ロジャー・ウォーターズ Roger Waters 「2010 THE WALL LIVE」 snapshot 5
「ロジャー・ウォーターズ 2010北米ツアー ”THE WALL”LIVE」
⑥ MOTHER
ロジャー・ウォーターズはピンク・フロイドの歴史の中でも、アコースティク・ギターの弾き語りによる曲はかなり作り披露してきた。この”Mother”はそのパターンであり、又彼の大切にしている曲だ。30年前(1980年)の”ザ・ウォール・ライブ: EARLS COURT” の映像をバックに映し、それにシンクロさせて歌い上げる。このあたりの発想は彼の得意の領域と言っていい。
”Mother, should I run President? Mother, should I trust the government?” と歌い上げ、壁に ”No FUCKing WAY” と書く。
この曲の演奏では、G.E.Smith が、スライド・ギターで味付けしている。
⑦ GOODBYE BLUE SKY
さて、この曲から不安な世界の展開となる。アニメーションは爆撃機の編隊を描く。そしてその落とす爆弾が$であったり石油のシェルマークであったり、十分にロジャーの皮肉が込められている。この曲は20年前の1990年ベルリン・ライブではジョニ・ミッチェルが素晴らしい唄を披露したのを思い出す。
”すっかり怯えている人々を見たかい? 落ちてくる爆弾の音を聞いたかい? 疑問に思ったことがあるかい? 青く澄み切った空の下に 新世界を築こうという理想を掲げながら なぜ防空壕に隠れきゃならないのかと・・・・” (山本安見訳)
追記: (OOPS!から)
名誉毀損防止組合からのクレーム:この爆撃機からの投下されるものにユダヤ教の象徴である”ダビデの星”があったこと、それに続いてドル・マークが出てくることから「反ユダヤ的」と名誉毀損防止組合からクレームが付いた事件が起きる。
(実際には、その前後に他の宗教の象徴マークそして企業マーク(ロゴ)そしてドル・マークもあって若干意味が違うことが窺える)
ロジャー・ウォーターズの反論:シンボル・マークが出てくる順番に隠された意味はない。お互いに背を向けあうように奨励する、宗教的、政治的、経済的なイデオロギーの対立によって、私たちは空爆を受けることになるのだということ。そして私はそれに伴って失われる命を嘆いているということだ。この「The Wall」の政治的メッセージを持っているとしたら、特に中東において、平和と理解を奨励するための方法をみつけようというものだ。
(ロジャーは名誉毀損防止組合代表者フォックスマンに公にコメントを出す前に、実際にライブを観にに来るべきだったとも綴っているという)
(続く)
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