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2011年7月25日 (月)

ジャック・ルーシェ(8)  プレイ・バッハ・トリオの映像盤:ミュンヘンとライプチヒ(1)

2期、3期のトリオを映像盤で楽しむのだが・・・・・

Ldplaybach89  ジャック・ルーシェ・トリオの「プレイ・バッハ」の映像盤は実はそう多くない。従って私にとっては愛蔵盤であるのは、1991年にLDでリリースされた左のミュンヘン・ライブである。

「The Jacques Loussier Trio PLAY BACH」 (DECCA) POLYDOR POLL-1004 , 1991

 最近”LDプレイヤー”を再度復活させて楽しんでいるわけであるが、ここで登場するトリオはジャック・ルーシェJacques Loussier が1985年に再結成したもの。しかし非常に中身が濃い。
 ピアニストのジャック・ルーシェが、ベーシストのPierre Michelot とドラマーのChristian Garrosとトリオを組んでバッハを演奏した時には世界中の驚きと関心を集めた。それが1959年である。そしてフランスの洒落たセンスで聴くものを魅了したわけであるが、私が初めてこの演奏を聴いて圧倒されたのは1965年であった。彼らの演奏を聴いてからの私は、バッハ、イコールこのトリオ演奏となってしまって、本来のクラシック演奏には何か物足りなさを感ずるに至ってしまったものだ。その後1978年にこのトリオは解散した。

 しかし嬉しいことに、バッハの生誕300年にあたる1985年に、アンドレ・アルピノAndre Arpino(Drums)、 ヴァンサン・シャルボニエVincent Charbonnier(Bass)とトリオ(2期)を再結成したわけだ。
1989trio  このトリオになって更にフリーでジャジーなプレイは高まって、3人それぞれのインプロヴィゼイションもスリリングな面も加わって非常に充実した。そしてこの映像盤は彼らの1989年ミュンヘン・ライブを記録したものである。この時の演奏は実に素晴らしく、若いベーシストのヴァンサン・シャルボニエ(シャルボン)の熱演も光っていた。特にその姿は私の好きな ”パストラーレ ハ短調 BWV.590” で観ることが出来る。
 多くの音楽映像盤の中でも、これは最も私にとって大切なものとなっていたわけであるが、最近実はDVDにてもリリースされている事を知った。当然LDの時代は既に終わっており、私の場合は再生装置は復活させているが、いつ何時に終焉を迎えるか解らないので、取り敢えずDVD盤もと言うことになったのだ。

Dvdplaybach89 「THE JACQUES LOUSSIER TRIO PLAY BACH - The 1989 Munich Concert」 DECCA 074 3154

 このDVDは、大切にしてきた上のLDとソースは同一であり、特に変わってはいない。ただし音の面での改良はなされ、DTS録音もなされている。

 (List)
   Fugue No.5 in D major
   Italian Concerto
   Pastorale in C minor
   Gavotte in B minor
   Chorale "Jesu, joy of man's desiring"
   Gavotte in D major
   Brandenburg Concerto No.5 in D major
      ・・・・この7曲の収録である。

 この時のジャック・ルーシェのピアノ・タッチは見事に軽快であり、トリオとしてのリードも見事。又、シャルボニエのベース・ソロやアルピノのドラムス・ソロの演奏している姿と音を見ているルーシェの嬉しそうな表情が印象的でもある(この時、ルーシェは55歳だ)。
 更に、このDVDにはボーナスCDが付いていて、1期のオリジナル・プレイ・バッハ・トリオの演奏で、19曲が聴くことが出来る。私は取り敢えずオリジナル・トリオの全ての盤を取りそろえているので特に意味はなかったが、この21世紀の若者にも私の若い頃の感動を是非聴いて欲しいと思うので、初めて聴くものにとっては貴重と言えば貴重である。

Jacques_loussier_3_2 1998年になって、ベースはシャルボニエの病気からベノワ・デュノワイエ・デ・セゴンザックBenoit Dunoyer De Segonzac に変わって第3期トリオとなるのだが、その頃からバッハの曲は当然だが、それ以外に、サテイ、ラヴェル、ドビュッシー、バロック曲、ヘンデルそしてベートーヴェンなどにもアプローチしている。
 しかし、不思議に私の耳には、やはりバッハが最もジャック・ルーシェらしく聞こえてくるところが不思議と言えば不思議である。そしてこの3期トリオの映像盤も次回紹介する。
(続く)
 

 

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コメント

初めまして。埼玉在住の清水と申します。
私もジャック・ルーシエ・トリオの大ファンです。
実は、こちらで紹介されている1989年のコンサートDVDについてお伺いしたいことがございます。
先日私もこのDVDを購入したのですが、
DVD盤のトラック1~3くらいにかけて、
全体的にノイズがかかっていたり、
R側の音声がひずんでいます。

再生機を変えてもスピーカーやイヤホンを変えても変わりません。

お手持ちのDVDにそのような現象はみられますか?
もし私のだけであればDVD盤の不良ですかね
^^;

投稿: 清水 | 2011年10月17日 (月) 10時58分

 清水さん、コメント有り難うございます。このようなオーディオ機器再生に関する質問は歓迎です。
 仰るとおり、この私の所持しているDVD盤も”LPCM Stereo”で再生しますと、明らかにノイズがあります。”DTS Surround”による再生ではサラウンド効果は少ないですが、ノイズははっきりとしたレベルでは聴けません。製品自身の欠陥でしょうね。”DTS Surround”の方をご検討ください。
 しかしジャック・ルーシェは、私の人生に於いても宝物です。(昔のLD盤はこのノイズはなかったと思います。又取り出して調べておきます)

投稿: 風呂井戸 | 2011年10月17日 (月) 13時38分

風呂井戸 様
お返事ありがとうございます。
なるほどですね。。。
さっそくDTSサラウンドで試してみます。
まあ音源もそれなりに古いのでノイズはまだ許せるのですが、音声のひずみが激しいので最初の3曲までは全く音楽に集中できません。
LDやDVDは映像と音で鑑賞できて、CDとはまた違った形で楽曲を楽しめるのですが、ちょっと残念です。

ジャック・ルーシエはJazzでの非常に良いセンスの演奏もさることながら、あのピアノのとても澄んだクリアな音はまるで良質なクラシックピアノを聴いているかのようで、本当に素晴らしいアーティストだと思います。
最近では昔のような力強い軽快な演奏ではなくなってきましたが、編曲者としての才能も認められてきましたし、これからももっと活躍してほしいですね。
どうもありがとうございました。

投稿: 清水 | 2011年10月17日 (月) 15時33分

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