エヴァ・キャシディ Eva Cassidy 15回忌のニュー・アルバム「simply Eva」
生々しいエヴァ・ヴォイスのアコースティック盤
1996年に残念にも悪性黒色腫で33歳で亡くなったエヴァ・キャシディであるが、その15回忌に当たる今年早々にニュー・アルバムの登場となった。しばらく彼女の歌声からも遠ざかっていたのであるが、ロック・ブログを精力的に書いている親愛なるプロフェッサー・ケイ氏から、彼女のアルバムのBBCベスト10入りのニュースを知らされて、遅まきながらニュー・アルバムのリリースを知り、早速アルバムを入手して聴いているわけである。
とにかく未だに彼女のピュアーな唄声には多くのファンがいて、こうしてニュー・アルバムがリリースされるというのは、関係者の諸々の思惑は別として、又彼女自身がどう思っているかということも別にして、私は取り敢えず歓迎である。
「Eva Cassidy / simply Eva 」 Blix Street Records G2-10199 2011.1
とにかく彼女の死後の8枚目のアルバムとなるこのCDは、なんと言うか、やっぱりと言うか、アコースティック版、つまり彼女のスタジオやライブでの彼女自身のギターのソロ演奏と歌の録音盤である。
かって、後から伴奏を付けたバージョン(アルバム「Somewhere」)もあったが、今回はそうした技巧はこらさずに、ストレートに編集したものと思われる。
しかし、よくこうした好録音が残っているものだと感心するところだ。これも例の Bill Straw の編集によるもの。
1. songbird
2. wayfaring stranger
3. people get ready
4. true colour
5. who knows where the time goes
6. over the rainbow
7. kathy's song
8. san francisco bay blues
9. wade in the water
10. time after time
11. autumn leaves
12. i know you by heart
収録曲12曲は、このようにおなじみのもの。そして彼女の弾き語りタイプの唄であり、録音も良く手に取るように彼女の例のピュアーな低音から高音いたるまでの美しい声が迫ってくる。とにかくアコースティック・ギター一本での彼女の歌であるが、ここまで説得力のあるのはやはり卓越した技量の持ち主であったと、今更思うところである。
私の好きなアルバム「Live at Blues Alley」にも”autumn leaves”が、同様のスタイルで登場するが、どうもこれは別バージョンだ、こちらも悪くない。 ”time after time”も同名のアルバムと類似したバージョン。
1、2、3、.9の曲はアルバム「Songbird」にやはり登場するが、それはバンドがバックにありそれなりに作られたもので聴き応えは十分あるが、このアルバムのアコースティック版は又結構シンプルでいけるので面白い。とにかく彼女の歌声を実感するにはこの上ないアルバムとなった。
”San francisco bay blues”は多分過去のアルバムには登場していなかったと思われるが、はつらつと歌い上げている。
最後の a capella の54秒という短い”i know you by heart”の生々しさは凄い。うーんこれでこのアルバムを締めるテクニックには脱帽だ。
久々にエヴァ節に酔ったニュー・アルバムであった。
(試聴) http://www.youtube.com/watch?v=Ce-5OWBNGNw
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コメント
いやービックリしました。もうアルバムを入手されたのですか。通販ですか。
風呂井戸氏のおかげで素晴らしいシンガーを知ることができました。感謝しています。彼女が生きていれば、もっと素晴らしいアルバムが生まれたことでしょう。残念でなりません。
投稿: プロフェッサー・ケイ | 2011年3月 8日 (火) 22時08分
プロフェッサー・ケイさん、こんばんわ。
とにかく、関係者の諸々の思惑は色々とあるでしょうが、それはそれとして、私にとっては貴重な唄声、これは無視できませんので取り敢えず入手しました。^^)
私の好きなアルバム「time after time」に通ずるところがあります。ケイさんのニュースが貴重でした。どうも・・・です。
投稿: 風呂井戸 | 2011年3月 8日 (火) 23時47分
いやあほんとですか?彼女のアルバムはほとんど持っていますが、新譜なんてまったく思いもよりませんでした。私もとりあえず入手してみます。貴重な情報ありがとうございました。
投稿: 大屋地爵士 | 2011年5月12日 (木) 23時48分
大屋地爵士さん、こちらまでどうも・・・・です。
エヴァ・キャシディは今でも愛されていることの事実などが、一つにはこうしたアルバムをリリースさせる根拠なのではないでしょうか?。そして次第にa capella及びそれに近いものが発掘されて・・・・なお、彼女に接近できた感覚になります。
投稿: 風呂井戸 | 2011年5月13日 (金) 22時41分