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2010年12月 3日 (金)

手塚治虫漫画全集(その1) : 「おお!われら三人」

講談社 「手塚治虫漫画全集」全400巻
(1977年-1997年の20年越しの完結品

 秋も過ぎ冬を迎えると夜長はますます顕著となり、午後5時というと既に暗い世界となってしまう。こんな時にふと昔の少年時代の漫画も恋しくなる。

Photo  私が大切にしている漫画全集がある。それは講談社がかなりの気合いを入れて発刊したもの。

「手塚治虫漫画全集」

 目下、全400巻左のように安置してある(B6判であるため、本棚の一段に奥と前面と2列で収納)。
 これは1977年6月より当初300巻の予定で、第1期1977年6月~1979年8月、第2期1979年10月~1981年11月そして第3期1982年2月~1984年10月と一期100巻の計300巻を7年かけて発刊した。

About_main_phototr もともと手塚治虫ファンであった私は、この全集購入に踏み切ったのは、1950年代の彼の作品を改めて手に入れたかった事による。それは1956年から57年にかけて「中学生の友」という雑誌に連載した「おお!われら三人」という作品を、なんとしても20年経た1970年代になって再び見たくなった事による。この作品数回連載したのみで中断してしまったもの。

 もともと手塚治虫の全作品を網羅したいという構想からの「全集」発刊であった為、毎月4巻発刊されるものを7年間かけて1巻も漏らさず購入したわけだ。あの最も代表作「鉄腕アトム」は全18巻+別巻2巻の20巻で完全に納めた。
 しかし残念ながらこの300巻には、私の目当ての「おお!われら三人」は登場しなかった。非常に残念な思いをしたわけであるが、そうこうしているうちに10年近く経過し、手塚治虫死後になっての1993年になって、なんと第4期100巻の刊行が始まったのだ。そしてそれには5年近くかけて1997年12月に全400巻が完結したのである。

Photo_2  そして316巻「流星王子」左)に・・・・

この「おお!われら三人」(1993年4月発刊)が併載されたのだ。なんと私の26年目の夢がかなった瞬間であった。

 この作品は当時の中学生を対象とした学習雑誌「中学生の友」(小学館)に昭和31年(1956)4月号~昭和32年(1957)1月号に連載した。この雑誌は戦後の日本における子供にとっての重要な役割を果たし、1949年1月から1957年3月まで発行された雑誌である。
 手塚治虫の話によると、原稿の提出が遅く、もうダメだということで切られてしまったのだという。しかしその直後にこの雑誌も廃刊となったのは偶然であろうか?。

Photo_3

Photo_5  日本に於いて、第二次世界大戦(太平洋戦争)開戦時の年に旧制中学校に入学した3人の少年の姿を中心に、当時の世相や大人社会と子供の純粋な世界の矛盾を軽快に描き、全く性格と環境の異なる3人の男子が心を一つにして生きてゆくドラマである。

 手塚治虫の回顧によると、かなり大作のつもりでスタートしたらしい。しかし先の話ようなことで中断してしまったわけであるが、私にとっては返す返すも残念であった。彼の記したものでには「戦争が終わるまでの話を描くつもりであった。 3人が出征して戦地に行き、そして戦争直後まで3人共生き残るのです。バラバラになって、一人は捕虜になり、一人は横井さんみたいに逃げまわり、そしてもう一人は疎開してそこで学校の先生になり、子供達と空襲にあいながら生きるわけです・・・そこで”日本の武士道とは何か”ということをずっと描いてゆくつもりだった」と言っている。

 一人が予科練に入っての生き様、残った二人は戦争勃発の日本の社会にうごめく社会悪(軍需産業家や特高)と戦うところで終わってしまう。

 非常に私の子供心に焼き付いた作品であった。多分その後、手塚治虫はまだ延々と2~3年は続けるつもりであったと思われる。 非常に残念な作品であった。

 ふと、彼の全集400巻を眺めつつ、古い話に回顧してみた。

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コメント

全集というからには、ビッグXも不思議な少年もあるんでしょうね。電子化されたらダウンロードで入手しようと思いつつ。

投稿: nr | 2010年12月 4日 (土) 22時50分

 今日の信州は風もなく暖かくてまさに春のようです。このところまでは今冬は暖冬ですね。
 nrさんも手塚治虫ファンでしたか?・・・「ビッX」(全4巻)、「不思議な少年」(全2巻)は当然含まれています。結構初期に出ました。

投稿: 風呂井戸 | 2010年12月 5日 (日) 13時36分

いやぁ、全400巻には驚きました・・・

手塚治虫、少年の頃を懐かしく思い出しました。
手塚治虫の公式サイトも出来ているのですね。
一寸覗いてみました。

投稿: Hitosh | 2010年12月 8日 (水) 22時40分

 Hitoshさん、コメント有り難うございます。やはり同年代であると多分私の気持ちも解ってむらえるのではと思います。手塚治虫は結構社会に問題意識を持って画いた作品も多く、その作品群をみるとただただ頭が下がるというか、そのエネルギーの高さに圧倒されます。やはり日本の宝ですね。

投稿: 風呂井戸 | 2010年12月12日 (日) 15時13分

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