの展開で最後まで押し切った曲もあっていいのではと思うのだが・・・・。(ジミー・ホーガスのプロデュースで英国ロンドンで録音されている)
いずれにしても、言い換えると新人らしい精一杯の歌唱と言うことで(熱唱タイプ)、その歌唱力は十分あるので、今後どう発展していくかがある意味では楽しみがある。又現代風の美貌も持ち合わせているので期待株であることは間違いなくここで取り上げてみた。ただし、ポスト・ノラ・ジョーンズというキャッチ・フレーズがあるようであるが、私は別物のタイプと思う。こうしたエモーショナルなタイプも時にはいいものである。
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