女性ジャズ・ヴォーカル:ダイアン・ハブカ Diane Hubka
7弦ギターを操り、くせのないヴォーカルのダイアン・ハブカ
私が時として手に入れる雑誌として「ジャズ批評」(左)がある。最近は、「20世紀のCDコレクション」という特集にひかれて、今年の11月号(No153)を購入した。
これに目を通していて、ウンウンとうなづいてしまった記事があった。それは=”Swingin' Beauties ~いかした美女達~”第38回:清楚な美人歌手にして7弦ギターの名手、ダイアン・ハブカ=という後藤誠一の5頁の記事である。
その中に~私は彼女のファースト・アルバム「Haven't We Met」を1998年ごろにリアル・タイムに購入しながら、あまり聴く機会もなく、CD棚に眠らせていた。彼女の歌は自己主張があまりなく、さりげなさが前面に出て、それだけ当時の私の駄耳には印象が薄かったのである~と書かれていた。
あれ、私もダイアン・ハブカって聞いたことあるなぁ~~、おやもしかしたら私もと、・・・CD棚を覗いてみると、なんとちゃんとあるではないか。それは彼女の1stアルバムという古いものでなく、2007年のアルバム「DIANE HUBKA Goes To The Movies」18th & Vine , Allegro Corporation 18V-1054 2007 (左)であった(これは日本盤はタイトルが異なっている)。
後藤誠一氏の彼女のアルバムの印象が、全く私の場合も同様であったことに非常に親近感を持ったというのが偽らざる私の感想である。
確かにこの私の所持しているアルバムも、彼女のヴォーカルは近年の一般的な流行と異なって、全く癖のないそして素直な発声でしかもやさしくさわやかな歌声。ある人に言わせると透明感の高いのびのびとした声という表現にもなる。
このアルバムは、日本盤タイトルはセルジオ・メンデスやダイアナ・クラールで有名な映画「カジノ・ロワイヤル」からの”ザ・ルック・オブ・ラブ”の曲名だったと思うが、映画音楽を題材としての彼女ならではの選曲集なのである。
(members)
Diane Hubka : Vocals, Guitar
Christian Jacob : Piano, Arranger
Carl Saunders : Trampet
Larry Koonse : Guitar
Chris Colangelo : Bass
Joe Labarbaera : Drums
このようにメンバーもなかなかの揃いかたで、質の高い演奏を聴かせる。
(曲目)
1. All god's chillun got rhythm
2. Double rainbow
3. The look of love
4. Lovers in New York
5. He's tramp
6. The bad and Beautiful
7. I'm old fushioned
8. The long goodbye
9. Close enough for love
10. You only live Twice
11. Wild is the wind
12. Manha' de Carnaval
13. Invitation
3.は「カジノ・ロワイヤル」、10.は「007は二度死ぬ」、5.は「わんわん物語」、12.は、「黒いオルフェ」等々である。
私の好みとしてはスローな曲になるが、”the long goodbye”、”Close enough for love”、”You only live twise”、”the look of love”などが魅力的。
そして、これだけのものでありながら、やはり癖のなさが逆にインパクトに欠ける面があると言っていいのか?。とにかく安心して何も思わずに聴けるのである。こうしたレベルも高く良盤であるにもかかわらず私の場合も棚に収まっているままになっていた。そのあたりが不思議なところ。
この12月には日本ツアー中、新しい発見があるかも知れない。
ダイアン・ハブカはチェコからの移民の子孫らしい。米国ニューヨーク近郊出身。年齢は不詳とのこと、30-40歳というところか?。ギタリストとしての腕も評価があり、7弦ギターを操る。この紹介したアルバムの12.は、彼女のギターで録音されている。ジャズの研鑽も深いようだ。デビュー・アルバムは1998年、近作は2008年のライブ盤である。
このような実力者であるだけに、日本でも結構ファンはいるようだし、今後どう発展してゆくか?、日本でもどんな形で支持を獲得してゆくか、若干興味のある女性ヴォーカリストである。
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