Jazzyなメロディ・ガルドーMelody Gardotの世界(5):「my one and only thrill / DELUXE EDITION」の賛否両論
そろそろ3rdアルバムに期待しているところであるが・・・・・・・
「MELODY GARDOT / Bye Bye Blackbird」 DECCA- 2754306 , 2011.5
とにかく、フィラデルフィア出身1985年生まれのメロディ・ガルドーは私の期待中の期待の女性ジャズ・ヴォーカリストである。魅力はシンガー・ソングライターということと、なんと言っても Larry Kleinのプロデュースによる彼女を支えるバンドとの醸し出す世界により作られるアルバムは、Jazzの持つ深遠な世界としてピカイチだからだ。2009年の2ndアルバム「My One And Only Thrill」の出来は素晴らしく世界的ヒットとなり、ライブ活動も盛んだが、それ以来のニューアルバムは目下まだ届いていない。
しかしながら、ここに4曲のEP盤の登場だ。これは、先日発売された「MELODY GARDOT / My One And Only Thrill DELUXE EDITION」に付けられた一枚。
Vocals & Guitar : Melody Gardot
Guitar : David Preston
又この”DELUXE EDITION” には、本来のアルバム12曲に”CHILL OUT REMIXES”として3曲がボーナス・トラックスが加えられいる。従ってこの企画には取り敢えず3曲のニュー・バージョンとこのEP盤としてのカヴァー曲4曲が聴くことが出来るのだ。
実はこの”DELUXE EDITION”が発売されることは知っていたが、このように内容に7曲が加えられていることは知らなかった。ところがその内容を友人から知らされて、ビックリしながらこの7曲を聴くことになった。つまり一曲も聴き逃したくないというのが、私にとっての彼女の作品であるからだ。
”CHILL OUT REMIXES”
1. our love is easy
2. baby i'm a fool
4. my one and only thrill
”EP / Bye Bye Blackbird ”
1. get out of town
2. someday my prince will come
3. bye bye blackbird
4. summertime
”CHILL OUT REMIXES”の3曲は、これは多分アルバムではこのパターンを採用するのは多分若干抵抗があろうかと思われる技巧を凝らしている。しかし、このパターンをやってみたいという彼女自身やバンド・メンバーの発想、そしてEngineerの Charlie Patiernoの挑戦的作業からうなずけないこともない。もともとそうした新しさを求めようとする感覚が彼らにはあるからだ。是非とも聴いてみて欲しい。多分、賛否両論の世界であろう。
EP”Bye Bye Blackbird”の4曲はスタンダート曲だが、これらはアコースティック・ギターのみのバックで、彼女の唄い込みが十分堪能できるように聴かせる曲作り。このパターンも一つには実験なのかも知れない。取り敢えずのサービスといったとこなのであろう。
さて・・・ここで一言。どうも最近はヒット・アルバムが出ると、そのスペシャルとかデラックスとかの別バージョンが流行である。それには一般的には映像ものを付けたり、このメロディー・ガルドー版のようにニュー・バージョンの曲を付けたりして又売りするわけだ。
しかし、ファンの意識はやはり別物があったり、映像ものがあったりすると見逃したくないというのが心理である。その為同じアルバムを再び買って、視聴きすることになる。どうもその商法が私は納得できない・・・・と、言うことなのである。
先般(昨年)、このメロディ・ガルドーの「My One And Only Thrill ”SPECIAL EDITION”」というのもあって(このブログの 2010.4.24”LIVE IN PARIS の魅力”参照)、パリ・ライブ音源5曲を付けてのリリースであった。これも実にまた素晴らしい5曲の出来で、聴き落とすわけにはいかないというところ。つまり今回の”DELUXES EDITION”が加わって、同一アルバムの後のダブル・パンチが襲ったわけだ。 取り敢えずあまり文句も言わずに聴くことにしようと思ってはいるものの・・・ちょっとこうした商法に一言、言ってみたくなったのは解っていただけるかどうか?(考えてみると、過去にこのブログでも何回と取り上げているが、キング・クリムゾンの場合などは、特に「宮殿」なんかはLP含めて何枚持っているか、そら恐ろしくなる)。
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コメント
大好きなんですよー、メロディさん。数年前のライブにも行きました。でも、EP盤知りませんでした~。彼女の Bye Bye Blackbird聴いてみたいです。
仰る通り2ndアルバムが傑作でしたので、3枚目にも期待しちゃいますね。
投稿: SLEEVE | 2011年6月16日 (木) 03時24分
SLEEVEさん、コメントどうも・・・・。
メロディー・ガルドーは、私の感覚ではこの近年の女性ジャズ・ヴォーカルとしては、最右翼の逸材だと思います。取り敢えず応援いたしましょう。
投稿: 風呂井戸 | 2011年6月16日 (木) 20時36分