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2011年8月31日 (水)

イリアーヌ・イリアス Eliane Elias : ボサノヴァとジャズ・ピアノとヴォーカルと(3)

ソフトな歌い回しのヴォーカルも一つの魅力

 さて、イリアーヌも3回目になった。、ここでは過去のアルバムをそれぞれの私の注目の意味を込めて記したいが、彼女のアルバムも20枚はリリースされており、しかしそれを全て持っているわけでもなく、さわりに終わりそうだが、印象の強かったものをもう少し取り上げてみよう。

Deamer 「ELIANE ELIAS / Dreamer」 BMG Music : Bluebird 82876-58335-2 ,  2004

 まず、このアルバムはジャケ・アートからも絶対に逃したくないですね(写真愛好家としては、恐ろしさを感じますが(意味不明))。そんな意味も込めて私のCD棚に鎮座しています。
 中身は彼女のボサノヴァ・ヴォーカル・アルバムです。全11曲の中で彼女のオリジナル曲は1曲、そしてブラジルのA.C.Jobimの曲がこのアルバム・タイトル曲”Dreamer”を含めて2曲で、このアルバムでも重要な役割を果たしている。
 全曲彼女のアレンジがなされ、曲によってストリングス・オーケストラも入る。かなりJazzyなポピュラー・ミュージック・スタイルを追っている。


Dreamerlist  収録曲リストは左のとおり。
 彼女のヴォーカルを評するところは、2分しているようだが、もともとジャズ・ピアニストのサービス精神から始まったようなヴォーカルとして聴いてゆくと、結構それなりに楽しめる。発声音域は狭いが、ややハスキーがかったているソフトな唄い回しは一つの魅力でもある。”time alone”は、静かなストリングスをバックにピアノが語り、そしてヴォーカルがゆったりと歌い上げて、ボサノヴァとは違った味わいがある。
 このアルバムは、主力のジャズ・ピアノを期待するとちょっと拍子抜けになるが、それでも最後にはバカラックの”a house is not a home”はインスト曲で、彼女のピアノの素晴らしさでアルバムを締めている。

     **  **  **

Aroundthecity 「eliane elias / around the city」 Bluebird 82876 80228-2 , 2006

 上のアルバム「Dreamer」から2年後に、これもジャズ・ピアニストの彼女の作品としては驚きのヴォーカル・アルバムがリリースされた。本格的ジャズ・ピアノにファンも多い中、これはまさに大人のジャズィーなポップ・ヴォーカル・アルバムなのだ。多分この作品の頃は彼女は45歳ぐらいである。歳とともにアルバムの中身は若くなっていくという雰囲気すらあった。
 基本的にはラテン系の臭いはするが、若き頃に所属したフュージョン・バンド”ステップス・アヘッド”が下地にあるような曲作り。13曲中7曲は彼女自身の作だ。

Aroundthecitylist 収録曲は左のとおり。
 スタート曲”running”では、"ええ、何が起きたのか?"と思わせるパンチのある快調なテンポで迫ってくる。それがなかなかいいのである。そして2曲目には”oye como va”、これはサンタナの十八番曲。
 このアルバムでは彼女はピアノの他にハモンド・オルガン、シンセサイザーなどを曲によって変えて使っている。しかし彼女のヴォーカルは、その声の質もあろうがやはり結果的には格好良さはこのアルバムには出ているが、やっぱり癒し系の世界といっていいのではないか。
 この13曲の中でも”jammin'”、”save your love for me”、”anotherday”などやはりジャズ・ピアノ、ジャズ・ヴォーカルの曲としてのニュアンスは十分である。
Eliane3  しかしこのアルバムは、ジャズ・ピアニストの変身ぶりに圧倒された一枚でした。
 (どうもまだこのイリアーヌ話は続きそうです)

 
 
 

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2011年8月30日 (火)

イリアーヌ・イリアス Eliane Elias : ボサノヴァとジャズ・ピアノとヴォーカルと(2)

ジャズ・ピアノ・トリオとしての世界

Playslive 「Eliane Elias Plays Live」 Somethin' Else Records (EMI)  BlueNote 50999 9082782 2 , (Recorded Live in Amsterdam, May, 31th 2002) ,  2010

