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2011年3月16日 (水)

ディナ・ディローズ Dena DeRose (2):「STARS / The December 2nd Quartet」

本格的ジャズ・アルバムとして彼女のヴォーカルと演奏が楽しめる

Stars 「STARS / The December 2nd Quartet」 VEGA Records ART-7001 ,   2010

 ディナ・ディローズ(Piano, Vocals)を中心としたカルテットの演奏。彼女の近作(昨年リリース)である。


(personnel)
  "The December 2nd Quartet"
     Dena DeRose : piano , Vocals
     Dominick Farinacci : trumpet , flugelhorn
     Ray Drummond : Bass
     Akira Tana : Drums

     Benny Green : Piano (2.3.8.10)


 ディナと長いつきあいのベースのレイとドラムスのアキラ・タナに、トランペットのドミニクDominick Farinacci をフューチャリングして構成されたカルテット。そして4曲にピアノのベニーが参加している。
Dena1  音楽教職も兼ねて(ウィーンにて教授職)おり、ニュー・ヨークなどでも活躍中の彼女のピアノ弾き語りのジャズ・ヴォーカルは、淀みがなくスマートで、そして知性の感じられるところとして人気がある。
 最近は、2007年、2009年とスタンダード集をリリースしているが、今回のこのカルテットものもなかなか本格的ジャズとしての感覚から、評判が良かったもの。

(List)
   1. a dream is wish your heart makes
   2. stardust
   3. stars
   4. turn out the stars
   5. like a star
   6. stairway to the stars
   7. i wished on the moon
   8. star eyes
   9. stars fell on alabama
  10. when you wish upon a star
  11. what are you doing the rest of your life ?

 彼女のピアノ7曲及びヴォーカルは8曲、インスト曲3曲のオール星と月のテーマ曲で埋められている。楽しいのは、演奏にかなりの工夫とメンバーの実力を網羅しているところだ。そして、そこにディナのヴォーカルが色づけしてゆくパターン。もともと彼女のヴォーカルは、押しつけがましいところがないので、こうした曲作りには打って付けだ。
 なにせ”奇跡の一枚”と銘打っただけのアルバムであり、ちょっとそれは・・・・とも言いたくはなるが、ジャズを代表してのオーソドックスさはピカ一だ。聴きようによってはお手本といっても良いのかも知れない。

 オープニングの曲”a dream is a wish your heart make”では、無音からいきなり彼女の"a dream is ........"と、ヴォーカルでスタートで度肝を抜かれ、確かに予期せず圧倒される。2曲目”star dust”ではドミニクのトランペットによる旋律が流れ、我々には懐かしの世界に導かれる。そしてここではゲスト参加のベニーのピアノがサポートしてよき時代の気分に浸れる。3曲目”stars”では、再びディナのヴォーカルが登場、丁寧な節回しが印象的で、ベニーのピアノも全開する。完成されたジャズ曲の構築が成される。
 4.”turn out the stars”では、今度はディナのピアノ・プレイが堪能できる。5.”like a star”、6.”stairway to the stars”のディナのヴォーカルの安定感は素晴らしい。それに続いてのトランペットへの流れは美しい。7.”i wish on the moon”は、アキラのパーカッションとディナのヴォーカルとピアノが最高の気分にしてくれる。 
 8.”star eyes”は、ヴォーカルなしのテンポの効いた演奏で、続いてのスローなスウィング調の9.”stars fell on alabama”につなぎ、ディナのヴォーカルとピアノでこのアルバムの一つの締めくくりをする。
 10.”when you wish upon a star”は、アンコール的に有名曲を聴かせていただいて納得、11.”what are .........”でカルテットの総決算的演奏を展開してこのアルバムを閉じる。

 いずれにしても完成したジャズ・アルバムである。ここまで出来上がっていると”奇跡”と言いたくなるのかも知れない。
 ディナ・ディローズのアルバムでは、これはジャズを堪能出来るアルバムの最右翼である。そして仮に、彼女のヴォーカルを堪能したいなら、前回紹介したアルバム「A WALK IN THE PARK」であると言っておこう。
 

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