ライブで健闘のジェフ・ベック Jeff Beck
ライブで楽しむジェフ・ベック
アルバム「エモーション・アンド・コモーション Emotion & Commotion」のヒット以来、各地でのライブの成功が話題になっているジェフ・ベック。
近々、2010年6月8日、9日にニュー・ヨークのレス・ポールにゆかりの深いイリディウム・ジャズ・クラブで行ったスペシャル・ライブのステージの模様の映像アルバムがリリースされる(「Jeff Beck / Rock'n Roll Party honouring Les Paul」) 。左のスリーブ・デザインで見るとおり、ギブソンのES-175や名機レス・ポールを弾く姿が拝めるということもあり注目されている。
近年ロカビリー軍団のイメルダ・メイ・バンドとの共演など(既にここでも取り上げたが)ジェフの活動は多岐に及んでいるが、このステージでもゲストとしてイメルダ・メイが参加しているし、その他多彩なゲストの名が挙がっている。
こんなジェフ・ベックの話題が尽きないところであるが、先日LAのグラミー・ミュージアムで行ったライブ音源を収録したCDを手にしたので、ここで取り上げておく。
「JEFF BECK / LIVE AND EXCLUSIVE from the grammy museum」 ATCO R2-526419 , 2011
2010年4月22日、LAのGrammy Museum で行われた公演のライブ音源。当初この音源は、ネット配信(iTune Music Store)でのみということで、不満が巷にあったが、その後CD-Rでの販売があったりしたもの。しかしこの盤はしっかりしたCD盤。
この時は、親しい仲間を集めての小ホールでの限定ライブで、そのうち8曲が収録されている。又アルバム「Emotion & Commotion」とはメンバーが異なっていて、2010年4月の来日メンバーと同じだ。キーボードは、Jason Ribello で変わっていないが、ドラムスはかっての仲間 Narada Michael Walden が久々の登場。そして可愛い女性ベーシストのタル・ウィルケンフェルドに変わって、これまたベテラン女性ベーシストのRhonda Smith という陣容だ。
(収録曲)
1.corpus christi carol
2.hammerhead
3.over the rainbow
4.brush with the blues
5.A day in the life
6.nessun dorma
7.how high the moon
8.people get ready
この8曲であるが、来日時の演奏と基本的には変わっていない。しかしアルバムより一歩進化した印象を受けるのは、ウォルデンのドラムスによってパワー・アップした感があり、又スミスのベースもJazzyなタルとは若干異なってロックそのもののエネルギーを感ずる。
しかし、ライブものはスタジオ盤と違ってのその場の変化や迫ってくるパワーが違って素晴らしい。それはこの好録音も見逃せないところだ。
さて、この盤の印象を語れるのは、やはりジャパン・ツアーの内容を体験しているからに他ならない。又そんな意味でもこの良質のブートも巷に流れていることをチェックしておこう。
「JEFF BECK International Forum, Tokyo, Japan 13th April 2010」 Bootleg , 2010
2010年4月13日の東京国際フォーラム全曲オーディエンス収録2枚組ブート・アルバムである。
これがなかなかクリアなサウンドで、ここまでブートで演奏22曲全曲聴けるのであるから嬉しいことだ。さすが日本、オーディエンスは比較的良好な態度だ。肝心の演奏はしっかり聴いている。録音に全くの支障ないところが立派。
上の Grammy Museum の演奏と比較しても決して手を抜いていないのが解る。
Jeff Beck はかってはライブもののリリースを拒んでいた経過があるが、近年逆にライブものに結構力が入っているようにも見える。
そして今回は、メンバーの影響もあるのかとも推測するが、演奏そのものにもウォルデンのパフォーマンスが明るくパワフルで、ジェフ本人は結構楽しんでいるようにも見えし、66歳になった彼が一歩も二歩も我々に近くなってくることに嬉しく思うのは私だけではないであろう。
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コメント
ジェフ・ベックも66歳ですか。びっくりしますね。外見からは全く想像できないくらい、彼は年齢不詳です。
ところでブートレッグのライヴ・イン・ジャパンは5000円くらいでしょうか。公式盤は発売されないでしょうから、せめてブートレッグでも聞きたいものです。
投稿: プロフェッサー・ケイ | 2011年1月26日 (水) 23時45分
プロフェッサー・ケイさんコメントどうもです。
ほんとに、ジェフ・ベッの格好良さからは年齢は感じられないですね。曲もあのギター・テクは若いです。
昨年の国際フォーラムのライブ・ブートCD(2枚組)は、値段はそんなにしなかったと思います(3000円台だったような)。しかし、ウォルデンとスミスのリズム隊は、私好みで迫力ありますね。
投稿: 風呂井戸(*floyd) | 2011年1月27日 (木) 17時23分