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2011年3月31日 (木)

キャメル CAMEL の一考察 (3) : オフィシャル・ライブ盤の魅力

キャメル演奏の魅力はライブで・・・・

 ブートレグでは多くのライブものがあるのはキャメルも例外ではない。しかしこうしてみるとオフィシャルなものでも、意外にライブ盤が揃ってきているキャメルだ。数枚挙げてみる。

Aliverecord 「CAMEL / A LIVE RECORD ライブ・ファンタジア」GAMA RECORS  POCD-1825/6 , 1978

キャメルの初オフィシャル・ライブ・アルバム。1977年、5thアルバム「Rain Dances」リリースした際に、ゲストとして Mel Collins(Sx, Fl, Clarinet) 、Brian Eno(Key.)など多数迎え、その後ライブも活発に行った。その当時の1974-1977年収録ものである。従って、バーデンス、ラティマー、ウォード、ファーガソンに加えて、Mel Collins, Richard Sinclair が参加している。
 タイミングとしてはこの直後に「Breathless」をリリースしたわけで、初期と第2次キャメルの様子が比較できるアルバムとして面白い。
 過去のヒット曲を並べ、特に「Snow Goose」をDavid Bedford指揮のロンドン・シンフォニー・オーケストラと共演し、全曲2枚目のLPのC、D面に収録している。

Ontheroad1981 「CAMEL / ON THE ROAD 1981 」Camel Production PCCY-01097, 1997

 まあ不思議な言葉であるが、オフィシャル・ブートレグというところで、BBC音源によるアルバム「NUDE」リリース後のツァー収録である(1981年4月ハーマンスミス・オデオン(ロンドン))。

 これはラティマーによるライブ盤リリース活動の一環で、十数年後の1997年になってのリリースものだ。この時は既にバーデンスは抜けていて、オリジナル・メンバーはAndrew LatimerとAndy Wardのみ。BassにColin Bassが登場している。彼は「リモート・ロマンス」から参加して既に重要なメンバーになっている。他はKit WatkinsとJan SchelhaasのKeyboardsだ。つまりバンド:キャメルもいよいよラティマー主導のものとして動いていることが判る。
 収録曲は”never let go”でスタートするが、主として「NUDE」からの10曲であり、アルバムでは Mel Colinsのフルート、サックスが入るが、このライブでは既にいない。

Pressurepointcd 「CAMEL / PRESSURE POINTS~Live in Concert」Esoteric Recordings ECLEC 22162,  2009

 前回紹介した1984年の「Stationary Traveller」リリース後映像盤(LD)でお目見えした5月11日、Hammersmth Odeon のライブもののCD盤。しかもこの"ECLEC 22162"は、24-bit リマスター盤でサウンドも向上し収録曲も6曲追加の全16曲で2009年にCD2枚組でリリースされたもの。LD映像盤よりも3曲多い。
 この時のキャメルは実に中身が濃い演奏であった。いや過去に於ける最高のスタッフと演奏を行ったと言ってもいい。特に既にバンドから離れていた Mel Collins (Sax) とPete Bardens (Organ)もゲスト参加している。従って Keyboards が4人スタッフと豪華で、Andy Latimer のギターも冴え渡る。
 内容は、過去のヒット曲集とアルバム「Stationary Traveller」からの曲であり、初のオフィシャル映像盤としても収録したことよりも、かなり力の入ったライブもの。
 この活動で、キャメルは一端幕を閉じたわけで、そんな意志の入ったライブものとして見ると、なかなか感動ものである。キャメル・ファンとしては必聴盤。

Neverletgo 「CAMEL / NEVER LETGO」 CAMEL Productions CP-004CD , 1993

 この盤はあのアルバム「怒りの葡萄 Dust and Dreams」リリース後のライブもの。いわゆるオフィシャル・ブートレグである。
 既に、ラティマー・キャメルとなっての完成域に入っている。
 これは前回にも取り上げているので参照して欲しい。

Commingofage 「CAMEL / COMING OF AGE」 CAMEL Productions PCCY-01232 , 1998

アルバム「怒りの葡萄」で復活を遂げたラティマー率いるキャメルは、コンセプト・プログレ・アルバムの型を完成させた。
 そして4年後の1996年には、ラティマー自身のルーツであるアイルランドの歴史にみる悲劇の舞台を描くに至ったアルバム「Harbour of Tears :港町コーヴの物語」をリリースし、そして97年のワールド・ツアーよりのライブ録音もの。このツアーは日本でも大阪、名古屋、東京、川崎と訪れ歓迎された。ここに収録されたものは、3月13日カルフォルニアはロスのBillboard Live である。
 とにかく精力的ライブで、なんと30曲披露。その中、28曲がこのライブ盤で聴ける(CD2枚組)。過去のアルバムからのヒット曲12曲に加え、「怒りの葡萄」から4曲。そして「ハーバー・オブ・ティアーズ」から12曲で、あの”父に捧げる詩”で幕を閉じる。
 メンバーは、アンディ・ラティマーとコリン・バースのコンビは当然で、それにFoss Patterson(Key. Vo.) と Dave Stewart(Drums)である。もともと哀愁と美しいメロディのアルバム「ハーバー・オブ・ティアーズ」であり、このライブ盤でも後半はじっくりとアイルランドの風土からの曲の流れに我々を導いてくれる。
 
 

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コメント

親愛なる風呂井戸さま
 やはり「ライヴ・ファンタジア」以外で、ライヴ盤を1枚選ぶとすれば、「Coming of Age」になるのでしょうか。それとも「Pressure Points」になるのでしょうか。前者は過去のヒット曲+「ハーバー~」、後者は+「スティショナリー~」という感じがします。満遍なく代表曲だけのライヴ盤というのはオフィシャルでは存在しないのでしょうか?
 自分は「ライヴ・ファンタジア」を持っているので、それ以外のライヴ・アルバムを聞いてみようと思っています。

投稿: プロフェッサー・ケイ | 2011年4月 4日 (月) 18時44分

 プロフェッサー・ケイさん、どうもです。
 両アルバムとも2枚組で内容は濃いですが、「stationary traveller」をどう希望するかでしょうね。私は絶対にあったほうがいいと思うのは、「Pressure Points」のリマスター版の2枚組ですが、その後のキャメルも捨てがたく、「Coming of Age」も欲しいところです。両アルバムとも2枚組の1枚は過去のヒットもの、後の1枚はおっしゃるとおりのその時のリリース・アルバムの再現ですが、しかし演奏内容はぐっと深くなっています。注意としては、後者の「Coming of Age」は、「Stationary traveller」は、取り上げていません。従ってやっぱり両方ですね(笑)。

投稿: 風呂井戸 | 2011年4月 4日 (月) 19時38分

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