 イリアーヌ・イリアスの最新作は、前回紹介した「light my fire」のボサノヴァ・ヴォーカル盤であったが、彼女の素晴らしさは、ピアニストとしての洗練されたジャズ・プレイでもある。そんな意味でヴォーカルは全くなくピアノ・プレイに徹したものとしては、もっとも近作では昨年リリースされたこのライブ・アルバムがある(日本盤は「デサフィナード」)。

 これは彼女(Eliane Elias)のPiano と Bass(Marc Johnson)、 Drums(Joey Baron) のピアノ・トリオ演奏だ。 このBassのマーク・ジョンソンは彼女の夫である。
 実際の演奏日は2002年ものであるが、中身はなかなか展開のスリリングな演奏で、しかもライブものであるだけ、アドリブもそれぞれの特徴をみせて十分聴かせてくれる。

Playslivelist 演奏曲目は、左のように7曲。2曲目の”Bowing  to Bud”は彼女自身の曲で10分を超える演奏。まずは彼女のピアノ独演でスタートして、一段落後トリオ・プレイが如何にもジャズを楽しむかのスウィングしての展開という曲。(私自身は3曲目”if you could see me now”のようなスロー・ペースものの方が好きなんですが)ジャズとしてはこうした展開が如何にも楽しい。
 いずれにしても、彼女のピアノが如何に洗練されているかが聴けるスピード感もこのアルバムの特徴だ。最後の”Desafinado”は、Jobim の曲だが、18分をかけてたっぷり彼女のピアノ・アドリブ・プレイが押し寄せてくる。これぞジャズといったところ。中間部の"静"そして語りかけるベース、更にドラムスの間のある強弱の見事な演奏など十分堪能してしまう。終わったときには録音されている会場の拍手と一緒に拍手していまいそうだ。ちょっと忘れられない名演といえる。2002年の録音ものを2010年リリースというのには、彼女のヴォーカル抜きでも十分いけるという近年の自信の結果かも知れない。多分実はこちらが本名であるのだから。
 こうしたジャズ演奏を聴かせてくれるのは、彼女のボサノヴァ・ヴォーカルものとは全く別世界のように思える。この彼女の二面性は、やはり経験の豊富さと才能との結果であるのであろう。

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2011年8月27日 (土)

イリアーヌ・イリアス Eliane Elias : ボサノヴァとジャズ・ピアノとヴォーカルと(1)

ニューアルバムはボサノヴァ・アルバムだった

 とにもかくにもジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト、そして特にボサノヴァはこの女性を抜きにしては語れないと言ってもいいイリアーヌ・イリアス Eliane Elias。私にとってもここ20年大切なミュージシャンである。その彼女のニュー・アルバムが、この5月にリリースされていたが知らないでいた。時々訪問しているブログでのこのアルバムの紹介があって知り、さっそく手に入れたというところ。

Lightmyfires 「eliane elias / light my fire」 CONCORD CPI-32761-02 , 2011

 イリアーヌのジャズ・ピアノには定評がある。彼女はボサノヴァの本場ブラジル出身ではあるが(1960年生まれ)、最初のアルバム「Amamda」(1985) 以来アメリカでの活動である。クラシックピアノを弾くのはは子供の頃からの活動であったが、早くからビル・エヴァンス、ハービー・ハンコックそしてキース・ジャレットと一流ジャズ・ピアニストに憧れて成長したという。
 知られているところでは、1980年前はブラジルでのプロとしての活動をしていたが、認められてアメリカに渡る。なんといっても美貌とピアノのプレイで注目を勝ち取った。

 1985年にデビュー・アルバム「Amanda」をトランペッターの夫ランディ・ブレッカーと製作。(その後彼とは離婚しているのだが、不思議に今回のアルバムにその元夫の2曲に登場している。このあたりの関係はちょっと不思議だが・・・)
 彼女の特徴はピアニストとしての存在が大きいが、ヴォーカリストとしての評価も高い。1990年代にボサノヴァを唄い込んで、広く知れ渡った。
 しかし、ジャズ・ピアニスト・ヴォーカリストとしての実績も大きく、両分野に特にこだわりなく取り組んできた。

