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2010年11月 6日 (土)

忘れ得ぬ”名ジャケット・アート”(3) : 「Marquee」でここまで来たらアイン・ソフだ

ジャケ・アートと音楽のコラボレーション

 いつも私の変わらぬ感覚は、音楽アルバムにとってジャケット・アートは重要だ。昔、レコード店で知らない世界を模索する中では、ジャケットによって自分の求めるものであるかどうかを判断したこともある。そして今のような情報が満ちていない時に、未知の世界から自分の心の世界に響く曲に会えたときの感動は言い表せない幸福な瞬間だ。
 そして、ジャケットを眺めながら曲を聴きその曲の感動にジャケット・アートは寄与した。又一方逆にその曲によって、ジャケット・アートが更に印象深いものにも発展した。この両者が相乗作用するところに大きな意味がある。コラボレーションの世界である。

 さて、「Marquee」の表紙アートからの美狂乱の2アルバムを前及び前々回紹介したが、ここまできたらもう一つ追加したくなった。もともと予定外ではあるが、これも実は関連して素晴らしい一枚である。

Marquee028 「Marquee 028号」 マーキー・ムーン社1988年5月15日発行

 さて、これも又印象深い「Maquee」の表紙である。この時には美狂乱「御伽世界」「風魔」のジャケ・アートの作者であるししどあきら氏の作品であることは解ったが、はてこのアートとアルバムとの関係が解らなかった。
 しかしこれが後に当時企画されていた(Belle Antique で ) 美狂乱に続いての天地創造(1970代末に出現した日本のプログレ・バンド)のライブ・アルバムのジャケットに採用されたアートであったのだ。

 見れば見るほど単純そうであるが不思議な世界。駱駝(らくだ)の背のこぶはピラミッド(これはピンク・フロイドの影響か?)。波打つ砂の世界。空にはこれも不思議な三日月。そして身を正した服装の男と女の子。この描くところは未知の世界を伝えているように感ずるのだった。

 そして忘れかけた3年後の1991年、ついにこのアルバムが登場する。
Photo_3
「天地創造/アイン・ソフ    ’77-’78スペシャル・ライブ 駱駝に乗って」(AIN SOPH / RIDE ON A CAMEL~special lve) BELLE ANTIQUE 9120  1991

 企画者の高木博史氏は盛んに事情報告に追われるのであったが、多分当初LPで企画していたんだろうと想像するが、リリース予定の1988年に10年以上前のライブ音源を追求する中で、膨大に膨れてしまって処理に苦労したのでは?。そうもしているうちに、3年は経過してしまい、しかし時はCD時代となり幸いに74分の世界が登場。そこに貴重なライブの録音音源を良音質にて納めるべく努力し、しかも一つの世界を造り出そうとしたのであろう。音楽アルバムというものの産みの苦労が滲んでいるアルバムの登場となった訳だ。そして遂にリリースされたアルバムには、3年前に「Marquee」に載せたジャケット・アートが見事に音楽と調和してその姿を現した。う~~ん、残念なのはLPに比してのCDの小ささである。

Photo_2  さて、このプログレッシブ・ロック・グループ(左)は、”天地創造”という名で1970年神戸にて生まれる。そして1977年”AIN SOPH アイン・ソフ”に改名したのである(山本要三(G)、藤川喜久男(K)、鳥垣正裕(b)、名取寛(d))。1970年代に関西のロック・シーンでは、その技術とセンスのよさで知れ渡っていた。そして1980年には1stアルバム「妖精の森」で全国的グループに成長した。(現在も彼らは地道に活動を続けている)
 このアルバムはその改名当時のライブものである。
  (収録曲)
    1. Ride on camel
    2. intro~Metronome7/8~Peacock'sFeather
      ~Metronome7/8(reprise)
    3. Odessa
    4. Aria
    5. Turkey's march
    6. A story of mysterious forest"original version"
 
 当時のプログレ系愛好者にはたまらない作品だった。特に1.の”駱駝に乗って”のアルバム・タイトル曲は11分を超える曲で、一言で言えばCamelなんですね。なんといっても6.の”妖精の森”は、日本にもここまで聴かせるプログレ世界があったのか思わせる25分に及ばんとする大作。描く世界のギター、キーボードの透明な美は聴くものを唸らせた。

 今回も、プログレシブ・ロックにとりつかれた輩の日本における1980年代から90年までの当時のあがきと言われそうな世界を回顧し、そんな時に出現したあだ花である作品と、それを飾ったジャケット・アートに焦点を当ててみた。
 
 

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コメント

次々出てきますね。
インタビューはVIENNAですか。ノヴェラの残党ですね。

投稿: nr | 2010年11月 6日 (土) 23時30分

nrさん、こんばんわ。
 そうでしたね。この頃VIENNAのスタートでしたね。藤村君は、この時のインタビューで、イエスの”ロンリーハート”がプログレうんぬんじゃなくて素晴らしいと言ってますね。ちょっと意外でしたけど・・・私もハウはそれとしてトレバー・ラビンって結構好きでした。

投稿: 風呂井戸 | 2010年11月 7日 (日) 01時00分

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