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2011年5月12日 (木)

円熟のマリリオンMarillion の姿を映像で:DVD 「Live from Cadogan Hall」

アコースティック・バージョン・ライブにみるマリリオンの究極の姿

Livefromcadoganhall  DVD 「marillion / Live from Cadogan Hall」 ear music ROCKET RECORDS EV303479 ,  2011

 一昨年、マリリオンはアコースティック・バージョンのアルバム「Less is  More」をリリースした。それは彼らのプログレ感覚をベースにしてのポンプ・ロックに固執して頑張ってきた一つの結果であったと思う。つまり彼らの究極に近い姿をスタジオ録音盤で披露してくれたわけだ。
 そしてその後の活動についてはメジャー・レーベルとの契約もないため、我々には特別のニュースもないわけだが、今年になって、あの時のアコースティックな演奏の彼らの円熟の姿のライブ映像盤が届いた(実際にはアコースティツクといっても多種多様な楽器を用いての演奏で、エレクトリック楽器も使われる)。

 これは英国はロンドンのCadogan Hallでの”Less is Moreツアー”の最終日(2009年12月7日)の録画である(DVD2枚組127分)。なかなかアコースティック演奏には手頃の大きさのホールで、録音も良くDTSサラウンドで聴ける。このホールは1901年に立てられた英国バロック様式の塔のある建物で、もともとは教会であり、現在はクラシックなどの演奏ホールとして使われているらしい。

Marillionmembers  このホールにメンバーの5人(Steve Hogarth: Vo.,Key.その他、 Steve Rothery: Guit.、 Mark Kelly: Keyb.、 Pete Trewavas: Bass、  Ian Mosley: Drum.)が、ゆったりと落ち着いて楽器を前にして椅子に座って演奏する姿は、いかにも百戦錬磨の味がある。又いかにも楽しんで演奏しているかの雰囲気が伝わってくる。実は私は彼らのこの姿に諸々の事情を鑑みて、なんかほっとした気分になっているのである。

Livelist  収録曲は、かって紹介したアルバム「Less is More」の11曲全曲がDisc1で、更に10曲(Disc2)の21曲である(左参照:クリック拡大)。主なるところは、1980年代末のスティーヴ・ホガースの加入後の彼らの過去のアルバムから選ばれた曲をアコースティックな演奏での焼き直している。
 しかし焼き直しと言っても、その出来が実に説得力があって素晴らしい(このブログの2009.10.19”マリリオンMarillion :プログレの一世界の新譜「Less is More」”参照http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2009/10/marillion-less-.html)。それぞれの曲が別の感覚で聴けるところが単なる焼き直しでないことを示しているのだ。そしてここまで繊細な音空間を築き上げていることは、彼らの演奏と歌が、ポンプ・ロックから更に円熟したものへ発展していることが知らされる。この映像盤にみる演奏の姿を見るにつけ更にひしひしとその事実を感じ取ることが出来るのだ。

Marillionhogarth ホガースのヴォーカルは、このアコースティック版になって、一層その歌い回しの微妙なテクニックが冴えているし、特に叙情的とも表現される因子が増大している。
 最近の彼らの活動についてはあまり情報がないが、このタイプの新曲盤も欲しいと思うのは私だけではないと思う。このロックから超越した姿は、アルバム「Less is More」リリース後の一年半ぶりの今に、この映像が登場した裏には、更なる何かの事情があるのか?と、どちらかというと期待的感覚でこのDVDを堪能しているわけである。
 
 プログレシブ・ロック崩壊後、その穴の開いた空間を埋めてくれたマリリオン。彼らがテビューして30年、ホガース加入から20年少々という現在、新しい展開があることを期待するのであるが・・・・・。


 

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コメント

マリリオンのメジャーアルバム契約が切れて久しい。昔は東芝EMIやポニー・キャニオンでした。できればまた国内盤が発売されることを願っているのだが、厳しいだろうなあ。
 以前、"Happiness is the Road"という2枚組輸入盤を購入して聞いてみましたが、1枚目はコールドプレイのような今風のサウンドだったことを記憶しています。もう一度、日本でもマリリオンが再評価されることを願ってやみません。

投稿: プロフェッサー・ケイ | 2011年5月18日 (水) 22時47分

 プロフェッサー・ケイさん、いつも精力的な書き込みのブログを読ませていただいています。
 マリリオンはやっぱりケイさんにとっても評価が高いようで嬉しいですね。そろそろそれなりに充実しているんですから、確かに日本でもサポートすることも必要なのかも・・・・・。

投稿: 風呂井戸 | 2011年5月19日 (木) 10時01分

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