Lmflist このアルバムは、ボサノヴァ・アルバムだ。彼女のアルバム造りは意外にジャズとボサノヴァを明瞭に分けて楽しませてくれている。
 曲目は左のとおりで、そのボサノヴァ調は特に従来と変わっていない。曲9と10と12は彼女のオリジナル。ジャス・ピアノ・プレイも見事だが、シンガー・ソングライターとしての実力も発揮している。しかしこのアルバムは今までのボサノヴァ・アルバムとの比較ではそう際だったものはないが、やはりアルバム・タイトル曲の”light my fire”は、ドアーズの曲であるが、ゆったりとした展開でやや切ないムードたっぷりの仕上がりでこのアルバムでは一押しだ。彼女の唄の低音の魅力も十分楽しめる。エレクトリック・ギターと彼女のピアノもなかなか良い。
Eliane2  スティービー・ワンダーの”my che'rie amour”もボサノヴァ・ムードが不思議に合ってしまっているから、彼女の技巧はさすがといったところ。
 その他あの有名な曲”take five”が又聴きどころ。元夫のrandy brecker のtrumpetが効果を上げている。こうしたムードのこの曲もいいものだ。

 このニュー・アルバムは過去のものから特別出色というのでなく、前作の「Plays Live」のジャズ盤から、またまたボサノヴァを聴かせて入れたと言うところに意味があると言ったところか?。
 
 とにかく現夫のMarc Johnsonのbassが全曲に入り、不思議に元夫が2曲に登場し、更にもと夫との娘のAmanda Breckerがヴォーカルで登場したりと、面白いというか不思議というか、そんな世界である。
 しかし彼女のジャズ・ボサノヴァ・ピアノの演奏と低音の充実したややハスキーなヴォーカルは非常に心地よく、そして目下50歳を過ぎての健闘に喝采を浴びせるのだ。

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2011年8月19日 (金)

ケイティ・メルア Katie Melua オーケストラとの共演ライブDVD

オーケストラとの共演のもたらすもの・・・・・

 私がこのケイティ・メルアの唄を知ったのは2009年の夏なのでまだ2年前だ。にもかかわらず、ずいぶん前から聴いてきたような錯覚に陥っている。それは何故なんだろう?と・・・・・・。多分2003年の1stアルバムから昨年の4thアルバムの「the house」まで、結構何度となく良く聴いた為かも知れない。
 そして今年になって、2009年のライブDVDが登場していた。最近私はそれを手に入れて視聴した訳だが、なんか結構懐かしい気持ちで観ていたのである。

Stuttgartdvd 「Katie Melua with the Stuttgart Philharmonic Orchestra」 DRAMATICO DRAMDVD0006 ,  2011

 これはドイツのシュツットガルドで、1994年以来毎年行われている”JAZZ OPEN Stuttgart”という音楽の祭典に、2009年ケイティ・メルアの出演した時のライブ・映像盤だ。それが今年になってリリースされた(輸入盤だがリュージョン・フリーで日本でも観れる)。
 この音楽行事は、”JAZZ OPEN”と名付けられているように、毎年話題のミュージシャンを、音楽ジャンルはジャズに主軸を於きながらも、ジャズばかりには固執せず、そして広く各国から招待公演させているものだ。

 彼女に関してはこのブログで何度か取り上げたので省略するが、1984年旧ソ連のグルジア生まれであり、このライブではまだ25歳という若さである。
 ピアノ、ギターを弾きながら歌うシンガー・ソングライターで、かなりの音楽の積み重ねもあると思うが、その曲はJazzyであるが(ブルースも)、ロック、ポップスの範疇にも入るし、時にアイリッシュ・フォークの色合いも見せる。
 その歌声もなんとなくあどけないところがあって、それも又魅力である。

Stuttgartdvdlist    収録されている曲は左のようで、どちらかというと彼女のヒット・パレードだ。
 なんと言っても、このライブの特徴はオーケストラとの共演である。彼女自身も初めての試みで、感動したようである。もちろんジャズ畑のピアノに加えてギター、ベース、ドラムスの参加もある。
 しかも、このシュツットガルド・フィルファーモニー・オーケストラを指揮するは、彼女をここまで育ててきた師マイク・バットである。
 もう一つ驚かされるのは、この会場の9千人と言われるオーディエンスは25歳のジャズぽいと言えどもポピュラー系の女性のステージというのに年齢層の高いのに驚かされる。彼女の主たる活動の国イギリスに於いてもライブ映像を見ると年齢層はかなり広く中年以上が結構多い。
 こうした広い年齢層に愛されている歌手だと言うことが解るのだ。しかし、不思議に日本ではそうネーム・バリューは高くない。従ってこのDVDも日本版はないのだ。

