サンタナ SANTANA (7) : 初期サンタナ「On the road to Woodstock」
原点の楽しさはここにあり・・・・
「SANTANA / On the road to Woodstock 」 Rokarola Records 250283 , 2011
近年はロック、ジャズ(ブルースを含めて)などを始め多くのミュージシャンと演奏を楽しんでいるカルロス・サンタナCarlos Santana ではあるが、やはり彼の原点であるサンタナ・ブルース・バンドからラテン・ロックと言われたあの1969年のウッドストックの衝撃的デビューまでの初期バンドであるサンタナの姿に、今でも多くのファンがいることは事実だ(私を含めて)。そんな事情で今年も又ウッドストック・デビューまでの彼の姿を浮き彫りにするアルバムが40年以上経ったとはいえこのように登場しているのだ。
いずれにしても、キーボード・プレイヤーでヴォーカリストであったグレック・ローリーGregg Rolie とジャム・セッションで知り合ってから、サンタナは友人を集めて”サンタナ・ブルース・バンド”を結成したのは1966年。 そして1967年には、オーナーのビル・グレアムのリードで、ブルースからラテン・ロックへと方向を変え、バンド”サンタナ”として活動開始。その後マイク・シュリーブ(dr.)、ホセ・チェピート・アリアス(per.)などの加入で6人バンドであの歴史的1969年ウッドストック・フェスティバルに参戦、衝撃的デビューを飾った。同時に発売された1stアルバムは圧倒的支持を得た。
こんなデビュー直前の彼らの演奏を集めたのがこのアルバムだ(以前に1968年フィルモア・ライブ・アルバム「Live at the Filmore'68」を紹介したが(当ブログ2010.1.30参照)、これはスタジオ録音が中心)。 収録曲は左のとおりのCD2枚組で19曲(クリックにて拡大)の142分に及ぶ。
CD1は、初期バージョンの”soul sacrifice ”からスタート。この曲は意外に録音も良い。”acapulco sunrise”、”let's get ourselves together ”と2、3曲目を聴いてみると、やはりサンタナのギターとグローリーのキーボードが主力である様子が良く解る。”latin tropical”、”el corason madara”は双方とも11分を超える曲であるが、ラテン・リズムをベースにJazzyな演奏でなかなか面白い。又サンタナのギター・サウンドも荒削りとはいえ唸り挙げてなかなか名演、そして近年の音とは違うところが聴きどころ。”la puesta del sol”も10分越えの演奏を展開してじっくり盛り上げていくところはジャズ的手法を展開。おなじみ”jingo”も10分に迫る演奏だ。今こうして初期のものを聴いてみると、パーカッションとベースで刻むリズムを延々と続けるところがなかなか新鮮で良い。
CD2は、トップの”santana jam”が14分の演奏で楽しませてくれる。これは是非サンタナ・ファンには聴いて欲しい。”fried neckbones and home fries”は文句なしの貴重版。”as the years go by”は、後半サンタナの泣きギタターが登場。”trvelin' blues”はサンタナのブルース・ギターに堪能出来る。最後の”jammin' home”はこの時代のサンタナを象徴した演奏だ、一聴してほしいところ。
とにかく、こうした録音が現在公開してくれることは歓迎だ。音質は古い録音ものとは言え、やや硬いがクリアであり文句は言えない。いやはや懐かしさ満点のアルバムであり、サンタナ・ファンにはお勧め盤。
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