サンタナ SANTANA(6):ニュー・アルバム「SANTANA/GUITAR HEAVEN - the greatest guitar classics of all time」
グラミー9冠の「スーパーナチュラル」発売10周年記念のニュー・アルバムは歴代ロック・ヒットのカヴァー集
サンタナのこの10年間というものは、「スーパーナチュラル」成功以来様々なジャンルのアーティストと組んでの活動に驚かされてきた。特に若い層のポップな世界かと思うと、ジャズ畑のブルースにその活動が見られたり、そのあたりの凄さは今やサンタナ・ワールドと言ってもいいのかも知れない。
「SANTANA / GUITAR HEAVEN - The greatest guitar classics of all time」 ARISTA 88697-45964-2-RE-1, 2010
前宣伝も行き届いていて、こんなヒット・パレードならやっぱり持っていたいアルバムだと言うことです。かってのサンタナに心酔した気分とは近年はちょっと異なるのだが、「スーパーナチュラル」の成功には喝采を浴びせた。しかし、その後の「Shaman」にはジャケ・デザインの品のなさからかどうもいまいちの感覚であった。
ならばと、今回のアルバムには期待をしていたところである。 さて収録曲は左のとおりだ(クリック拡大参照)。見てびっくりのロック名曲集。そしてそれぞれの曲にゲスト・ヴォーカリストをヒューチャリングしている。
とにかくオープニングがツェッペリン「胸いっぱいの愛を」とくるから当に迫力満点。
続いて2.はストーンズだ。懐かしロック・ムードに浸れるが、後半ボンゴ、コンガが響いてサンタナのギターが炸裂。やっぱりこりゃサンタナだ。 3.エリック・クラプトンの世界にロブ・トーマスを引っ張り込んでラテン・リズムに仕上げて結構結構。
4.ジョージ・ハリソン、えっチェロにヨーヨー・マ!!、これがサンタナのギターと共に心に響くんですね。India.Arie のヴォーカルもいい。私にとってはこのあたりがグッとくるんです。
5.デフ・レパードの曲。これはお好きにどうぞ。
6.ACDC、うーーん、NASでラップになっちゃうんだろうなぁ。どうも私の好みとは別物だが、サンタナのギターには脱帽。
7.ドアーズ、こうしたパーカッションは私好み。サンタナのギターの音も好きです。Chesterのヴォーカルも力みがなくいいです。
8.ディープ・パープル、いっやーー!ヒット・パレードの極致。ギタリストも楽しいでしょうね。
9.ウァン・ヘイレン、私にとってはこれはどうでもいいです。
10.Tレックス、やっぱりサンタナですから、こうしたパーカッションのリードの仕上げはいいです。
11.ジミ・ヘンドリックス、哀愁のヴォーカルと泣きギター、これを聴いてこのアルバムも私は納得するのだ。
12.ジェフ・ベックの”迷信嫌い”、ギター・マニア向け。
結論は、これこそ”サンタナの商売反則技”。音と曲の出来は、”高速道路をとばす車のカー・オーディオ向き”というところ。
”サンタナの造ったアルバムの世界”を聴くというのはもう昔話なのだろうか?・・・・・。ちょっと寂しさを感ずるのは私だけであろうか?。
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コメント
相変わらず素早い情報ありがとうございます。来日公演の予定がないのは残念ですが、やがては映像で見ることもできるでしょう。ところで演奏曲目はすべて“The Wall”からなのでしょうか。ほかのフロイドの曲も演奏してほしいですね。
投稿: プロフェッサー・ケイ | 2010年9月30日 (木) 21時52分
プロフェッサー・ケイさん!、サンタナでなくてロジャー・ウォーターズですね。^^) 今回のライブは完全に「The Wall」の一つのショーと見た方がよさそうです。従ってアンコールで特別な演奏もなく「The Wall」をショー化して完全演奏して、彼の反戦をメインに訴えています。ギター3人、キー・ボード2人、彼に加えてリード・ヴォーカル、バッキング・ヴォーカルを入れて演奏や歌も充実させいます。従ってライブといえども演奏内容も高く、聴き応えも十分。これならライブCDやDVDの作成にも十分耐えられる内容です。リリースを期待しましょう。そのうちギルモアもゲスト参加するようです。
投稿: 風呂井戸 | 2010年10月 2日 (土) 23時45分
風呂井戸さん,こんばんは。こちらにはご無沙汰してしまいました。TBありがとうございました。
このアルバム,ショップでかかっているのにまんまと引っ掛かってしまいました。でもまぁここまでやると思わせながら,本当にやってしまうSantanaってある意味お茶目な爺さんだと思いました。
ということで,こちらからもTBさせて頂きますが,Santanaのほかの記事もゆっくり拝見させて頂きますね。
投稿: 中年音楽狂 | 2010年10月19日 (火) 00時08分
中年音楽狂さん、わざわざこちらまでお越し下さいまして有り難うございました。実は SANTANA でお話が弾むとは思っていませんでした。考えてみれば、カルロス自身はロック畑と言えどもジャズの世界にはブルースばかりでなく、諸々魅力を感じていた(感じている)ことは事実でしょうね。
そろそろほんとに彼のオリジナル・アルバムを聴きたいと思っているのが私の本音です。
投稿: 風呂井戸(*floyd) | 2010年10月19日 (火) 00時47分