Katie_melua  この彼女のライブを観て思うのだが・・・・、彼女はグルジアでの内戦の悲惨さの中で育った為なのか?、このあたりは全く私の想像の域を出ていないのだが・・・・、演ずる会場の雰囲気はそれほど明るくはない。彼女の歌う表情も笑顔ではないのがそうさせるのか?。ましてフル・オーケストラをバックにするとなお更静かな会場と化している。
 曲の内容でも、リズムでも、決して全てが暗いわけでもないが・・・、なんかこのDVDをみてそんな雰囲気を感ずるところだ。このあたりが、日本でも若者にあまり注目されないところであるのかもしれない。それでも若い連中に彼女のCDを聴かせると評判はすこぶる良いのだ。
 ライブでも、もうちょっと、会場を楽しくさせるパフォーマンスも必要なのかも知れない("on the road again"などでは頑張ってはいるのだが・・・・)。
 しかしいずれにしても、若いにもかかわらず一つの世界を持ったミュージシャンであることは間違いない。私にとっては2年前から注目し、応援している女性シンガー・ソングライターの一人なのである。
 
 

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2011年8月16日 (火)

カメラとレンズと改造とアート ~その2~

まずはデジタル機での安易さを使っての試みから(2)・・・・・・

P8121610mono2  昔からボケ味を楽しむのは写真撮影の一つの醍醐味でもあるが・・・、それが尋常では飽き足らない世界への没入としての一つの手段として”LENSBABY”といういうのがある。
 左はそのLENSBABYのマイクロフォーサーズ・カメラ用として市販されている”レンズベビー・コンポーザー・ティルトトランスフォーマー”をミラーレス・マイクロ・フォーサーズ機(オリンパスE-PL1)に取り付けて撮ったもの。
 このコンポーザー(レンズ)は周辺が流れるようにボケる。このように焦点が長いレンズでなくともボケ味を強調するのに面白い。
Lensbaby  このコンポーザー・ティルトトランスフォーマーは左のようなものである。上部がコンポーザーComposerでレンズであるが、取り外しが出来る。下部はこのようにひねる(ティルト)事が出来るティルトトランスフォーマーTilt Transformerで、焦点の偏位を行う。これにコンポーザー(上半分)を取り除くと、そこにニコンマウントとなっていてニコン・レンズが装着できるのである。(D700に装着可能なケンコー・トキナ LENSBABY コンポーザーは、ニコンFマウント用もあるが、残念ながらチルトトランスフォーマーにニコン・レンズの装着は出来ない)

Epl11 これがマイクロフォーサーズ・ミラーレス機に、このティルト・トランスフォーマーを介して昔のニコン・レンズNIKKOR-N.C Auto 1:2.8 f=24mmを取り付けたところだ。
 もともとマイクロ・フォーサーズ機はセンサーが35mmフィルムより小さいため、丁度かってのワイド・レンズである24mmレンズが、標準レンズに近くなって使用勝って良い。そんな訳で標準の50mmレンズでなく、このワイドを付けているという結果なのだ。

Epl13 上から見ると、かなりニコンのレンズがティルトされていることが解ると思うが、これが上下左右360°どの方向にも向けられ、カメラ・ボディーに近い部分で締めて固定も出来る。まあ、こうして撮っていると、お気に入りのワン・カットでも多用のとり方が出来て、お遊びも充実してくる。
 この手法は、やはり明るい屋外ではカメラのスクリーンでなく、明るく見やすい電子ファインダーによる撮影が最も有力である。

P8151633monoweb  これがこのニコン24mmによる作例だ。ほんの少しの位置ズレにおいても、これだけボカすことが出来る。
 ちょっとこのカットを見るとわかるが、ボケ味がいまいちである。従ってそれにはこれから一工夫は必要なところだ。求めるものによって違いがあろうが、私の一つの目的においては、かなりイケそうな線にもってゆくある意味での自信がある。

