ジェフ・ベック Jeff Beck : とにかく楽しい「Rock'n'Roll Party」
1950-60年代の楽しかったロックン・ロールの再現
「Jeff Beck / Rock'n'Roll Party ~honoring Les Paul ジェフ・ベック ライブ・アット・イリディウム」 DVD eagle vision YMBA-10235 , 2011
今、こうしてロックン・ロールをジェフのギターで聴いてみると、ほんとにあの時代は楽しかったのを思い出す。
今回のライブは、ニュー・ヨークの中心街にあるもともと100人程度の収容のレス・ポール所縁のイリディウム・ジャズ・クラブのもの。前回のライブものも、あの小さいロニー・スコッツでのものであったし、どうゆう訳か?ジェフは近年そんなライブものをオフィシャルにリリースする。
ゲスト参加は、イメルダ・メイ(Vo.)、ダレル・ハイアム(Vo. Guit)、トロンボーン・ショーティー(Trom.)、ゲイリー・US・ボンズ(Vo)、ブライアン・セッツァー(Guit.)で、キーボードのジェイソン・リベロも登場。
バンドはイメルダ・メイ・バンドの面々だ。2009年にロンドンのTheO2のインディゴ2での共演で息はピッタリ合っている。
主力のロックン・ロールの曲目は、イメルダ・メイとの共演を既に私はO2アリーナのライブ・ブートDVD(このブログの20010.4.8-9で紹介)しっかりみているため、大きな驚きはなかったが、しかしこのオフィシャル盤の映像とサウンドですっかり堪能してしまった。
このライブの一つのポイントは、なんと言ってもジェフがアルバム「Emotion & Commotion」で共演したイメルダ・メイだ。とにかく彼女の唄うパフォーマンスは圧巻だ。彼女は”アイルランド”の歌姫と言われるロックン・ロールの実力派。私は彼女を”アイルランドの美空ひばり”と命名しているが、それはあるところで喝采を浴びた。実は発声も似ていると思うし、唄がうまいところは、まさにそんな感じなのだ。
そしてこのDVDの見せどころは、ロックン・ロールの楽しさは勿論だが、やっぱりジェフの操るギター・テクニック。数種のギターのオンパレード。まずはギブソンのES-175、そしてディオ・ジェット、テレキャスターそしてレス・ポールとギターをとっかえひっかえして楽しませる。やっぱりストラトキャスターは当然登場させる。ジェフのゲストと共演のリラックスした姿は、彼の円熟をも物語っているのであろう。
50年以上前のあらゆる社会情勢が上昇していく環境がこうしたロックン・ロールの世界を造り出した。そんな中でリアル・タイムにエルビス・プレスリーを楽しんだり、レス・ポールのサウンドに酔ったりの時代が蘇ってくる。
とにかく懐かしい曲がどんどん出てくる。”Apache”は、私は好きな曲で1960年代の流行当時キャバレーと言われる場所で流したらひんしゅくをかったことのある思い出の曲だ。まだまだ日本では少数派だった。
イメルダ・メイは”cry me a river”のようにしっとりと歌うのも良いし、”Walking in the sand”のような曲をもののみごとに歌い上げる。彼女はまさに花である。
このDVDは、27曲収録しているが、視聴しているとあっという間に終わってしまうほど楽しさいっぱいである。このライブ映像は、無条件に歓迎しましょう。
1. baby let's play house
2. double talkin'baby
3. cruisin'
4. Train kept a rollin'
5. poor boy
6. cry me a river
7. my baby left me
8. how high the moon
9. sitting on top of the world
10. bye bye blues
11. the world is waiting for the sunrise
12. vaya con dios
13. mockin'bird hill
14. i'm a fool to care
15. tiger rag
16. peter gunn
17. rocking is our business
18. apache
19. sleep walk
20. new orleans
21. walking in the sand
22. please mr.jailer
23. casting my spell on you
24. twenty flight rock
25. the girl can't help it
26. rock around the clock
27. shake, rattle & roll
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