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2011年6月26日 (日)

イエス(3): ニュー・アルバム「YES / FLY FROM HERE」

  遂に登場の新生YESのニュー・アルバムは美しかった

 前回、このブログで2010年9月に<”90125イエス”から”8人イエス”、そして分解>と題してメンバー交代劇のめくりめくる姿を考察してみたわけであるが、それ以降のイエスの姿は中期貢献者のギターのトレバー・ラビンからオリジナルのスティーブ・ハウに、リック・ウェイクマンの出たり入ったりと、混迷期は続き名作には恵まれなかった。しかもジョン・アンダーソンは2005年にはツアー拒否などでバンド活動は停止。従ってアルバムは2001年のキーボードなしの「マグニケイション」発表でストップ。
 その後のイエスは、ハウとダウンズのエイジア復活参加などあるも、2008年には取り敢えず、アンダーソン、ハウ、スクワイア、ホワイトとオリバー・ウェイクマン(リックの息子)で落ち着いたが、アンダーソンが喘息の悪化の理由でリタイア(しかし彼の勝手な行動はその後ソロ・ライブを行っている)。
 ここで2008年にはアンダーソンを拒否し、代わりにニュー・ヴォーカルとしてベノワ・ディヴィッドを入れることでようやくイエスは安定した。(しかし初期から一貫してイエスを保持したのはやはりクリス・スクワイア一人であった)
 そして2008年の彼らが2010年に正式メンバーとなり新生イエスが誕生してここにニュー・アルバムの登場となったわけだ。

Flyfromhere 「YES / FLY FROM HERE」 AVALON MIZP-3001 CD+DVD ,  2011

 とにかく10年ぶりにかっての三大プログレ・バンドのYESのニュー・アルバムのリリースであり、まずはおめでとうと言いたい。とにかくニュー・ヴォーカルが気になるところであるが、カナダ人である彼も既にイエス・メンバーとして三年になるのでパターンは出来上がっているであろう。
 しかし、キー・ボードがジェフ・ダウンズに変わっていて、これまたおゃっと思わせるが、深く考えない方が良い。とにかくこのバンド構成は疲れるところ。

   1. fly from here-overture
   2. fly from here pt1- we can fly
   3. fly from here pt2- sad night at the airfield
   4. fly from here pt3- madman at the screens
   5. fly from here pt4- bumpy ride
   6. fly from here pt5- we can fly reprise
   7. the man you always wanted me to be
   8. life on a film set
   9. hour of need
  10. solitaire
  11. into the storm
  12. hour of need*

Members_3  このアルバムのメンバーは結局のところ左のcris squire(bass), steve howe (G.), alan white(Dr.), geoff downes(key.), benoit david(vo.) の演奏陣にかっての盟友トレバー・ホーンがプロデュースを担当、お互いに知り尽くした仲間での作業であった。
 もともとトレバーとジェフでのアルバム「ドラマ」の頃のライブのみでの演奏曲”we can fly from here”を発展させたところからスタートしているようだ。と、言うことは30年ぶりの実現と言うことになる。そしてそれが”fly from here”というタイトルになり二十数分におよぶ曲に仕上げたわけだ。つまりトレバー・ホーンの力が大きい。それはこのアルバムには制作時の模様を映像で納めたDVDが付いていて、そこでそれぞけのメンバーが語っている。

 確かにベノワ・ディヴィッドの声は美しい。ジョン・アンダーソンとそっくりと言われていたが、そこまでは似ているわけでないが、かってのイエスのムードは十分にこなしている。
 そしてこのアルバムは実に纏まった”fly from here”組曲から始まって、非常に聴きやすい美しい曲群のものとして出来上がっている。あまりにも美しく完成されていて、若干物寂しいところもあるが、10曲目の”solitaire”は、ハウのアコースティック・ギター・ソロも楽しめるし、取り敢えず新生イエスはサービス精神旺盛に熟年の輩が楽しみながら作り上げたというアルバムになった(クリスの暴れたベースがないのがちょっと寂しいが)。
 おまけにジャケ・アートもロジャー・ディーン作で、このあたりもかなり意識してのイエス復活劇を企んだことが良く解る。
 さてさて、彼らの子供や孫の時代になって、このイエスがどう受け入れられていくのであろうかと、ちょっと楽しみにみていこうと思っている。

 現在既にツアーに入っている彼らは、問題児(児という歳ではないが)のジョン・アンダーソンがいないだけに、多分楽しいライブを展開していることと推測する。

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コメント

ついに来ました、イエス。期待できそうなアルバムですね。私も近いうちに購入しようと思います。
 どうも6月というとイエスを思い出してしまうんです。「危機」のジャケットの色と田舎の田んぼの稲の葉の色がリンクしています。初めて聞いたときがその時期だったものですから…
 9月にはフロイドのボックス・セットも出るようなので、そちらの講評もお願いします。

投稿: プロフェッサー・ケイ | 2011年6月27日 (月) 23時29分

ジョン アンダーソンなしでは、イエスでありえない。イエスと歌は、ジョン以外歌えない。ワタシもそう思っていました。そういう雰囲気90%以上の中で、投下されたのがドラマでした。

そして、再結成エイジアでジョン ウェットンが楽々「ラウンドアバウト」を歌っているのを見て、「イエスの歌って、それっぽく歌える人がいるのだ」と気付きました。ドラマから30年。トレバー ホーンの怨念がここに炸裂するのでしょうか。

とまだ聴いてもいないのに、プロモだけ見て書いてしまいました。

投稿: nr | 2011年6月28日 (火) 00時00分

プロフェッサー・ケイさんこんばんわ。
 今度のイエスはかってのめくりめくる変調子とそれぞれメンバーのテクニックが見事にシンクロする音の綾の高度な姿は後退して、簡単に言うとやさしくなって、そして美しくというパターンですね。
 そうですね、ピンク・フロイドの秋の企画ものは1アルバムづつ約1万円で攻めてきますね。軍資金が大変です(笑)。

投稿: 風呂井戸 | 2011年6月28日 (火) 00時01分

 nrさん、こんばんわ。
 キング・クリムゾン・プロジェクトはフリップ翁の術中にはまって買いましたが、まあそうしなければ私は買わなかったかも・・・と考えるとどっちが良かったのか?疑問の一発でした。
 今度のイエスは、お互い歳をとって又ここでやってみるかと、いかにも楽しんでいるようなアルバムで是非とも共に我々も楽しませていただきましょう。まあ年寄りのあだ花としては良いのかもね。
 さて、残るはピンク・フロイド。ただ過去のものでお茶を濁すのは止めて欲しいが・・・・、どうなんでしょう?。

投稿: 風呂井戸 | 2011年6月28日 (火) 00時14分

聴いてみました。

リラックスイエスというか、昼寝イエスというか。

投稿: nr | 2011年7月 6日 (水) 23時48分

 取り敢えず、やっぱりnrさんも聴かざるを得ないのがYESですね。
 ”昼寝イエス”ですか(笑い)、まあ歳とったら、無理しないで昼寝がいいかも・・・・。

投稿: 風呂井戸(*floyd) | 2011年7月10日 (日) 10時18分

こんにちは。先日はTBありがとうございました。

このアルバム,Yesだと思って聞くと,ゆるゆるな感覚に愕然としてしまいますが,Yesだと思わなければそれなりに聞けるかなぁなんて思ってしまいました。まぁいずれにしても,現役でいることは悪いことではないですが。

ということで,遅くなりましたが,こちらからもTBさせて頂きます。

投稿: 中年音楽狂 | 2011年11月 2日 (水) 15時47分

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