 この手法でも公開できるような作品を撮りたいと思っているが、実は私の狙いはやはりフィルム(ブローニー版以上)での撮影である。
 そんな意味においては、フルサイズデジタル一眼(D700)やマイクロフォーサーズ機(E-PL1)は、取り敢えずの試験試行であって、かってのジャバラのシノゴを取り出すのもちょっとエネルギーが必要なので、そこまで行かずにこれから如何なる機種で如何なるレンズを使い(改造し)、如何にティルト、シフトなどをさせるかが今後の私にとっての大きな問題(楽しみ)である。
 更に付け加えますが、作例が何故モノクロか?といいますと、この世界は、あくまでも私の感覚では、モノクロでないとどうもその味が感じられないという事によります。

 (私の試行作例はブログ「瞬光残像」を覗いていただけると見れます。http://photofloyd.exblog.jp/

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2011年8月15日 (月)

カメラとレンズと改造とアート ~その1~

まずはデジタル機での安易さを使っての試みから・・・・

Ex6  しかし、考えてみると・・・・現在のデジタル・カメラの高性能化と普及によって、その遊び方も大きく変わったものである。
 つまり、撮影と同時にその撮れたものが即座に見れると同時に画像に操作を加え、そしてプリントもプリンター処理により一気に仕上げることが出来る。

 目下、私の興味は左の写真のような世界である。こうしたものは一種のアートとして仕上げていく方向に向かうと思うが・・・それもデジタル機による試写は極めて有用だ。(これはNikon D700+改造レンズ=下の写真で紹介)

 この世界では、私がお手本としているのは、私の親しい友人で、昔のパソコン通信時代(懐かしいですね)のハンドル・ネームで/tenさんというカメラ人である。その彼の試み(レンズ作り)とその作品群には圧倒される。
D700  そんな訳で、私も追従してその世界を身につけたいという試みを始めたというわけだ(これがその一枚)。この撮影に使ったレンズは、左写真のようにレンズの鏡銅に斜めに単純レンズを押し込んだもの。このレンズは、その/tenさんからお借りしているものだ。その作品が上のものである。つまりチルト機構と同じであるが、これがズーム・レンズの鏡銅を使っているので回転させてみたり前後の繰り出しを使って焦点を合わせたりの操作が出来る。
 ニコンのD700というカメラはマウントはニコンFマウントであり、センサーがAPS-Cでなく、フルサイズ(35mmフィルムのサイズ)であるので昔のニコンのレンズを装着してかっての35mmカメラ感覚で撮影できる。そんな利点を生かしながらの撮影である。

 実際のところ、フィルムで育っては来た我々にとっては、デジタル機による画像のニュアンスは、その柔らかい階調の素晴らしさにおいて、まだまだ不満足であるが、諸々試みのテストとしてはデジタル機は非常に有り難い。目下こうした試写によって、この世界の感覚を身につけようと私の頭はその方向に向いている昨今だ。(続く)
 

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2011年8月 8日 (月)

北欧からの女性ジャズ・ヴォーカル:メッテ・ジュール Mette Juul デビュー

説得力ある実力派の歌唱が魅力

Cuminginfrom 「METTE JUUL / COMING IN FROM THE DARK」 Cowbel Music,  Yamaha YMCJ-10005,  2010

 このデンマーク発のアルバムをどうして聴くようになったか?、おかしなことに記憶がない。ジャケ買いでもないし、多分どこかの雑誌で取り上げていたのかも・・・。いずれにしても何回か聴いてきた経過で、ここで取り上げることにする。

 このアルバムの特徴は、バックのアレックス・リール・トリオが知られていることだ。そしてこの女性ヴォーカリストのメッテ・ジュールは、アコースティック・ギターを弾きながらジャジーな歌を聴かせ自らのオリジナル曲を披露する。つまりシング・ソングライターである。多分これが彼女の1stアルバムだと思う。

 このアルバムは、彼女のオリジナル5曲とジャズ・ポピュラー曲のカヴァー7曲の構成だ。プロデュースも、メッテ・ジュール&アレックス・リールとなっている。いずれにしても彼女のヴォーカルを支えるのが、アレックス・トリオ(Alex riel: drums, Heine hansen: piano, Jesper lundgaad: bass)で、ゲストにtrumpet(Palle mikkelbrog), Guitar(Poul halberg) が入る。

Mette (list)
   1. the way you close the door*
   2. coming in from the dark*
   3. old devil moon
   4. comes love
   5. embraceable you
   6. valsen er min*
   7. what is this thing called love
   8. estate
   9. in the wee small hours of the morning
  10. little devile blue*
  11. how many hours must i travel alone*
  12. i wish you love
     (*印 メッテのオリジナル)

