忘れ得ぬ”名ジャケット・アート”(2) : 美狂乱 (続編)
あの名作「美狂乱 / 風魔」のジャケ・アートには布石があった
私にとっては、強烈なインパクトのあった「美狂乱 / 風魔」のジャケット・アートであったが、それには実は布石があった。当時この「Marquee」に関心を寄せている中で、この「美狂乱 / 風魔」(”ゼンマイ仕掛けの美狂乱”)のアートを取り上げた027号の約2ヶ月前の1987年12月5日号(026号)には、やはり素晴らしいアートが表紙を飾っている。
「Marquee 026号」 (発行マーキー・ムーン社 1987.12.5)
この表紙を飾ったアートの奥深さと美しさも素晴らしい。プログレッシブ・ロックの不思議であり美しい世界を語るに十分なアートである。(「心海夜」)
実はこれは、「風魔」のアートと同じししどあきら氏の作品であり、「美狂乱 / 御伽世界 アーリー・ライブ Vol.1」 のジャケット・アートとして使われたものである(実は残念なから、このLPは私は所持していないのだ)。
ここでは、やはり海の水面の変化に不思議な光、そしてグランド・ピアノを弾くセーラー服の少女、その表情にはやはり不思議世界を物語り、髪は流れる。そしてピアノの中に光が注ぎそこには更に不思議で美しい世界。手前の赤い葉の植物も印象的。実に美しい。
余談であるが、この号の山崎尚洋氏の編集後記が面白い。ロック産業、ロック・メディアの今していることの空しさに言及し、”そんな世界とは無縁なところで、僕たちは音楽を聴き、MARQUEEを続けきた”と記している。
約50頁弱の雑誌であるが、今見ても中身は濃い。
話は戻って、ここに「御伽世界」のジャケ・アートを大きめに掲げます(クリック拡大)。前回の「風魔」に負けずこのアートでも多くを感じ取れれば、その人は私と同様に(?)幸せである。
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