 メッテ・ジュールはデンマークで生まれ、2007年には国際ジャズ・アーティスト・コンペティションで優勝しているという実力派。彼女はジョニ・ミッチェルに影響を受けていると言うが、上の彼女自身の曲を聴くと、所謂そのお国柄のイメージが湧いてくるタイプで、フォークというのでなくトラッドぽいところがあるし、そのジャジィーな展開が面白い。なんと言ってもしっかりと歌うところが特徴だ。近頃はやりの呟き囁きフェイクの多用とは違う。
 デンマークのローカルな曲を知っているともう少し理解度が増すのかも知れない。いずれにしても6曲目の”Valsen er min” は、彼女のオリジナル曲であると同時に、その他の曲は英語で唄っているが、これはデンマーク語で披露しているところが骨である。
 スタートのオリジナル曲は、ボサノヴァ調でオープニングを飾りジャズ心を示しながら、2曲目にタイトル曲”coming in from the dark”を登場させトランペットと共に歌い上げるが、やはり聴き慣れたメロディーと違った作風に彼女の世界をアッピールされる。5曲目のガーシュインの曲”embraceable you”は、聴くものの心にじっくりと響いて私好み。”estate”はジャズ界を代表する曲だけあってそのアプローチは歪みのない歌唱で説得力十分。
 その他、”in the wee small hours of the morning”、”i wish you love”など聴き応えは力のある歌唱力で堪能できる。

 なんか久々に唄を聴いたという気持ちになるアルバムだ。彼女のオリジナル曲がうまく曲配列の中で印象付けられる。それはそれだけ独特のものであるからだ。トリオの演奏もさすが評価どおりの展開で、このアルバムへの貢献も大きい。とにかく実力派のデビュー・アルバムであった。さてさて、これからの世界評価がどう展開するか楽しみである。

 

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2011年8月 4日 (木)

韓流女性ジャズ・ヴォーカル(2): ウィンタープレイ WINTERPLAY

ジャジー・ノット・ジャズ路線の一翼の韓国ユニット

Beautifulmelodies  私が、ウィンタープレイを知ったのは、一昨年だったと思うが、左のアルバムからだ。このアルバムは”Universal Classic & Jazz”が新しい音楽の形として売り出した”Jazzy not Jazz”というスタイルを推し進めたときのオムニバス盤である。

 「Beautiful Melodies」 Universal Classic & Jazz  UCCU-1242,  2009

このアルバムには、メロディー・ガルドー、ダイアナ・クラール、マデリン・ペルー、シーア、イメルダ・メイ、ジェーン・モンハイトなどと共に、このウィンタープレイが登場し”Quando,Quando,Quando”の曲を披露していた。
 そんなことから、女性シンガーであるヘウォンHaewon を擁したジャズ・バンドであるウィンタープレイWINTERPLAYを聴くことになったのだが、ここで2枚のアルバムを紹介する。

Winterplaysongsofcoloredlov「WINTERPLAY / Songs of Colored Love」 Universal Classic & Jazz (FLUXUS JAPAN) Emarcy 004402033182 , 2010

 このユニットはプロデュサーでソングライターのトランペット奏者ジュハン・リーJuhan Lee が率いる4人の構成である。そして一人女性のヘウォンがヴォーカルを担当している。2007年に結成していて2009年7月にこのアルバムで日本デビュー。
 アルバム・タイトル曲の”Songs of Colored Love”からスタートするが、この曲はEgo-Wrappinの”色彩のブルース”の英語カヴァーであり、これがかなりの注目を浴びた。

Winterplay_002  もともとこのユニットの曲は、ジャズ要素の入ったポップといっていいのか?、そして収録14曲中半分はジュハン・リーのオリジナル曲。そしてその他は、Micheal Jackson の”Bille Jean”、Sting の”Moon over Bourbon Street”、Rod Stewartの”You're in My Heart”、そして昔からの有名曲”Qundo,Quando, Quando”などと多彩。
 ヴォーカルのヘウォンの唄はなかなか魅力的、彼女は子供の時から歌手を目指していたが、大学時代にジャズに目覚めたらしい。中高音が澄んでいる。このあたりはハスキーのウンサンよりは美しさがある。

Wpsunshine_2 「WINTERPLAY / Sunshines」 Universal Classic & Jazz (FLUXUS JAPAN) UCCY-10006 , 2010

 ウィンタープレイの2ndアルバム。
 こちらは、リーダーのトランペット奏者ジュハン・リーの曲が殆どを占めている。彼らも人気を足がかりに更なる発展を期してのアルバムと思われるが、どっちかというと更にポップになってJazzyな因子の後退だ。一般的にはこのほうが支持は広がるのかも知れないが・・・私から見ると、面白みは減退している。
 又どうゆう訳か、Michael Jacson の”Billie Lean” がこのアルバムにも登場する。

 このウィンタープレイは、日本でのこの夏の”真夏の夜のJAZZ in HAYAMA(Tribute to Bill Evans)”に登場する。いずれにしても日本から世界を見つめての活動に意欲的のようだ。

(視聴)

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2011年8月 1日 (月)

韓流女性ジャズ・ヴォーカル(1): ウンサンWoong San 「Once I Loved」

呟(ささや)き、囁(つぶや)きヴォーカル

 今年の始めに、「ジャズ批評」で発表のあった”ジャズオーディオ・ディスク大賞2010-ヴォーカル部門-”で金賞に輝いたウンサンWoong San、そんな訳で当時取り敢えず手にしたアルバムがこれだ。既に数ヶ月経過したが、ここで韓国ものにちょっと焦点を当てることとして取り上げてみる。

Onceilove 「Woong San / Once I Loved」 FORWARD FW2081W , 2010

 もう韓国では10年以上のキャリアがあるウンサン、日本メジャー・デビューを果たしたのは2008年のアルバム「Feel like making Love」であった。そしてこのアルバムはその後の3rdアルバムだ。
 もともと1998年より日本でも活動するようになっていて既にベテランであり、韓国ではトップ・クラスのヴォーカリスト。私は若干知っていたが、アルバムを手にして聴いたことはなかったのである。
 このアルバムは日本盤と言っていい内容で、ポニーキャニオンにより製作され、バック・バンドは日本人演奏陣で固められていて、日野皓正(ts)が一曲ゲスト参加している。録音は東京の一口坂スタジオで行われていて、かなり好録音。(鈴木央紹(sax)、秋田慎治(p)、若井優也(p)、金子雄太(org)、天野清継(g)、荻原亮(g)、松島啓之(flh)、安カ川大樹(b)、大月”カルタ”英宣(ds))
 かってのメジャー・デビュー前の2005年のアルバム「Call Me」では、Bluesにチャレンジしたもので、大半がオリジナル曲という内容で、日韓でかなり好評だった由。しかし今回のこのアルバムは多くがスタンダート・ナンバーで占められている。

Woongsan2    1. she's not there
   2. you don't know what love is
   3. the lady wants to know
   4. no moon at all
   5. never let me go
   6. teach me tonight
   7. the water is wide
   8. once i loved
   9. the man i love
  10. as time goes by
  11. the lady is a tramp
  12. what the world needs now

 さてその中身だが、冒頭の”she's not there”は軽快なリズムに乗っての洒落たHisatsugu Suzuki のアレンジが冴えて面白い。
 2曲目”you don't know what love is”には日野皓正のトランペットが登場してがらっとムードは夜の世界。そしてウンサン得意の囁き呟きヴォーカルが登場する。その流れは”never let me go”、”once i loved” といったバラード曲にも同様で、ゆったりと低音を効かしたスロー・ヴォーカルが彼女の得意技。やや暗く哀愁のムードはなかなか見事と言って良い。
 このアルバムはかなり技術力の高い好録音で、再生されるピアノなどの音も見事である。そして実は彼女のヴォーカルの表現にもかなり貢献しているのが解る。ヴォーカルものの声の艶には録音の善し悪しが相当関与している。そんな意味ではバック・バンドの演奏力もそうだが、ウンサンは恵まれていると言ってもいいだろう。
 ただ、11曲目の”the lady is tramp” のような歌い込みの必要な曲では、若干甘さが出てしまうところはいたしかたのないところか。

 現在、彼女の活動は広く、特にミュージカルなどにも活動が及んでいる。日本でも人気の韓国の代表選手であって、今後の健闘に期待しておこう。

 

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